「善玉菌」や「善玉コレステロール」という言葉をよく聞きますが、どのようなものなのでしょうか。「善玉菌と善玉コレステロールは、同じもの?」「何が違うの?」そんな疑問を抱えている方のために、それぞれの違いを解説します。
善玉菌と善玉コレステロールは同じもの?
結論から言うと、善玉菌と善玉コレステロールは違うものです。「どちらも人にとって有用な働きをする」という点では共通していますが、それぞれ存在する場所や働きも異なります。まずは、善玉菌と善玉コレステロールについて、それぞれ詳しく解説します。
善玉菌とは
善玉菌とは、腸内に存在する微生物のこと。乳酸菌やビフィズス菌のように、腸内環境を整える作用をもつ菌の総称です。
善玉菌は、食物繊維やオリゴ糖のように、人の消化酵素では分解できない成分を分解・発酵します。なかには、短鎖脂肪酸のような有用な働きをもつ成分を生成する働きをもつ菌も存在します。
短鎖脂肪酸については、以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてくださいね。
善玉コレステロールとは
一方、善玉コレステロールは血液の中に存在します。善玉菌は微生物ですが、善玉コレステロールは生物ではなく、物質です。正確には「高密度リポタンパク質(HDL)」といい、タンパク質や脂質などから構成されています。
善玉コレステロールの役割は、全身から過剰なコレステロールを回収して肝臓へ戻すこと。コレステロールは肝臓でしか分解できないため、善玉コレステロールが回収して肝臓に戻さないと、組織や血液の中に蓄積してしまいます。
過剰なコレステロールが蓄積すると動脈硬化を招く可能性もあるため、善玉コレステロールの働きが非常に重要です。
善玉菌と善玉コレステロールの違い
善玉菌と善玉コレステロールの違いを表にまとめました。
| 分類 | 存在する場所 | 働き | |
|---|---|---|---|
| 善玉菌 | 微生物 | 小腸・大腸 | 腸内環境を整える |
| 善玉 コレステロール | 物質 | 血液 | 過剰なコレステロールを 回収する |
最も大きな違いは、善玉菌は生き物、善玉コレステロールは物質、という点です。また、それぞれ存在する場所も異なり、働きにも違いがあります。
どちらも人間にとって有益な働きをすることは共通しており、そのために「善玉」と呼ばれます。
善玉菌・善玉コレステロールを増やすには
善玉菌や善玉コレステロールを増やすためには、食事の内容が大切です。
善玉菌を増やすためには、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」と呼ばれる方法があります。
- プロバイオティクス:善玉菌そのものが多く含まれているヨーグルト・漬物・キムチなどを食べる
- プレバイオティクス:善玉菌を増やす作用が期待できる食物繊維やオリゴ糖を多く含む食品を食べる
善玉菌そのものを摂ることも効果的ですが、菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を摂取することも大切です。食物繊維を多く含む食品は以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。
一方、善玉コレステロールを増やすためには、n-3系脂肪酸の摂取が役立ちます。n-3系脂肪酸は、魚・アマニ油・エゴマ油などに豊富に含まれる成分です。
摂取する脂質の種類は血中コレステロールに影響を与えやすいので、脂質の種類の理解を深めて食品の選び方を工夫することが大切です。さまざまな脂肪酸については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
善玉菌と善玉コレステロールはまったく別のものですが、どちらも健康を維持するうえで重要です。食生活の影響で増えたり働きが弱まったりする場合があるので、それぞれの働きをサポートできるよう食品選びを工夫しましょう。






