料理に使うハーブにはさまざまな種類がありますが、それぞれどのように使い分けると良いのでしょうか。今回は、料理に使うハーブの種類とおすすめの使い方を紹介します。ハーブを使いこなして、料理の腕をワンランクアップさせましょう!
ハーブの種類と使い方
早速、ハーブを料理に使う方法をみていきましょう。それぞれのハーブの効用や、相性の良い料理なども紹介するので参考にして下さいね。
1.バジル
バジルは、もともと漢方薬として日本に伝わったハーブです。1980年代にイタリア料理ブームが起こったことを機に、料理にバジルを使う風習が広まったのだとか。
そんなバジルには特有の爽やかな香りがあり、特ににんにくやトマトとの相性が良いハーブです。イタリア料理にはもちろんですが、肉料理・魚料理・スープなどに幅広く活用することができます。
中でも、タイ料理の「ガパオライス」を作るときにはバジルは欠かせません。それもそのはず、「ガパオ」とはまさに「バジル」を意味する言葉。バジルを鶏肉やひき肉と炒め、ナンプラーやオイスターソースを使って風味高く仕上げるのがガパオライスの特徴なのです。
また、「ジェノベーゼ」もバジルを存分に使って作られます。ジェノベーゼは、バジルにオリーブオイル・松の実・にんにくなどを合わせてペースト状にしたもので、パスタやピザのソースに活用されます。家でもミキサーを使って、ジェノベーゼを作ることができますよ。
そのほか、カレーやマリネに使ってもバジルの風味を生かせるでしょう。なお、加熱調理するときは、バジルを火に通しすぎると風味が飛んでしまうので、料理の仕上げ段階でバジルを加えることがポイントです。
2.パセリ
パセリはハーブの中でも栄養価が高く、特にβカロテンやビタミンC、カリウムなどを豊富に含んでいます。そんなパセリには強い香りと苦味があり、料理のアクセントとしてよく使用されます。
また、料理に彩りを添える目的として、ピラフやスープにパセリを刻んで入れたり、揚げ物にパセリを添えたりと、さまざまな料理に使われています。
さらに、パセリには殺菌作用もあります。お刺身にパセリが添えられることがよくありますが、あれは彩りを良くするだけでなく、生ものを腐りにくくする効果もあるのです。夏のお弁当にパセリを添えると、傷みにくくなるのでおすすめですよ。
パセリは洋食に使うイメージがありますが、きんぴらや味噌汁などの和食とも意外と合います。また、三つ葉に少し風味が似ているので、代用としてパセリを和食に活用してみてはいかがでしょうか。
3.タイム
タイムは爽やかな風味が特徴で、肉や魚の臭み消しによく使われるハーブです。どんな料理とも相性が良いタイムですが、特に鶏肉・魚介類・卵を使った料理によく合います。魚のムニエルや香草焼きにタイムを使うことが多く、「魚のハーブ」とも呼ばれています。
サバやイワシの臭み消しとして、焼き魚などの和食に活用するのもおすすめです。また、醤油や味噌にタイムを合わせると、おしゃれな味に仕上がりますよ。
そのほか、タイムには強い防腐効果・殺菌効果もあります。古代エジプトでは、ミイラの防腐剤としてタイムが活用されていたのだとか。ピクルスのような常備菜にタイムを入れると、保存性が高まり、爽やかな風味を付けることもできますよ。
4.ローリエ
ローリエは、日本でいう月桂樹の葉のことです。ちなみに「ローリエ」はフランスでの呼び名で、英語では「ローレル」や「ベイリーフ」と呼ばれます。商品によって表示名が違うこともありますが、基本的にすべて同じものです。ただし、「インディアンベイリーフ」は別の植物なので注意して下さいね。
そんなローリエは、主にスープや煮込み料理を作るときに使われます。カレー・シチュー・ポトフ・ミネストローネ・ロールキャベツなどを作るときに、ローリエの葉を一緒に入れて煮込むと、格段に美味しく仕上がりますよ。
ローリエを煮込み料理に入れるときは、葉を折ってから入れると香りが広がりやすくなります。また、ローリエは長時間煮込むと苦味が出てきてしまうので、1時間ほどたったら取り出しましょう。
そのほか、ローリエは米びつや保存料理に入れることで防腐効果や虫除けの効果も期待できますよ。特にマリネやピクルスに入れると、風味を付ける効果も得られて一石二鳥です。
5.ローズマリー
ローズマリーは、すっきりとした清涼感のある強い香りが特徴のハーブ。主に、肉や魚の臭み消しに使われます。また、じゃがいもやにんじんなどの根菜との相性が良いので、根菜のオーブン焼きやグリルなどに使うのもおすすめです。
肉や魚の臭み消しに使う際は、下ごしらえの段階でローズマリーをまぶしておくか、加熱するときにローズマリーを一緒に加えましょう。一緒に加熱する場合は、香りが強く付き過ぎないよう、ほどよく香りが出たらローズマリーを取り出すと良いですよ。
そのほか、オリーブオイルや白ワインビネガーなどにローズマリーを漬けて、ハーブオイルやハーブビネガーを作るのもおすすめです。
なお、ローズマリーの香りには、集中力を高める効果やメンタルを安定させる効果があります。ローズマリーの香りを味わいながら、食事や調理を楽しんでみましょう。
6.ミント
ミントは、セイヨウハッカとも呼ばれるハーブで、清涼感のある爽やかな香りを持ちます。ガムや歯磨き粉にも、ミントの香りはよく使用されていますよね。
ミントの香りはメントールという成分で、血行を促進する作用や胃の調子を整える作用があります。
ミントは、肉や魚の臭み消しや、料理への香り付けに使われることが多いハーブです。また、葉っぱの形がきれいなのでケーキやジュースなどにトッピングされることもあります。
ミントには虫除け効果もあるので、ピクニックへ出かけるときはお弁当にミントを加えるのもおすすめです。
7.オレガノ
オレガノは、バジルによく似た香りを持つハーブです。トマト料理や肉・魚料理との相性が良く、爽やかな香りとほろ苦い風味を与えてくれます。
オレガノはバジル以上に香りが強いため、入れ過ぎに注意してくださいね。
なお、オレガノには消化をサポートする作用もあります。食欲がない時や、胃腸の調子がすぐれない時にも加えてみましょう。
ハーブを料理に使いこなそう!
今回は、料理に使えるハーブの種類とその使い方を紹介させていただきました。ハーブを使い分けるには知識や経験が必要ですが、楽しみながら少しずつ取り入れてみて下さいね。ハーブを使いこなすと料理が格段に美味しく仕上がり、ますます料理を楽しめますよ。