発芽玄米を食べ続けるとどうなる?期待できる効果とデメリット

玄米を発芽させることで、柔らかく食べやすくした「発芽玄米」。普通の玄米より消化が良く、発芽にともなってGABAのような成分が増加するため栄養価も高まります。そんな発芽玄米を食べ続けると、どのような効果が得られるのでしょうか。今回は、発芽玄米に含まれる成分の働きとともに、長期的な摂取によって期待できる効果、実際に食べ続けた結果などを紹介します。発芽玄米の摂取によるデメリットもあわせて紹介するので参考にしてくださいね。

発芽玄米を食べ続けるとどうなる?期待できる7つの効果

発芽玄米を食べ続けると、以下のような効果が期待できます。

・便秘が改善される
・血中コレステロール値が改善される
・血糖値が改善される
・血圧上昇が抑制される
・ストレスが緩和される

・肌質が改善される
・疾病の予防に役立つ

発芽玄米には、食物繊維やミネラル、GABAなどが豊富に含まれています。これらの成分は、生活習慣病の予防や血圧・血糖値・血中コレステロール値の改善、精神安定などに役立ちます。

7つの効果については以下に詳しく記載しているので、気になる項目をタップしてみてくださいね。

玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整え、便秘を改善する効果が期待できます。また、玄米に含まれるマグネシウムには、腸管内に水分を引き込み、便を軟化させ、排出しやすくする作用があります。

玄米に含まれる食物繊維には、コレステロールの排出を促す作用があります。また、玄米には、コレステロールと構造がよく似た植物ステロールも含まれます。植物ステロールは、コレステロールの代わりに吸収されることで、結果的に、コレステロールの体内への吸収を阻害します。

玄米は、白米に比べてGI値が約40%低く、食後の血糖値上昇がゆるやかです(*1)。そのため、インスリンの過剰分泌を防ぎ、糖尿病の予防に役立ちます。I型糖尿病モデルラットによる実験では、玄米を長期的に食べ続けると、白米を摂取した場合に比べて空腹時血糖値が改善したと報告されています(*2)

発芽玄米に豊富に含まれるGABAには、血圧上昇を抑える効果があります。GABAは交感神経の亢進を抑え、血管収縮作用のある物質を抑制することで、血圧降下作用を示します。GABAの血圧降下作用は、血圧が高めの人にのみ起こり、正常血圧の場合は維持されます。

発芽玄米に含まれるGABAには、ドーパミンのような興奮性物質の過剰分泌を抑制し、ストレスを和らげる作用があります。

GABAは、玄米が発芽する過程で増加するため、普通の玄米より発芽玄米により多く含まれています。100gあたりのGABA含有量は、下の表を参考にしてください。

  白米    玄米   発芽玄米 
1mg3mg10~40mg
参考:農研機構・SBIアラプロモ

玄米には、ビタミンEやフィチン酸のような抗酸化成分が含まれるため、体内で発生する活性酸素を除去し、シミやシワを予防する効果が期待できます。また、玄米に含まれるセラミドには、肌の水分量を保持する作用があります。

発芽玄米には、フィチン酸やγーオリザノール、マンガン、ビタミンEなどの抗酸化成分が含まれるため、体内の細胞や組織を酸化ストレスから守り、がんや動脈硬化などの種々の疾病を予防する効果が期待できます。

血糖値上昇をゆるやかにする作用や、血中コレステロール改善作用も持つため、糖尿病や脂質異常症の予防にも効果的です。

発芽玄米を食べ続けると危険?デメリットは?

発芽玄米を食べ続けると、さまざまな健康・美容効果があることが分かりましたが、反対にデメリットはあるのでしょうか。次は、発芽玄米を食べ続けることで考えられるデメリットを紹介します。

1.お腹が張る

発芽玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、多くの量を食べたり、早食いしたりするとお腹が張りやすくなります

発芽玄米は、普通の玄米より消化しやすい食品ですが、ゆっくりよく噛んで食べるように意識しましょう。お腹の張りが気になる場合は、白米と混ぜて食べるのがおすすめです。

2.リンの過剰摂取

発芽玄米には、1食(150g)あたり195mgのリンが含まれています。150~200g程度の発芽玄米を1日3回食べ続けてもリンの過剰摂取にはなりませんが、発芽玄米を食べる量や、ほかの食品との組み合わせによってリンを摂りすぎてしまう可能性はあります。

リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害してしまうので、適量を心がけることが大切です。リンは、肉類や魚介類、乳製品などに多く含まれるので、これらの食品をよく食べる方は量を調節しましょう。

食品リンの含有量
100gあたり
発芽玄米
(炊飯後)
130mg
白米
(炊飯後)
34mg
ウインナー200mg
ロースハム280mg
鶏ささみ
(焼き)
310mg
牛ヒレ
(焼き)
230mg
チキンナゲット220mg
 パルメザンチーズ 850mg
プロセスチーズ730mg
170mg

リンの1日あたりの摂取量の目安は、成人男性は1000mg、成人女性は800mgで、男女ともに3000mg以内に抑えることが推奨されています。

例えば、発芽玄米300g×3回、卵2個、ウインナー3本、鶏ささみ200g、牛ヒレ肉150g、プロセスチーズ50gを食べると、リンの摂取量は3134mgに。

この場合は、肉の量を抑えるか、発芽玄米の半分を白米に置き換えるなどの対応をしましょう。

発芽玄米の残留農薬は大丈夫?

発芽玄米の残留農薬による影響を心配している方は多くいますが、日本では残留農薬に基準値が設けられており、基準値以上の残留農薬が検出された食品は販売できません

玄米についても、今まで基準値以上の残留農薬が検出されたことはなく、健康被害の例もないため、長期的に食べ続けても問題はないと考えられます。

発芽玄米を食べ続けた結果

発芽玄米の効果を調査した臨床試験は数多くあります。発芽玄米を食べ続けた結果、どのような変化が起こったのかみていきましょう。

1.体重が減った

軽度~中度の脂質異常症の男性12名を対象とした試験では、1日240gの発芽玄米を2ヶ月食べ続けた結果、以下のような変化がみられました(*1)

体重の減少(平均1.1kg減少)
ウエストのサイズダウン(平均1.8cm減少)
体脂肪率の低下(平均0.4%低下)

BMIの低下(平均0.2低下)

スタート時1ヶ月後2ヶ月後
体重74.6kg74.1kg7.35kg
ウエスト周囲径88.6cm87.6cm86.8cm
体脂肪率27.6%27.3%27.2%
BMI26.326.226.1
すべて平均値

使用した玄米:ファンケルの発芽玄米

2.血中コレステロール値が改善した

男女117名を対象とした試験で、玄米を1日160g以上、90日間食べ続けると、以下の結果となりました(*3)

・血中コレステロール値が基準範囲内の人に有意な変化はみられなかった
総コレステロール値が基準より高い人は数値が下がった
LDL(悪玉コレステロール)値が基準より高い人は数値が下がった
・HDL(善玉コレステロール)値が基準より低い人に有意な変化はみられなかった

この臨床試験では、血中総コレステロールやLDLの数値が高めの人に対して、玄米が効果的であることがわかりました。

なお、この試験では発芽玄米ではなく「アルファ化玄米」が使用されていますが、発芽玄米でも同様の効果が期待できます。

 スタート時  1ヶ月半後 3ヶ月後
総コレステロール値237.0231.9 225.6 
LDL値
(悪玉コレステロール)
155.3147.7144.6
HDL値
(善玉コレステロール)
36.539.738.0
すべて平均値

使用した玄米:アルファー食品「アルファ化玄米」

3.肌のコラーゲン量が増加した

健康な女子大生29名を対象とした試験では、発芽玄米を2ヶ月間食べ続けた結果、以下の変化がみられました(*4)

・肌のコラーゲン量が増加した
・肌の柔軟性が向上した
・肌の明るさがアップした

この結果は、玄米に含まれるセラミドが関与していると考えられています。なお、この試験の参加者の多くは、便秘、貧血、不眠症、むくみなども改善したと答えています。

 スタート時 2ヶ月後
 腕の皮膚の
 柔軟性(吸引量)
 0.17 0.19
 頬・腕の皮膚の  
 コラーゲン量
 (蛍光強度)
約0.10約0.12
すべて平均値

使用した玄米:ファンケルの発芽玄米

簡単に炊けて美味しい!おすすめの発芽玄米

継続的な摂取によって、健康や美容、ダイエットに嬉しい効果が期待できる発芽玄米。続けるためには、美味しさやコスパも重要です。簡単に美味しく炊けて、コスパも良いおすすめの発芽玄米を紹介します。

ファンケル 発芽米

ファンケルの独自製法で、北海道産の玄米をゆっくり発芽させた「発芽米」。発芽玄米の中で、18年連続売上げ1位を記録した大ヒット商品です。

洗米せずにそのまま炊飯器で炊けるため、手軽に食べられるのも人気のポイント。スーパーでも購入できますが、ファンケルの公式サイトだと安く購入できるのでおすすめです。

美味しくて健康にもいいから一石二鳥
普段は3:1で炊いてます。特にカレーやチャーハンに合います。たまに贅沢して、発芽米100%で炊いて、罪悪感なくたくさん食べちゃってます。よく噛むので体に色々いいと思います。

https://www.fancl.co.jp/genmai/item/6310a

健康に気を使うことを目的で購入しましたが、美味しさにびっくりしてすっかり虜になりました。味も、食べやすさもとびきり良いですね!

https://www.fancl.co.jp/genmai/reviews/6310a?filterStar=&filterBuyCount=&filterAge=&sortStar=&sortReviewDate=&includePickUp=1

一年ほど続けたところ健康チェックの結果が良くなりました。白米と混ぜて食べるだけなので継続しやすく味も美味しいです。

https://www.fancl.co.jp/genmai/reviews/6310a?filterStar=&filterBuyCount=&filterAge=&sortStar=&sortReviewDate=&includePickUp=1

発芽玄米1:白米2で炊いています。最初は違和感がありましたが、最近は白米だけだと物足りなさを感じます。チャーハンやカレー、稲荷寿司等の酢飯など、ご飯の水分調節が難しい料理が特に上手く作れる印象があります。体調も良い気がします。白米より長く水につけると、よりナチュラルに食べられます。

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\詳細はこちら/

結論!発芽玄米を食べ続けると…

発芽玄米を食べ続けると、血中コレステロール・血圧・血糖値の改善、精神安定、便秘改善、疾病予防など、さまざまな健康効果が期待できます。デメリットを気にする方もいるかと思いますが、発芽玄米に基準値以上の残留農薬が含まれることはなく、食べ続けても健康への影響はないと考えられます。

発芽玄米の長期的な摂取は、デメリットよりメリットの方がはるかに多くあります。普通の玄米より消化が良く、食べやすいのも嬉しいところですね。健康やダイエットのために、発芽玄米を食べてみてはいかがでしょうか。

参考文献
*1 発芽玄米の機能性
*2 The Effect of Pre-germinated Brown Rice Intake on Blood Glucose and PAI-1 Levels in Streptozotocin-induced Diabetic Rats

*3 玄米の長期継続摂取(90日間)による血中コレステロール値低減効果の検証
*4 女子大生の肌状態に及ぼす発芽玄米の影響

written by yukari

食生活アドバイザー。玄米が大好きなのに胃腸が弱くてお腹がすぐ張ってしまうため、消化の良い発芽玄米をいつも食べています。今回紹介したファンケルの発芽米は私も食べていますが、白米のように柔らかく、はじめて玄米に挑戦する方でも食べやすいですよ。好みの配合は、白米2合・発芽米1合・雑穀大さじ2。おすすめです!

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