断食しなくても大丈夫!オートファジーを活性化させる食品14選

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近年「オートファジーダイエット」と呼ばれるダイエット法が流行し、「16時間断食しないとオートファジーは起こらない」と誤解している方が多いようです。オートファジーは、生体がもともと持っている機能で、断食以外にも活性化する方法があります。この記事では、オートファジーの仕組み、そして活性化させる方法について紹介します。

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オートファジーとは

オートファジーとは、細胞が自らの成分を分解する仕組みのことです。ギリシャ語で「自己(auto)」を「食べる(phagy)」ことを意味し、日本語では「自食作用」と呼ばれます。

細胞内にはタンパク質や細胞内小器官など、さまざまな物質が存在しています。これらの成分を分解し、新しく作り直す現象がオートファジーです。細胞内のゴミを処理し、リサイクルするような働きですね。

タンパク質はアミノ酸に分解され、新たなタンパク質に合成されます。また、損傷した細胞内小器官や、細胞に侵入した有害物質もオートファジーによって分解されます。

このオートファジーの分子機構を解明したことで、2016年に大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。

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オートファジーを活性化させるには断食が必要?

オートファジーは、栄養素が不足した飢餓状態で活性化されることが知られています。そこで、「断食によってオートファジーが活性化する」と言われるようになりました。

しかし、じつはオートファジーは普通の状態でも起こります。また、オートファジーを活性化させる方法は断食以外にもいくつかあります。

カロリー制限をして軽い飢餓状態を作り出すことでもオートファジーは活性化されますし、オートファジーを促進する食品を積極的に摂ることも効果的です。

オートファジーを活性化させる食品・成分

オートファジーは、スペルミジン、ウロリチン、アスタキサンチン、レスベラトロールの摂取により活性化されます。これらの成分は、以下の食品に含まれています。

・納豆
・味噌
・醤油
・チーズ
・赤ワイン
・ザクロ
・ベリー類
・エビ
・カニ
・鮭
・鯛
・イクラ
・ココア
・ピーナッツ

スペルミジン

スペルミジンは、ポリアミンという有機化合物の一種です。スペルミジンは、納豆や味噌、醤油などに含まれています。中でも納豆はスペルミジンを特に多く含むことで注目されています。

ウロリチン

ウロリチンは、ザクロやベリー類、ぶどうなどに含まれる「エラグ酸」が腸内細菌によって分解されることで産生されます。

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アスタキサンチン

アスタキサンチンは、エビやカニ、サケ、タイなどの赤橙色の魚介類に含まれる色素です。鮭の卵であるイクラにもアスタキサンチンが含まれています。アスタキサンチンには抗酸化作用もあり、ミトコンドリア(細胞内小器官のひとつ)内の活性酸素を除去することで、ミトコンドリアの損傷を防いでくれます。

レスベラトロール

レスベラトロールは、ぶどう、ココア、ピーナッツの薄皮などに含まれるポリフェノールです。レスベラトロールは、運動機能や耐糖能を改善する効果も期待できます。

オートファジーを阻害する食事とは

上記で紹介した食品とは反対に、オートファジーを阻害する食事もあります。それが、「高脂肪食」です。

高脂肪食を摂り過ぎると、肝臓で「ルビコン」というタンパク質が増えます。そして、この「ルビコン」がオートファジーを阻害してしまうのです。

高脂肪食を4ヶ月にわたって摂取し続けたマウスは、オートファジーが抑制された結果、細胞内に脂肪滴が増え、最終的に脂肪肝になってしまいました(*1)

なお、ルビコンは老化によっても増加し、オートファジーを抑制します。そのため、ルビコンの働きを阻害することで健康寿命を延伸できるのではないかと期待が高まっています。

ルビコンが存在する理由

生体にとって重要な意味をもつオートファジー。それを阻害するルビコンは、なぜ存在するのでしょうか。たしかにオートファジーによって細胞内の不要な物質は分解されますが、活性化しすぎると細胞内小器官まで手当たり次第食べられてしまうようです。細胞内には、遺伝情報を保管する核や、糖質・脂質の代謝を担うミトコンドリアなどの主要な器官も存在するため、これらが分解されては困ってしまいます。暴走すると危険にもなり得るオートファジー。そのブレーキ役であるルビコンもまた、生体にとって必要な物質なのです。

日本人の伝統的な食事はオートファジーを活性化する

大豆の発酵食品である納豆・味噌・醤油には、オートファジーを活性化させるスペルミジンが豊富に含まれています。また、アスタキサンチンを含む鮭や鯛などの魚介類も日本人は昔から好んで食べていますよね。

そして、欧米食に比べて、日本食は脂質の量が少ないことも特徴です。

このような食事を日常的に摂取していることと、日本人の平均寿命が長いことは、関連があるのかもしれません。日本食を基本とし、レスベラトロールやウロリチンを含む果実類などを取り入れると、オートファジーの活性化に効果的ですよ。

オートファジーを活性化させるサプリもおすすめ

オートファジーの研究は今も続いています。「オートファジーを活性化させれば、老化を防ぎ、寿命が延びるかもしれない」と期待されているのです。

ノーベル賞を受賞した大隅さんの研究仲間である吉森保さんは、オートファジー研究の成果を通じて広く健康長寿に貢献するため、「株式会社AutoPhagyGO」を設立。オートファジーを活性化させるサプリメントやコスメなどの開発に積極的に取り組んでいます。

「オートファG ウロリチン」は、「AutoPhagyGO」が開発に携わったサプリメント。ザクロから抽出したウロリチンを、高濃度で配合しています。ウロリチンはオートファジーを活性化するとともに、長寿遺伝子を活性化させ、美肌・健康作りに役立つといわれています。

オートファジーを活性化させる食品を取り入れよう!

近年は「オートファジー」と「断食」をセットで捉える方が多くいますが、オートファジーは細胞がもともと持っている機能です。16時間の断食をしないとオートファジーが起こらない訳ではありません。

オートファジーを活性化させるには、納豆や鮭のように身近な食品を献立に取り入れてみましょう。食べ過ぎに注意し、適度なカロリー制限を行うのも効果的ですよ。また、オートファジーを正常に機能させるためには、脂質の摂りすぎに注意することも大切です。

参考文献
*1 吉森保『生命を守るしくみ オートファジー 老化、寿命、病気を左右する精巧なメカニズム』講談社,2022

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