マグネシウムの働きは?どんな食品に多く含まれる?

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マグネシウムは、体の機能を保つために必要な栄養素。生活習慣病の予防にも役立つので、健康維持のために日頃からしっかり摂取したいですよね。この記事では、マグネシウムが多く含まれる食品を紹介します。マグネシウムの働きや、1日の摂取量の目安もあわせて紹介するので参考にしてみてくださいね。

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マグネシウムはどんな栄養素?

マグネシウムは、ミネラルの一種です。カルシウムや鉄などと同じように、体の構成成分としての役割や、体の機能を調節する働きをもっています。

マグネシウムは、体内では主に骨や歯の構成成分となります。また、体内のさまざまな酵素を活性化させるのもマグネシウムの重要な働きです。そのほか、筋肉の収縮・体温や血圧の調節神経の興奮などにも関ります。

マグネシウムが慢性的に不足すると、虚血性心疾患などの心血管系のトラブルが起きやすくなる可能性があります(*1)。マグネシウムの適正摂取は、高血圧や糖尿病などの予防にも役立つといわれています。生活習慣病を予防するためにも、日頃からしっかりマグネシウムを摂取したいですね。

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マグネシウムの1日の摂取量の目安

マグネシウムの1日あたりの摂取量の目安は、年齢や性別によって異なります。以下の表を参考にしてみてくださいね。

年齢男性女性
0~5か月20mg20mg
6~11か月60mg60mg
1~2歳70mg70mg
3~5歳100mg100mg
6~7歳130mg130mg
8~9歳170mg160mg
10~11歳210mg220mg
12~14歳290mg290mg
15~17歳360mg310mg
18~29歳340mg280mg
30~49歳380mg290mg
50~64歳370mg290mg
65~74歳350mg280mg
75歳以上330mg270mg
妊婦+40mg
出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)※1歳以上は推奨量を記載

マグネシウムは骨に貯蔵されているので、摂取量が低下すると骨からマグネシウムが溶け出して、血中濃度を調節します。そのため、すぐにマグネシウム欠乏症が起こるわけではありません。しかし、慢性的に摂取量が不足すると、虚血性心疾患などのリスクが上がるといわれています。

なるべく、上記の推奨量を満たせるような食生活を送りたいですね。毎日必ず満たす必要はありませんが、3日~1週間で摂取量のバランスが取れると良いでしょう。妊娠中はマグネシウムの需要量が増すので、年齢に応じた摂取量+40mgを目安にしてくださいね。

なお、マグネシウムはサプリメントからの過剰摂取にも注意が必要な栄養素です。食事以外(サプリメントなど)から摂取する量は、成人なら350mg、子どもなら5mg/kgを超えないようにしましょう。食事由来のマグネシウムによる健康障害の例はないので、食事からの摂取量の制限は特にありません。

マグネシウムの多い食品一覧

虚血性心疾患などの生活習慣病の予防のためにも、マグネシウムは日頃からしっかり摂取したい栄養素。どのような食品に多く含まれるのかチェックしましょう。

マグネシウムが多く含まれる代表的な食品を以下にあげました。

・海藻類
・魚介類
・大豆
・ナッツ類
・枝豆
・ほうれん草
・モロヘイヤ
・ブロッコリー
・玄米
・そば
・オートミール

海水にはマグネシウムが豊富に含まれるため、海産物にもマグネシウムは多く含まれます。特に、海藻類・貝類・いわし・ししゃもなどは、マグネシウムが豊富です。

海藻類・魚介類のマグネシウム含有量

食品名マグネシウム含有量
(100gあたり)
食品名マグネシウム含有量
(100gあたり)
わかめ110mgうるめいわし
(丸干し)
110mg
おごのり
(塩蔵)
100mgまいわし
(丸干し)
100mg
てんぐさ
(角寒天)
100mgあさり92mg
うみぶどう51mgはまぐり81mg
ひじき
(茹で)
37mgほっきがい75mg
出典:日本食品標準成分表(八訂) *特記がないものは生

特に、魚は一食で100~200g程度食べることができるので、マグネシウムの良い摂取源になります。

また、玄米・大豆製品・野菜・果物も一度に食べる量が多いので、マグネシウムの補給に役立ちます。

穀物・大豆製品・野菜・果物のマグネシウム含有量

食品名マグネシウム含有量
(100gあたり)
食品名マグネシウム含有量
(100gあたり)
豆腐33~76mgほうれんそう69mg
納豆100mg枝豆62mg
がんもどき98mgオクラ51mg
豆乳25mgモロヘイヤ46mg
玄米ご飯49mgブロッコリー29mg
そば(乾)100mgアボカド34mg
オートミール100mgバナナ32mg
出典:日本食品標準成分表(八訂)  *特記がないものは生

豆腐は、凝固剤に何を使うかによってマグネシウムの含有量が変わります。

にがり(塩化マグネシウム)を使用しているものは、マグネシウムを豊富に含みます。より多くのマグネシウムを摂りたい方は、凝固剤の種類もチェックしましょう。

ナッツはマグネシウムが多い?

マグネシウムの多い食品といえば、ナッツ類が思い浮かぶ方も多いでしょう。

例えば、アーモンドなら、100gあたりに290mgのマグネシウムが含まれています。アーモンドは1粒あたり約1g。10粒のアーモンドを食べると、マグネシウムの摂取量は約29mgです。

おやつにナッツ類を食べると、マグネシウムを手軽に補給できますよ。ナッツ類は脂質・カロリーも多いので、食べすぎにも注意しましょう。

食品名マグネシウム含有量
(10gあたり)
食品名マグネシウム含有量
(10gあたり)
アーモンド29mgかぼちゃの種53mg
ピーナッツ19mgひまわりの種39mg
くるみ15mgごま37mg
カシューナッツ24mgピスタチオ12mg
出典:日本食品標準成分表(八訂) *カシューナッツとひまわりの種は「フライ」、その他は「いり」

マグネシウムをしっかり摂れる献立例

マグネシウムを豊富に含む食品を取り入れた献立例を紹介します。1日に何をどれくらい食べたら良いのか分からない方は、参考にしてみてくださいね。

メニューマグネシウム
含有量
献立の
ポイント
【朝食】
・玄米ごはん
(150g)
・卵焼き(卵1こ)
・納豆(1パック)
・豆腐の味噌汁(豆腐30g)
約96mgご飯は白米と玄米を半量ずつ。
玄米にはマグネシウムが豊富に含まれるので無理なく摂取できます。
マグネシウムの豊富な豆腐・納豆を取り入れるのもポイント。
【昼食】
・ライ麦パン
(100g)
・トマトとレタスのサラダ

(100g)
・ヨーグルト(100g)
・バナナ(1本)
・アーモンド

 (10粒)
116mg普通のパンに比べてライ麦パンはマグネシウムを多く含みます。ヨーグルトにはマグネシウムが含まれないので、アーモンドとバナナをトッピング。良質な脂質も摂取できますよ。
【夕食】
・玄米ごはん(150g)
・いわしの丸干し(100g)
・ほうれん草のおひたし(50g)
・きんぴらごぼう(50g)
・わかめの味噌汁(1杯)
約185mg朝食と同じく、ご飯は玄米と白米を半量ずつ。さらにマグネシウムの豊富ないわしの丸干し・ほうれん草などをあわせました。塩分量が気になる方は、味噌汁をサラダに代えるのがおすすめ。
1日のマグネシウム摂取量の合計 約397mg 

こちらの献立例だと、すべての年代で推奨量以上のマグネシウムを摂取することができます。特に、手軽にマグネシウムを摂取するためにおすすめなのは、玄米やライ麦などを取り入れること。主食は一食でとる量が多いので、簡単にマグネシウムを補給できます。

また、肉類より魚介類を積極的に摂取するのもおすすめ。生活習慣病の予防のためには、マグネシウムをしっかり摂取するだけでなく、飽和脂肪酸や脂質の摂取量を控えることや、魚油のように質の良い油をとることもポイントです。

主食の量が減るとマグネシウムの摂取量も減りやすいので、無理な食事制限や糖質制限なども注意が必要。また、上記の献立例はあくまでも目安なので、年齢・性別・体格・活動量などに応じて、適正なエネルギー・栄養素が摂れる量に調節してくださいね。

手軽にマグネシウムを補給したい方には海洋深層水もおすすめ

海洋深層水は、マグネシウムを豊富に含む海水を原料としています。マグネシウムだけでなく、カリウムやカルシウムなどのミネラルも一緒に補給できますよ。

マグネシウムを豊富に含むほど、飲みにくさを感じるので、好みに合わせて選びましょう。海洋深層水については、以下の記事で詳しく紹介しています。

マグネシウムの多い食品を取り入れよう

マグネシウムは、体の機能を調節するために必要な栄養素。また、虚血性心疾患や高血圧などの生活習慣病の予防にも役立つといわれています。

マグネシウムは、主に海藻類・魚介類・玄米・大豆・ナッツ類などに豊富に含まれます。マグネシウムを多く含む食品を積極的に食事に取り入れ、健康維持に役立てましょう。

Writer:永田ゆかり
       フードスペシャリスト

日本人の主なマグネシウム摂取源は、お米や大豆製品、野菜などです。100gあたりのマグネシウム含有量をみると、海藻類やナッツ類が飛び抜けていますが、一食でとる量も考えるのがポイント。特に主食は量を多く食べるので、重要なマグネシウム摂取源です。白米に玄米を混ぜたり、マグネシウムの豊富なそばやオートミールを取り入れたりするのもおすすめ。主食に豆腐や納豆を組み合わせると、よりマグネシウムを多く摂ることができますね。

参考文献
*1 糸川嘉則「カルシウム,マグネシウムの生体中での挙動」
*2 日本人の食事摂取基準(2025年版)
*3 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

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