白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養素を比較!栄養価が一番高いのはどれ?

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近年の健康志向ブームにより、白米より栄養価が高い玄米・もち麦・雑穀米の人気が高まっています。しかし、「結局どれが一番体に良いの?」なんて思ったことはありませんか?今回は、そんな疑問を解決するべく、白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養価を徹底比較します!それぞれのメリットとデメリットなども併せて紹介するので、参考にしてみてくださいね。

白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養価を比較!

それでは早速、白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養価を比較していきましょう。

※今回紹介する栄養価は、すべて炊いた状態のお茶碗1杯分(150g)のものです。もち麦は白米と半量ずつ混ぜて炊いた場合の栄養価です(もち麦・雑穀米についての詳細は文末の脚注※1,※2をご覧ください)

1.カロリー・炭水化物・たんぱく質・脂質を比較

まずは、それぞれのカロリーと炭水化物・たんぱく質・脂質の含有量を比較しました。

白米玄米もち麦雑穀
カロリー234kcal228kcal206kcal248kcal
炭水化物55.7g53.4g49.2g57.7g
たんぱく質3.8g4.2g3.5g4.5g
脂質0.5g1.5g0.6g0.8g
茶碗1杯(150g)あたり ※1,※2

4種類のカロリーを比較すると、もち麦が最も低カロリーであることが分かります。白米・玄米・雑穀米のカロリーはほぼ同じですね。

たんぱく質は雑穀米が1番多く、白米より玄米の方が若干多く含みます。

ちなみに、玄米が白米より多く脂質を含むのは、米ぬかに含まれる脂質の分です。お米の脂質はぬかに集中しているため、精米時にぬかが取り除かれる白米は脂質をほぼ含みません。

結論
・最も低カロリーなのはもち麦
・たんぱく質を最も多く含むのは雑穀米

2.ビタミン含有量を比較

続いて、ビタミンの含有量を比較していきましょう。
※米や穀類には脂溶性ビタミンやビタミンC・B12はほとんど含まれないので、その他のビタミンを比較しています。

白米玄米もち麦雑穀
ビタミンB10.03mg0.24mg0.03mg0.07mg
ビタミンB20.02mg0.03g0.01mg0.02mg
ナイアシン0.3mg4.4mg0.8mg0.7mg
ビタミンB60.03mg0.32mg0.04mg0.06mg
葉酸5㎍15㎍5㎍7㎍
パントテン酸0.38㎍0.98㎍0.29㎍0.48㎍
ビオチン0.8㎍3.8㎍1.0㎍1.6㎍
茶碗1杯(150g)あたり ※1,※2

白米と玄米を比べると、玄米にはすべてのビタミンが白米の2倍以上含まれていることが分かります。特に、ビタミンB6は白米の約10倍、ナイアシンは約15倍もの量が含まれています。

また、雑穀米も白米の1.5~3倍程度のビタミンを含んでいます。一方、もち麦のビタミン含有量は意外と少なく、ナイアシン以外は白米と同程度です。

結論
ビタミンの含有量は

玄米>雑穀米>もち麦>白米

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3.ミネラル含有量を比較

次は、白米・玄米・もち麦・雑穀米のミネラルの含有量を比較していきましょう。
*ヨウ素やクロムは含まれていないので割愛しています。

白米玄米もち麦雑穀
ナトリウム2mg2mg1mg2mg
カリウム44mg140mg50mg69mg
カルシウム5mg11mg7mg5mg
マグネシウム11mg74mg13mg21mg
リン51mg200mg60mg78mg
0.2mg0.9mg0.4mg0.4mg
亜鉛0.9mg1.2mg0.8mg1.1mg
0.15mg0.18mg0.14mg0.17mg
マンガン0.52mg1.56mg0.44mg0.67mg
セレン2㎍2㎍1㎍2㎍
モリブデン45㎍51㎍25㎍44㎍
茶碗1杯(150g)あたり ※1,※2

ビタミンと同じく、ミネラルを最も多く含むのも玄米です。特に、玄米はカリウム・マグネシウム・鉄・マンガンなどを多く含んでいます。

ミネラルの含有量は、雑穀米、もち麦、白米の順に少なくなっていきます。ビタミンやミネラルは胚芽やぬかに多く含まれるため、精米によって含有量が減ってしまうのは仕方がないことですね。

なお、カリウムは体内の余分なナトリウムや水分を排出させる働きを持ちます。日本人は塩分摂取が過剰になりがちなので、カリウムの多い玄米や雑穀米を取り入れると、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。むくみの改善にも効果的ですよ。

結論
ミネラルの含有量は

玄米>雑穀米>もち麦>白米

4.食物繊維の含有量を比較

白米玄米もち麦雑穀米
食物繊維総量2.3g2.1g4.3g2.6g
水溶性食物繊維0.3g
不溶性食物繊維0.5g1.8g0.2g0.6g
茶碗1杯(150g)あたり ※1,※2

食物繊維は、もち麦が最も多く含んでいます。食物繊維の摂取目標量は、成人女性で1日18g以上、成人男性で21g以上なので、野菜や海藻をあまり食べない方は、もち麦を食事に取り入れてみましょう。

もち麦だけでなく、白米・玄米・雑穀米にもしっかり食物繊維が含まれています。白米は栄養価が低いと思われがちですが、食物繊維が豊富なので便秘解消に役立ちますよ。

食物繊維をしっかり摂ると、腸内環境が整うだけでなく、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果や、血中コレステロール値や中性脂肪値を下げる効果も期待できます。そのため、生活習慣病の予防やダイエットに効果的です。

なお、白米の方が玄米より食物繊維量が多くなっている理由については、下記のコラムを読んでみてくださいね。

白米の方が玄米より食物繊維が多いという謎
栄養計算のバイブルとも言われる「食品成分表」。日常的な食品に含まれる栄養素をデータ化したもので、5年ごとに改訂されています。2020年版の食品成分表では、食物繊維の分析法が変わり、今まで成分数値に含められなかった低分子の食物繊維まで加わることになりました。この改変により、白米(炊いた状態)の食物繊維量は2015年版の0.3g/100gから1.5g/100gへと増加しました。
しかし、食品分析には多大な時間がかかるため、一部の食品から徐々に数値を改めている段階です。白米は分析し直したものの、玄米はまだ再分析が行われていません。そんなわけで、現在は白米の食物繊維量が玄米より多いというあべこべ状態になってしまっています。(2023.6.02現在)

ダイエットに効果的なのは?白米・玄米・もち麦・雑穀米の特徴&メリット

白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養価がそれぞれ違うことが分かりましたが、ここからは特徴やメリットなどをまとめていきます。どれが自分に合っているか分からない、という方は参考にしてみてくださいね。

1.白米の特徴とメリット

白米は、玄米から胚芽や糠を取り除いて精米したものです。お米の栄養素は糠層に多く含まれているため、精米すると玄米より栄養価は落ちてしまいます。特に、ビタミン・ミネラルは玄米に比べると含有量がかなり少ないことは比較表でも明らかでした。

ただ、玄米は胚芽や糠を含む分、消化に時間がかかる点が人によってはデメリットでもあります。特に胃腸が弱い方は、消化しやすい白米の方が負担が少ないでしょう。また、白米は価格が安く、手軽に手に入る点もメリットですね。

さらに言うと、現代では肉・魚・野菜などからビタミンやミネラルを得られるため、主食が白米でも栄養的に問題になることはありません。

白米のメリット
・消化が良い
・胃腸への負担が少ない
・価格が安い

2.玄米の特徴とメリット

玄米は、白米・もち麦・雑穀米に比べてビタミンやミネラルを豊富に含む点が特徴です。特に、ビタミンB1・ビタミンB6・ナイアシン・カリウム・鉄・マグネシウムなどを多く含んでいます。

それぞれの栄養素のおもな働きや効果は、以下を参考にしてみてください。

ビタミンB1糖質代謝のサポート
ビタミンB6アミノ酸代謝のサポート
ナイアシン糖質・脂質・たんぱく質代謝のサポート
カリウム過剰なナトリウムの排出・
神経伝達・筋収縮
赤血球の成分・貧血予防
マグネシウム筋収縮・血圧や体温の調節

各種のビタミンは、主に栄養素の代謝に関わる酵素の働きをサポートします。

なお、玄米に多く含まれるナイアシンは、摂取量が少ないと体内でトリプトファンから合成されます。トリプトファンは、幸せホルモンのセロトニンの材料にもなるため、ナイアシンを十分に摂るとトリプトファンの節約になり、結果的にセロトニンが十分に分泌されるようになります。

その他のビタミン・ミネラルも、体内の機能を正常に保つ役割を持ちます。

一方、玄米は消化があまり良くないので、胃腸の調子がすぐれないときは、白米に替えると負担が軽減できますよ。

玄米のメリット
・ビタミンやミネラルが豊富
・栄養素の代謝が高まる
・体の機能が整う

3.もち麦の特徴とメリット

もち麦の特徴は、なんといっても食物繊維が豊富なこと。白米・玄米・雑穀米の約2倍の食物繊維がもち麦に含まれています。

食品成分表では分析されていませんが、もち麦には水溶性食物繊維が豊富に含まれると言われています。

食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、不溶性の食物繊維を多く摂り過ぎると便秘が悪化することもあります。玄米や雑穀米を食べて便秘が改善されない場合は、もち麦を加えてみると変化が感じられるかもしれません。

また、白米・玄米・雑穀米に比べてカロリーが低いので、ダイエット中の方にも適しています。白米ともち麦の分量を調節して、自分好みの食感に変えるのもおすすめ。

もち麦のメリット
・食物繊維が多い
・便秘改善やダイエットに効果的
・カロリーが低い

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4.雑穀米の特徴とメリット

雑穀米は、さまざまな穀物を組み合わせるため、栄養素をバランスよく摂れる点がメリットです。

黒米赤米は、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むのが特徴です。あわ・きび・ひえは、漢方の考えでは消化機能を高める食材とされています。また、スーパーフードのキヌアは、カリウム・鉄・食物繊維を豊富に含んでいます。

どのような栄養素を得たいかに合わせて、商品を選んでみてくださいね。

雑穀米のメリット
・栄養素をバランスよく摂れる
・黒米、赤米はポリフェノールが豊富
・あわ、きび、ひえは消化機能を高める

体質や体調に合わせて白米・玄米・もち麦・雑穀米から選ぼう!

白米・玄米・もち麦・雑穀米は、それぞれ栄養価や特徴が違います。人によって合う・合わないがあり、その日の体調や合わせる食品によってもどれがベストなのかは変わります。

あくまでも目安ですが、下記を参考に何を食べるか選んでみてくださいね。

 白米・胃腸の調子が悪いとき
・遅い時間に食べるとき
(消化しやすい)
 玄米・献立に野菜が少ないとき
(ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富)
 もち麦・便秘のとき
・ダイエット中
(食物繊維が豊富で低カロリー)
 雑穀米 ・胃腸の調子が悪いとき
・遅い時間に食べるとき
・献立に野菜が少ないとき
(消化しやすく栄養価も高い)

おかずを用意できず、おにぎりや丼物などの単品で食事を済ませる場合は野菜が不足してしまうので、ビタミン・ミネラルを豊富に含む玄米や雑穀米がおすすめです。玄米より雑穀米の方が消化に負担がかからないため、胃腸の調子が悪い時や、夜遅くに食べる場合は雑穀米を食べましょう。

また、便秘が気になる場合は食物繊維を豊富に含むもち麦がおすすめです。もち麦はカロリーが低いため、ダイエット中にも最適ですよ。

白米・玄米・もち麦・雑穀米のそれぞれの栄養価やメリットを知り、上手に食事に取り入れてみてくださいね。

参考文献
日本食品成分表2020年版

※1 もち麦の栄養価は、大麦(めし)75g+精白米(めし)75gの数値です。
※2 雑穀米は、精白米(めし)125g+黒米(めし)5g+赤米(めし)5g+あわ・きび・ひえ各2.5gの値です。あわ・きび・ひえは乾物重量なので炊いた際の水分を考慮して2.5gとしました。

written by yukari

食生活アドバイザー。普段は玄米や雑穀米をよく食べています。白米・玄米・もち麦・雑穀米の栄養価を一覧で比較してみたい、という私自身の好奇心からこの記事を作成しました。同じように感じている方のお役に立てると幸いです!

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