含め煮・煮浸し・煮しめの違いは?煮物の種類・名前を覚えよう!

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含め煮、煮浸し、煮しめなど、煮物にはさまざまな種類や名前が存在します。なんとなく使い分けているものの、詳しい違いはよく分からないという方も多いのでは。そこで今回は、煮物の種類ごとの特徴や調理法についてまとめました。筑前煮とお煮しめのように、ややこしい料理の違いについても紹介するので参考にしてみてくださいね。

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煮物の種類・名前の一覧

主な煮物料理の種類と調理法を、以下にまとめました。

白煮(青煮: 食材に色がつかないように
       塩と砂糖で煮る
含め煮: 十分な量の煮汁を使い食材が

     柔らかくなったら火から下ろす
煮込み: 十分な量の煮汁を使い

     弱火でじっくり煮る
煮浸し: 食材を短時間煮たあと煮汁に浸す
煮しめ: 煮汁が残らないように

     味を十分に染み込ませる
煮付け: 煮しめより短時間で煮上げる
うま煮: 煮しめより甘く煮上げる
照り煮: 加熱した食材を

     砂糖や醤油の煮汁でさっと煮る
炒め煮: 食材を炒めてから短時間で煮る
つくだ煮: 保存性を高めるために

      味付けを濃くし水分を飛ばす
くず煮: 煮汁に片栗粉などでとろみをつける
煎り煮: 食材をかき混ぜながら加熱し

     水分を飛ばす
煮合わせ(炊き合わせ):別々に煮た食材を

            盛り合わせる

煮物だけでもこんなに種類があるなんて、日本料理は本当に奥が深いですね。このほかにも、ゆで煮・塩煮・醤油煮・砂糖煮・味噌煮などがあります。

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煮物の種類による調理法の違い・料理の例

ここからは、煮物の種類ごとの調理法や料理の例を紹介します。それぞれの調理法に合う食材も併せて紹介するので、参考にしてみてくださいね。

1.含め煮

含め煮は、薄味の煮汁の中で煮込み、食材がある程度柔らかくなったら火を止め、冷ましながら食材にゆっくり味を染み込ませていく料理です。

煮崩れしやすいじゃがいもや里芋などのいも類かぼちゃなどを煮るときに適した調理法です。また、長く煮込むと色が悪くなる青菜類にも適しています。

2.煮込み

煮込みは、比較的大きめに切った具材を、十分な煮汁の中でじっくり煮込む料理です。弱火でコトコト煮込むシチューカレーは、煮込み料理にあたります。

また、おでんロールキャベツポトフなども代表的な煮込み料理です。

3.煮浸し

煮浸しは、火の通りやすい食材の調理に用います。葉物野菜などをさっと煮て、煮汁に浸して盛り付けます。

小松菜の煮浸しなすの煮浸しなどが代表的な料理です。

4.煮しめ

煮しめは、食材に十分に味を含ませ、煮汁が残らないように煮詰めたものです。落とし蓋を使うことで、美味しく仕上がります。

煮しめでは主に、じゃがいもや里芋などの根菜類を使います。里芋やごぼう、こんにゃく、椎茸、にんじんなどを合わせたお煮しめは、おせち料理の定番ですね。

5.煮付け

煮付けは、煮しめより短時間で煮上げるため、少ない煮汁を使います。カレイの煮付け金目鯛の煮付けのように、魚の調理によく用いられます。

6.つくだ煮

つくだ煮とは、保存性を高める目的で、砂糖や醤油を多く使って濃く味付け、水分を飛ばすように煮上げたものです。

昆布のりふきのつくだ煮が有名ですね。おかずというより、「ごはんのお供」というイメージです。

7.くず煮

くず煮とは、煮汁にくず片栗粉などを加えて、とろみをつけた料理です。あんで包むことで、食材のうま味を閉じ込める効果が得られます。

かぶ冬瓜のように、煮崩れしやすく長時間煮ることができない食材に、味をしっかり絡ませることもできます。

8.炒り煮

炒り煮とは、食材を炒めてから煮汁を加えて煮込む方法です。油を使うことで、濃厚でうま味のある味わいを楽しむことができます。

炒り煮の代表的な料理は筑前煮ですね。ちなみに、炒り鶏と筑前煮は、地域によって呼び方や具材が違いますが、基本的には同じ料理です。

9.白煮(青煮)

塩と砂糖を使い、食材に色がつかないように煮る料理を白煮、または青煮といいます。うどれんこんのような白い食材の場合は白煮、絹さや小松菜などの青菜の場合は青煮と呼ばれます。

特に青菜類は、醤油のように酸性の調味料と合わせると色が変わってしまうので、色鮮やかに仕上げたい場合におすすめです。

10.炊き合わせ(煮合わせ)

炊き合わせとは、別々に煮た食材を一皿に盛り合わせる料理です。それぞれの食材に合う調理法や味付けをすることで、素材そのものの風味や食感を生かすことができます。

例えば、煮崩れしやすい里芋は含め煮、色が変わりやすい絹さやは青煮、うま味を閉じ込めたい鶏肉は炒り煮のように、食材の特性に合わせてみてくださいね。

ややこしい煮物シリーズ!この料理の違いは何?

煮物の種類をなんとなく把握できたところで、ここからは、見分け方がややこしい料理について見ていきましょう!これって煮しめ?炊き合わせ?など、迷ったときの参考にしてくださいね。

筑前煮と炊き合わせの違いは?

筑前煮と炊き合わせは、最も見分けが付きにくいですよね。

判断の基準になるのは、調理法です。炒り煮の一種である筑前煮は、具材を一度炒めてから煮込むのが特徴です。また、炊き合わせは食材を別々に煮るため、食材をまとめて煮込んだ場合も筑前煮になります。

筑前煮 … 食材を炒めてから煮る
      食材をまとめて煮る

炊き合わせ … 食材を別々で煮る

お煮しめと筑前煮の違いは?

お煮しめと筑前煮も非常にややこしいシリーズ。おせち料理に入っていると、どちらなのか分からないですよね。

こちらも、食材を一度炒めているかどうかが違いです。筑前煮はコクのある味わいになり、お煮しめは比較的あっさりとした味わいに仕上がります。

また、お煮しめは煮汁を残さないように十分に煮詰めることが特徴なので、お煮しめは筑前煮より煮汁が若干少なめな点も判断基準になります。

お煮しめ … あっさりした味付け
      煮汁が少ない

筑前煮 … 濃厚な味わい
     煮汁が若干多め

煮物の種類・名前を覚えて使い分けよう!

今回は、煮物料理の種類を紹介させていただきました。煮物だけでも十種類以上あり、和食の奥深さがうかがえますね。

煮物の種類を把握すると、食材の特徴を生かした調理することができ、料理の腕の上達につながります。食材ごとに調理法を使い分け、美味しい煮物料理を作りましょう!

参考文献
・大越ひろ, 品川弘子, 飯田文子編著『新健康と調理のサイエンス 調理科学と健康の接点』学文社, 2020, p137
・山崎清子, 島田キミエ, 渋川祥子, 下村道子共著『新版 調理と理論 学生版』同文書院, 2003, pp15-16, p35

Written by yukari

「煮込む」という調理がとても好きです。西日の差し込むキッチンで煮込み料理を作りながら読書をする、というノスタルジックな風景に憧れていますが、いつもバタバタしていて実現できていません。それにしても煮物の種類がこんなにあるなんて驚きですね!特に炊き合わせにかかる時間や手間、仕上がりの美しさは、日本料理の骨頂のように感じます。

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