ハーブにはさまざまな種類がありますが、それぞれ効果・合う料理なども違うのでしょうか。この記事では、ハーブの種類と効果、合う料理や使い方などを紹介します。ハーブを使いこなして、料理の腕をワンランクアップさせましょう♪
【一覧表】ハーブの種類・効果と合う料理
料理によく使われる人気のハーブの種類・効果を一覧表にまとめました。
効果 | 合う料理・食品 | |
バジル | 抗酸化作用 | 肉料理・魚料理・パスタ・ピザ・トマト・じゃがいもなど |
パセリ | 抗酸化作用 | ピラフ・パエリヤ・ポトフ・サラダなど |
タイム | 防腐・殺菌作用 | 鶏肉・魚介類・卵など |
ローリエ | 防腐・虫除け作用 | スープ・煮込み料理・ピクルスなど |
ローズマリー | ・抗炎症作用 ・抗菌作用 | 肉料理・魚料理・根菜など |
ミント | ・抗菌作用 ・抗酸化作用 | ケーキ・アイス・ジュースなど |
オレガノ | ・抗菌作用 ・抗酸化作用 ・呼吸・消化器系の機能サポート | トマト・肉料理・魚料理など |
ディル | ・消化機能のサポート | ピクルス・魚料理・チーズなど |
セージ | ・制汗作用 ・更年期症状の緩和 | 豚肉・乳製品など |
フェンネル | ・消臭作用 ・消化機能のサポート | 魚料理・ |
ハーブの特有の香りや風味の正体は、「テルペン類」や「フェノール類」と呼ばれる物質。これらの物質には、リラックス作用や抗酸化作用があるといわれています。また、ほとんどのハーブには消臭効果や殺菌効果があります。
なお、ハーブにはビタミンやミネラルも含まれますが、1食で摂取する量は微々たるもの。ハーブは栄養価を高めるというより、料理をより美味しく仕上げたり、保存性を高めたりするためのものだと思っておきましょう。
肉料理に合うハーブは?
肉料理には、
・バジル
・タイム
・ローズマリー
・オレガノ
・セージ
などのハーブが合います。
特に臭みの強い牛肉や豚肉は、ハーブと一緒に調理することで臭みが消え、より美味しく仕上がります。
煮込み料理にはタイムやオレガノ、ステーキなら肉の上にローズマリーを乗せて焼きましょう。香りが飛びやすいバジルは、食べる直前に加えるのがおすすめ。
豚肉や、脂質の多い部位にはセージが相性ぴったり。鶏肉にはバジルやタイムがおすすめです。
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魚介類に合うハーブは?
臭みの強い青魚や赤身魚には、
・タイム
・フェンネル
・セージ
・ディル
がおすすめ。
淡白な白身魚やエビ・イカ・貝類には、
・バジル
・タイム
・パセリ
などがよく合います。
臭みの強い魚は、調理前にハーブと塩をまぶしておくと臭みが抜けて美味しく仕上がります。魚介類を使ったパエリヤやパスタには、パセリやバジルを散らすと風味が引き立ち、見た目も華やかに。
人気のハーブの特徴と使い方
ここからは、人気のハーブ7種類の特徴や効果、料理への使い方を紹介します。
1.バジル
バジルは、もともと漢方薬として日本に伝わったハーブです。1980年代にイタリア料理ブームが起こったことを機に、料理にバジルを使う風習が広まったのだとか。
そんなバジルには特有の爽やかな香りがあり、特ににんにくやトマトとの相性が抜群。イタリア料理にはもちろんですが、肉料理・魚料理・スープなどに幅広く活用することができます。
タイ料理の「ガパオライス」を作るときにもバジルは欠かせません。それもそのはず、「ガパオ」とはまさに「バジル」を意味する言葉。バジルを鶏肉やひき肉と炒め、ナンプラーやオイスターソースを使って風味高く仕上げるのがガパオライスの特徴なのです。
また、「ジェノベーゼ」もバジルをたっぷり使って作られます。ジェノベーゼは、バジルにオリーブオイル・松の実・にんにくなどを合わせてペースト状にしたもので、パスタやピザのソースに活用されます。家でもミキサーを使って簡単にジェノベーゼを作ることができますよ。
そのほか、カレーやマリネにバジルを入れるのもおすすめ。加熱調理するときは、バジルを火に通しすぎると風味が飛んでしまうので、料理の仕上げ段階でバジルを加えることがポイントです。
2.パセリ
パセリはハーブの中でも栄養価が高く、特にβカロテンやビタミンC、カリウムなどを豊富に含んでいます。そんなパセリには強い香りと苦味があり、料理のアクセントとしてよく使用されます。
また、料理に彩りを添える目的として、ピラフやスープにパセリを刻んで入れたり、揚げ物にパセリを添えたりと、さまざまな料理に使われています。
さらに、パセリには殺菌作用もあります。お刺身にパセリが添えられることがよくありますが、あれは彩りを良くするだけでなく、生ものを腐りにくくする効果もあるのです。
パセリは洋食に使うイメージがありますが、きんぴらや味噌汁などの和食とも意外と合います。また、三つ葉に少し風味が似ているので、代用としてパセリを和食に活用してみてはいかがでしょうか。
3.タイム
タイムは爽やかな風味が特徴で、肉や魚の臭み消しによく使われるハーブです。どんな料理とも相性が良いタイムですが、特に鶏肉・魚介類・卵を使った料理によく合います。魚のムニエルや香草焼きにタイムを使うことが多く、「魚のハーブ」とも呼ばれています。
サバやイワシの臭み消しとして、焼き魚などの和食に活用するのもおすすめです。また、醤油や味噌にタイムを合わせると、おしゃれな味に仕上がりますよ。
そのほか、タイムには強い防腐効果・殺菌効果もあります。古代エジプトでは、ミイラの防腐剤としてタイムが活用されていたのだとか。ピクルスのような常備菜にタイムを入れると、保存性が高まり、爽やかな風味を付けることもできますよ。
4.ローリエ
ローリエは、日本でいう月桂樹の葉のことです。ちなみに「ローリエ」はフランスでの呼び名で、英語では「ローレル」や「ベイリーフ」と呼ばれます。商品によって表示名が違うこともありますが、基本的にすべて同じものです。ただし、「インディアンベイリーフ」は別の植物なので注意して下さいね。
そんなローリエは、主にスープや煮込み料理を作るときに使われます。カレー・シチュー・ポトフ・ミネストローネ・ロールキャベツなどを作るときに、ローリエの葉を一緒に入れて煮込むと、格段に美味しく仕上がりますよ。
ローリエを煮込み料理に入れるときは、葉を折ってから入れると香りが広がりやすくなります。また、ローリエは長時間煮込むと苦味が出てきてしまうので、1時間ほどたったら取り出しましょう。
そのほか、ローリエは米びつや保存料理に入れることで防腐効果や虫除け効果も期待できますよ。特にマリネやピクルスに入れると、風味を付ける効果も得られて一石二鳥です。
5.ローズマリー
ローズマリーは、すっきりとした清涼感のある強い香りが特徴のハーブ。主に、肉や魚の臭み消しに使われます。また、じゃがいもやにんじんなどの根菜との相性が良いので、根菜のオーブン焼きやグリルなどに使うのもおすすめです。
肉や魚の臭み消しに使う際は、下ごしらえの段階でローズマリーをまぶしておくか、加熱するときにローズマリーを一緒に加えましょう。一緒に加熱する場合は、香りが強く付き過ぎないよう、ほどよく香りが出たらローズマリーを取り出すと良いですよ。
そのほか、オリーブオイルや白ワインビネガーなどにローズマリーを漬けて、ハーブオイルやハーブビネガーを作るのもおすすめです。
なお、ローズマリーの香りには、集中力を高める効果やメンタルを安定させる効果があります。ローズマリーの香りを味わいながら、食事や調理を楽しんでみましょう。
6.ミント
ミントは、セイヨウハッカとも呼ばれるハーブで、清涼感のある爽やかな香りを持ちます。ミントの香りはメントールという成分で、血行を促進する作用や胃の調子を整える作用があります。
ミントは、肉や魚の臭み消しや、料理への香り付けに使われることが多いハーブです。また、葉っぱの形がきれいなのでケーキやジュースなどにトッピングされることもあります。
ミントには虫除け効果もあるので、ピクニックへ出かけるときはお弁当にミントを加えるのも良いですね。
7.オレガノ
オレガノは、バジルによく似た香りを持つハーブです。トマト料理や肉・魚料理との相性が良く、爽やかな香りとほろ苦い風味を与えてくれます。
オレガノはバジル以上に香りが強いため、入れ過ぎに注意してくださいね。
なお、オレガノには消化をサポートする作用もあります。食欲がない時や、胃腸の調子がすぐれない時にも加えてみましょう。
ハーブを料理に使いこなそう!
かつては薬として用いられていたハーブ。健康効果だけでなく、消臭作用や防腐作用などをもつため、料理にも幅広く活用されてきました。
何より特徴的なのは、その香りと風味。ハーブを使いこなすと、より美味しい料理がつくれるようになります。ハーブの特徴や合う食材を知り、料理に取り入れてみてくださいね。
Written by Yukari
自宅には乾燥ハーブを複数種類を常備し、庭でバジルやローズマリーなども育てています。乾燥ハーブも料理に使いやすくて大好きですが、摘みたてハーブの風味は格別。バジルが豊作なときは、お味噌汁や卵焼きにも入れます。和食にも意外と合うのでおすすめです。