日本の伝統的な朝食といえば、ご飯にお味噌汁、卵焼き、焼き鮭、納豆などですよね。では、海外では朝食にどのようなものが食べられているのでしょうか。今回は、ヨーロッパ・北米・南米・アフリカ・アジアなど、世界15ヵ国の定番の朝食メニューを紹介します。
【一覧表】世界の朝ごはんの定番メニュー
まずは、世界の各地で食べられている伝統的な朝食メニューを一覧表で紹介します。
*国の名前をタップすると、その国の朝食の詳細を見ることができます
もちろん、日本人でもご飯派やパン派、シリアルやヨーグルトを食べる人などがいるように、「この国=このメニュー」という訳ではありませんが、ひとつの例として楽しんでいただけると幸いです。
次は、画像とともに各国の朝食メニューを詳しく紹介します。朝食をめぐる世界1周の旅に出ましょう!
ヨーロッパの朝食
1.イギリス English breakfast

イギリスの伝統的な朝食である「イングリッシュ・ブレックファスト」は、トースト・卵料理・ハム・ベーコン・ベイクドビーンズなどを組み合わせたもの。「イギリスで良い食事をしたければ、朝食を3度とればいい」と言われるほど、イギリスの朝食は品数豊かで豪華です。
ちなみに、実際のイギリス人が毎日こんな朝食をとっているわけではなく、シリアルやフルーツなどで済ませることが多いようです。
2.ベルギー Petit déjeuner

ベルギーと言えばワッフルが有名ですよね。ベルギーでは、ワッフルはおやつだけでなく朝食にもよく登場するメニューです。
はちみつやチョコソースなどをトッピングしてスイーツのようにしたり、甘くない生地で作ったワッフルをサラダやおかずと合わせて食べたりもします。
3.イタリア Colazione

イタリア人は、朝食には甘いものしか食べないと言われています。
ビスケットやブリオッシュにジャムやヌテラ(ヘーゼルナッツペーストのチョコ風味スプレッド)をたっぷり塗り、カプチーノなどを組み合わせて食べます。朝からドルチェを食べる人も多いそう。
日本人からするとおやつのような朝食に驚くかもしれませんが、イタリア人からすると、味噌汁や焼き魚のようなしょっぱいものを食べる日本の朝食は不思議に見えるようです。
4.スペイン Desayuno

スペインでは、1日に5回食事をとる習慣があります。1日の最初の食事は、チュロスにチョコレートを付けて食べるのが定番です。とはいえ、毎日チュロスを食べる人は少なく、トーストやマフィン、ビスケットなどで済ませる場合も多いです。
朝食の後は、11時頃にサンドウィッチなどを食べ、午後2時頃に昼食、午後6時頃に軽食、そして午後9時頃に夕食をとります。スペインでは、昼食後にシエスタ(昼寝)の習慣があるのも特徴ですね。
5.フランス petits-déjeuners

フランスで定番のパンといえばバゲット。朝食では、バゲットにジャムやバターを塗ったり、バゲットをカフェオレに浸したりして食べます。
シンプルな平日の朝食と反対に、休日はクロワッサンやパン・オ・ショコラのような甘いパン(ヴィエノワズリー)で、優雅にブランチを楽しむ人が多いようです。メリハリがあるのが、フランス人らしくておしゃれですね。
6.ロシア завтрак

ロシアの朝食によく登場するのは、伝統的な家庭料理であるブリヌイ。
ブリヌイはもちもちとした食感が特徴のクレープです。サワークリームやジャムを付けてそのまま食べたり、イクラやサーモンをクルクルと巻いて食べたり、ボルシチやポテトと合わせたり、組み合わせや食べ方は自由自在です。
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北米・南米の朝食
1.アメリカ American breakfast

アメリカでは多くの文化が混在しているため朝食もさまざまですが、パンにベーコンやハムなどの加工肉、オムレツやスクランブルエッグのような卵料理を組み合わせる朝食が一般的です。オートミールのようなシリアルもよく食べられるため、スーパーにはかなりの種類のシリアルが売られています。
その他、パンケーキやエッグベネディクトを食べる人、ヨーグルトとフルーツ、スムージーなどシンプルな朝食で済ませる人も多くいます。
2.カナダ canadian breakfast

カナダといえば、メープルシロップ。そんなカナダでは、やはりパンケーキにメープルシロップをかけて食べるのが人気です。
とはいえ、仕事や家事で忙しい朝に毎日優雅にパンケーキを食べる訳もなく、シリアルやマフィンで済ませる場合がほとんど。また、カナダもアメリカと同様に多国籍文化なので、人によって朝食メニューにはかなり差があります。
3.ブラジル cafe da manha

ブラジルでは、フランスパンを意味するポン・フランセースを半分に切り、ハムやチーズをサンドして食べるのが朝食の定番。また、日本でも馴染のあるポン・デ・ケイジョもよく食べられています。
また、ブラジルの名産であるコーヒーや南国フルーツも食卓に欠かせない存在です。
4.キューバ Desayuno

カリブ海に位置する島国キューバでは、バナナやグァバなどのトロピカルフルーツを中心とした朝食が一般的。それらのフルーツに、パンを合わせて食べます。
キューバでよく食べられるパンにはラードが使われているため、トーストするとカリッとした香ばしい風味になるのが特徴です。
アジアの朝食
1.南インド नाश्ता

同じインドでも、南と北では異なる食文化を持っています。南インドでは、米や豆から作る蒸しパンのようなイドゥリが朝食の定番です。イドゥリは、カレーやココナッツチャツネ(調味料)などに付けて食べます。
南インドでは、イドゥリの他にドーサという米粉のクレープも主食としてよく食べられています。
2.北インド नाश्ता

北インドでは、ナンやチャパティなどを主食としています。チャパティは、全粒粉と水を捏ねて作る薄焼きのパンのようなものですが、発酵させる手間がなく手軽に作れるため、家庭でよく食べられています。
チャパティを油で揚げたプーリーも、北インドの朝食によく登場します。南インドに比べ、北インドでは油っこいものを多く食べる傾向があるようですね。
3.台湾 早饭

台湾では、朝食は家ではなく屋台で食べるのが一般的です。そんな台湾の朝食の定番と言えば、鹹豆漿(シェントウジャン)。鹹豆漿は、温めた豆乳にお酢を加えて、柔らかい豆腐のように仕立てるスープです。
この鹹豆漿に、桜エビやラー油などをトッピングし、油條という揚げパンを合わせて食べます。鹹豆漿の他には、クレープのような蛋餅や、小籠包、肉包なども台湾の屋台で人気の定番メニューです。
4.シンガポール sarapan

シンガポールで人気の朝食は、カヤトーストです。シンプルなカヤトーストは、卵とココナツミルクで作るカヤジャムと、薄く切ったバターを挟んで作ります。
カヤトーストに温泉卵をトッピングしたり、卵液に浸して焼いてフレンチトースト風にしたり、さまざまなアレンジを楽しんでいるようです。
アフリカの朝食
1.モロッコ إفطار

モロッコでは、穴の空いたパンケーキのようなバグリールが朝食の人気メニューです。バグリールと普通のパンケーキとの違いは、パンのように発酵させて作ること。発酵させることで、細かい穴が空き、火が通りやすくなります。
他には、ムスンメンという四角い形のクレープや、トマトを入れて作るベルベルオムレツなどもモロッコの朝食の定番です。
2.エジプト إفطار

エジプトの定番の朝食は、乾燥そら豆を煮込んだフール。フールを使ってサラダを作ったり、ペースト状にしてパンに付けて食べたりします。
エジプトでよく食べられるパンは、アエーシという、中身が空洞になったもの。アエーシは、見た目はピタパンに、食感はナンによく似ています。
世界の朝食メニューは各国さまざま!

今回は、世界中の国の朝食メニューを紹介させていただきました。国や地域によって食文化の違いがあり、とても興味深いですね。
今回紹介したものはほんの一部で、もちろん家庭や人によって食べるものは異なります。特に多文化なアメリカやヨーロッパでは朝食メニューもさまざま。「日本人の定番朝食はご飯と味噌汁、だけどパンやシリアルを食べる人もいるよ」くらいのイメージで受け取っていただけると幸いです!
では、また次の記事でお会いしましょう!
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Written by yukari
世界の食文化に興味があり、各国のレシピ本を読みあさって自己流で再現しています。以前、イギリスへ行ったときにホテルの朝ごはんに出てきたベイクドビーンズが美味しすぎて大感動。あの味はどんなに頑張っても再現できないので、いつかまた食べに行きたいです。