玄米に含まれるミネラルの種類と効果・効能

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玄米は、ミネラルを豊富に含む食品として知られています。「野菜いらず」とさえ言われる玄米ですが、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。今回は、玄米に含まれるミネラルの種類と、その効果・効能を紹介します。

玄米に含まれるミネラルの種類

まずは、玄米にどのような種類のミネラルが含まれているのかを確認しましょう。下の表は、炊いた状態の玄米に含まれるミネラルの量です。

玄米100g中
の含有量
150g×3食
食べた場合
成人男性の
摂取目安(/日)
成人女性の
摂取目安(/日)
ナトリウム0.001g0.005g7.5g未満6.5g未満
カリウム95mg427.5mg3,000mg以上2,600mg以上
カルシウム7mg31.5mg700~800mg600~650mg
マグネシウム49mg220.5mg320~370mg260~290mg
リン130mg585mg1,000mg(目安量)800mg(目安量)
0.6mg2.7mg7.0~7.5mg6.0~11.0mg
亜鉛0.8mg3.6mg10~11mg8mg
0.12mg0.54mg0.8~0.9mg0.7mg
マンガン1.04mg4.68mg4.0mg3.5mg
セレン1㎍4.5㎍130㎍130㎍
モリブデン34㎍153㎍25~30㎍25㎍
※1,※2参考

日本で食事摂取基準が設けられているミネラル13種類のうち、玄米には11種類のミネラルが含まれています。

ミネラルは、お米の糠や胚芽の部分に蓄えられているので、精米するとミネラルがほとんど失われてしまいます。白米と比較すると、玄米はカリウムやマンガンを約3倍鉄を約6倍マグネシウムを約7倍も含むのが特徴。

ミネラルには過剰摂取により健康に悪影響を及ぼすものもありますが、毎食玄米を茶碗1杯食べても、耐容上限量に達するものはないので安心してくださいね。
(推奨摂取量をはるかに超えているモリブデンの場合、耐容上限量は男性が500㎍、女性は400㎍です。※2

玄米に含まれるミネラルの効果・効能

玄米には11種類ものミネラルが含まれていますが、それぞれどのような働きをするのでしょうか。

玄米に含まれるミネラルの働きとともに、期待できる効果を下の表にまとめました。

ミネラル主な働き期待できる効果
ナトリウム・体の水分量の調節
・神経伝達
・細胞の浸透圧の維持
カリウム・神経伝達
・細胞の浸透圧の維持
むくみの改善
カルシウム・骨や歯の成分
・筋肉の収縮
骨粗しょう症の予防
マグネシウム・体温や血圧の調節
・神経伝達
・酵素のサポート
動脈硬化・高血圧・
虚血性心疾患の予防
リン・骨や歯の構成成分適量摂取により
骨粗しょう症の予防
・赤血球の成分鉄欠乏性貧血の予防
亜鉛・酵素の構成成分抗酸化作用
・鉄の体内輸送
・酵素の構成成分
抗酸化作用
マンガン・酵素の構成成分抗酸化作用
セレン・酵素の構成成分抗酸化作用
モリブデン・酵素の構成成分

ミネラルは、体内の組織や酵素の構成成分となり、体の機能を正常に保つ役割を担っています。

例えば、ナトリウムやカリウムは、細胞内液や外液に存在し、互いに影響し合って神経の伝達にかかわります。カルシウムやリンは骨や歯などを構成し、鉄は赤血球の成分になります。

亜鉛・銅・マンガンは、抗酸化作用を持つ「SOD」という酵素の成分になり、体内で発生した活性酸素を除去します。活性酸素が除去しきれないと、細胞に損傷を与えて老化や疾病の原因になるため、抗酸化作用を持つミネラルはとても重要です。

玄米は本当に野菜いらず?玄米に足りない栄養素

玄米には豊富なミネラルが含まれることは確かですが、「野菜いらず」はあくまでも比喩表現です。玄米を食べていれば野菜や主菜がいらない訳ではないので、バランス良く食事を摂りましょう。

玄米だけでは不足してしまう栄養素は、たんぱく質や脂質です。ミネラルでは、カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛・セレンが不足しやすいので、これらの栄養素を補うことが大切です。

玄米に魚介類や肉、大豆製品を合わせると、脂質・たんぱく質・鉄を補うことができます。魚介類や大豆にはカルシウム、肉や魚介類には亜鉛も豊富に含まれます。セレンは魚や納豆に多いので、これらの食品を上手く組み合わせましょう。カリウムを多く含む野菜や果物を献立に取り入れることも大切です。

玄米を食べてミネラル不足を解消しよう!

玄米には多様なミネラルが豊富に含まれるため、食事に取り入れると栄養価を上げることができます。しかし、玄米だけでは足りない栄養素もあるので、焼き魚や納豆などの主菜、野菜を使った副菜を献立に取り入れてバランス良く食べることが大切です。

また、玄米は体質や体調によって合わない場合もあるので、ご自身の体の具合を見ながら取り入れてみてくださいね。

参考文献
※1 文部科学省 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準2020年版」

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