鉄は、貧血や冷え性の予防・改善に役立つ栄養素です。しかし、「普段から意識して鉄を摂取しているのに症状がなかなか改善されない」と悩んでいる方も多いのでは。今回は、鉄の吸収率が低い原因とともに、ビタミンCを一緒に摂ると良い理由を紹介します。鉄とビタミンCを一緒に摂れる献立例やおすすめサプリも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
そもそも鉄の吸収率が低いのはなぜ?

食べ物に含まれている鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
吸収率 | 多く含む食べ物 | |
ヘム鉄 | 20~30% | 肉・魚などの動物性食品 |
非ヘム鉄 | 2~3%以下 | 乳製品・海藻・野菜など |
ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、たんぱく質と結合した形で存在しています。ヘム鉄は、そのまま十二指腸や空腸上部で吸収されるため、吸収率が高いことが特徴です。
一方、非ヘム鉄は野菜や海藻などの植物性食品や、乳製品に多く含まれています。非ヘム鉄はそのままの形では吸収されないため、消化管の中で形を変える必要があります。
非ヘム鉄は、摂取した段階では鉄が「Fe3+」の形で存在します。これを「Fe2+」に変えないと、体内に吸収することができません。

「Fe2+」への変化は酸性の環境で促進されますが、人の消化管の中で酸性なのは、胃と十二指腸の上部だけです。鉄の吸収は胃では行われないので、非ヘム鉄を吸収できるのは十二指腸の上部わずか数cmのみ。
さらに、日本人が食事から摂取する鉄の約85%は非ヘム鉄だと言われています。主に摂取している非ヘム鉄の吸収率が極めて低いことから、鉄が欠乏しやすく、貧血を招きやすくなってしまうのです。
ビタミンCが非ヘム鉄の吸収率を上げる理由

非ヘム鉄の吸収率は、一緒に摂取した成分によって変わります。非ヘム鉄の吸収率を上げる成分と、吸収率を下げる成分を下の表にまとめました。
非ヘム鉄の 吸収率を上げる成分 | ビタミンC・クエン酸・ 乳酸・動物性たんぱく質 |
非ヘム鉄の 吸収率を下げる成分 | タンニン・フィチン酸・ 不溶性食物繊維 |
非ヘム鉄を吸収するためには「Fe2+」に形を変える必要がありますが、ビタミンCは「Fe3+」から「Fe2+」に変化する反応を促進します。そのため、非ヘム鉄とビタミンCを一緒に摂ると、吸収率が高まります。

ビタミンCのほかにも、レモンに含まれるクエン酸や、キムチやヨーグルトに含まれる乳酸、肉・魚・卵などに含まれる動物性たんぱく質も、非ヘム鉄の吸収を促します。
一方、非ヘム鉄の吸収率を下げる成分には、お茶やコーヒーに含まれるタンニン、玄米に含まれるフィチン酸、不溶性食物繊維などがあります。
なお、ヘム鉄は、これらの成分の影響を受けません。
\玄米に含まれるフィチン酸については、こちらの記事で詳しく紹介しています/
鉄とビタミンCの美味しい組み合わせ!鉄の吸収率を上げる献立例

鉄の吸収率を上げるためには、食品の組み合わせを工夫してみましょう。ここでは、ビタミンCと鉄を一緒に摂れる食事の例を紹介します。
①ほうれん草のお浸し×納豆×かぼちゃの煮物
非ヘム鉄を多く含むほうれん草や納豆と、ビタミンCの多いかぼちゃを合わせた献立です。かぼちゃの煮物にひき肉を加えると、動物性たんぱく質によってさらに鉄の吸収率が高まります。
小松菜にも非ヘム鉄が豊富に含まれているので、ほうれん草の代わりに使うのもおすすめです。
②オートミール×柿×キウイ×ヨーグルト
鉄分を多く含むオートミールと、ビタミンCの豊富な柿やキウイ、乳酸菌や動物性たんぱく質を含むヨーグルトを合わせた朝食におすすめの献立です。
オートミールには不溶性食物繊維も多く含まれるので、上記の食品を組み合わせて鉄の吸収をサポートしましょう。
なお、乳製品に含まれる「カゼインホスホペプチド」という成分は、鉄やカルシウムなどの吸収率を高めることで注目されています。
③ひじきと大豆の煮物×ブロッコリーのサラダ
ひじきや大豆には、非ヘム鉄が豊富に含まれています。この2つの食材に、ビタミンCを多く含むブロッコリーを付け合わせた献立です。
ブロッコリーは茹ですぎるとビタミンCが失われてしまうので、短時間でさっと茹でましょう。サラダチキンやツナを加えると、動物性たんぱく質も摂れるのでおすすめです。
鉄&ビタミンC含有サプリおすすめ3選
効率よく鉄を補給するためには、サプリメントもおすすめです。鉄とビタミンCを組み合わせた、おすすめのサプリメントを3つ紹介します。
1.メルミー葉酸サプリ

メルミー葉酸サプリは、鉄が15mg、ビタミンCが130mgが含まれるサプリです。鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄を組み合わせて配合されています。
さまざまなビタミン・ミネラルが配合されているため、1つのサプリで栄養管理を済ませたい人におすすめです。葉酸・カルシウム・マグネシウムなど妊活や妊娠中に摂りたい栄養素も含まれています。
価格:6,580円(初回限定価格:2,980円)
【含有成分】
・鉄(ヘム鉄+非ヘム鉄):15mg
・ビタミンC:130mg
・カルシウム:241mg
・葉酸:400μg
・マグネシウム:136mg
・亜鉛:5mg
・ビタミンB1:2.8mg
・ビタミンB2:2.3mg
・ビタミンB6:1.7mg
・ビタミンB12:12.8㎍
・ビタミンD:4.5㎍
・ビタミンE:22.5mg
・ナイアシン:15.7mg
・パントテン酸:21.6mg
・銅:0.5mg
・ビオチン:57.6㎍
*葉酸・ビタミンB12は巨赤芽球性貧血の予防、銅は鉄の体内での貯蔵・輸送に関わる栄養素です。
こんな方におすすめ
・妊活or妊娠中
・ヘム鉄の含まれるサプリが良い
・各種のビタミンやミネラルを同時に摂りたい
2.withmoon 鉄+葉酸サプリ

こちらのサプリには、鉄が10mg、ビタミンCが100mg含まれています。
糖質や脂質の代謝にかかわるビタミンB6や、巨赤芽球性貧血の予防に役立つビタミンB12、葉酸も含まれています。
3ヶ月分で1,998円とコスパが良いため、金銭的な負担をかけず、長く続けたい方に適しています。
価格:1,998円
【含有成分】
鉄:10mg
ビタミンC:100mg
ビタミンB6 :1.64mg
ビタミンB12:2μg
葉酸:200μg
こんな方におすすめ
・成分がシンプルなサプリが良い
・コスパ重視
3.フェリチン鉄

フェリチン鉄とは、体内で貯蔵されている鉄の形です。たんぱく質と結合しているため、吸収率はヘム鉄並みに高くなります。
フェリチン鉄は吸収率の高さだけでなく、胃腸の粘膜を刺激しにくいのも特徴です。鉄サプリを飲むと胃腸が荒れやすい方におすすめですよ。
成分がシンプルで価格がリーズナブルなのも嬉しいポイントです。
価格:2,998円(初回限定価格:990円)
【含有成分】
鉄:5.5mg
亜鉛:5mg
銅:約1.0mg
葉酸:約100μg
こんな方におすすめ
・鉄サプリで胃腸が荒れやすい
・コスパ重視
・鉄以外の成分はあまりこだわらない
効率よく鉄を摂取して貧血・冷え性を予防しよう!

食事中の鉄のほとんどは吸収率の低い非ヘム鉄であり、十二指腸の上部の限られた部分でしか吸収されません。また、非ヘム鉄の吸収は、一緒に摂った成分の影響も受けます。
貧血や冷え性が気になる方は、鉄の多い食品とともに、ビタミンC・クエン酸・乳酸などを含む食品を摂りましょう。手軽に鉄を補給したい方は、サプリメントを活用するのもおすすめですよ。
written by yukari
食生活アドバイザー。私自身も長いこと貧血に悩まされていましたが、鉄の吸収率を意識して食事を見直したところ、血液検査の数値も改善しました!食事を改善するのが難しい場合は、サプリを活用してみてくださいね。特に、ヘム鉄やフェリチン鉄を含むサプリは効果的なのでおすすめです。