活性酸素はなぜ体に悪い?増える原因と健康への影響

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近年、健康に害を与える活性酸素を除去する食品やサプリメントが注目されています。しかし、そもそも活性酸素はなぜ体に悪いのでしょうか。この記事では、活性酸素とはどういうものなのか、そして、増えすぎたときの健康への影響について紹介します。

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活性酸素とは

活性酸素とは、通常の酸素に比べて化学反応を起こしやすい不安定な状態の酸素のことです。

空気中に存在する普通の酸素は「三重項酸素(3O2)」といい、この状態の酸素は最も安定しています。

しかし、体内や食品中で3O2の一部は、ほかの成分と反応しやすい「活性酸素」に変化します。ほかの成分と反応しやすいということは、体内や食品中の脂質やタンパク質などを酸化し、性質を変えてしまうことを意味しています。

特にn-3系やn-6系の「多価不飽和脂肪酸」は酸化されやすいため、活性酸素の存在が大きな問題になります。

活性酸素の種類

活性酸素は、一般的に以下の4種類を指します。

・スーパーオキシド(O2
・ヒドロキシルラジカル(・OH)
・過酸化水素(H2O2
・一重項酸素(1O2

これらの活性酸素種は、非常に不安定でほかの物質とたやすく化学反応を起こします。中でもヒドロキシルラジカルは最も反応性が高い活性酸素です。

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活性酸素はなぜ体に悪い?

活性酸素は、細胞どうしのシグナル伝達や免疫機能に重要な役割を果たす一方、増えすぎるとDNAやタンパク質などの生体成分を攻撃し、結果としてがん・生活習慣病・老化などを招きます。

例えば、血中のLDL(悪玉コレステロール)が活性酸素によって酸化変性すると、それをマクロファージという免疫細胞が貪食し、肥大化して血管壁に蓄積した結果、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が心筋梗塞や脳梗塞の原因になることは、ご存知の通りです。

活性酸素との因果関係が疑われている疾病は、全疾患の90%以上だといわれています(*1)

活性酸素は生体にとって必要な存在ではありますが、増えすぎを防ぐことも重要なのです。

酸化ストレスとは
人間の体には、活性酸素を生成する能力(活性酸素生成系)とともに、活性酸素のダメージから身を守る力(抗酸化防御機能)が備わっています。通常はこの2つの機能のバランスが取れ、体内で生成された活性酸素はSODやカタラーゼなどの酵素によって水や酸素に分解されます。しかし、何らかの影響で活性酸素が過剰に産生され、抗酸化防御機能を上回った状態を「酸化ストレスといいます。

活性酸素の生成はまぬがれない

呼吸によって体内に取り込んだ酸素のうち、数%は活性酸素に変化するといわれています。人間は呼吸しないと生きていけないので、活性酸素の生成はまぬがれない運命です。

しかし、体内には活性酸素を除去する働きのある酵素も存在します。スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)やカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどです。

これらの酵素を構成する銅・亜鉛・マンガン・セレンなどのミネラルを含む食品を積極的に摂り、活性酸素の分解を促進しましょう。細胞膜などの生体成分を酸化から守るためには、ポリフェノール・ビタミンC・ビタミンEなどの抗酸化作用をもつ成分の摂取も効果的です。

活性酸素が増える原因

活性酸素の生成が増える原因として、以下のものがあげられます。

・喫煙
・ストレス
・紫外線
・大気汚染
・過度な運動
・薬剤の摂取
・酸化された食品の摂取

これらの原因により体内での活性酸素の生成が過剰になると、酸化ストレスを引き起こし、組織や細胞にダメージを与えます。

紫外線や大気汚染のように防ぎきれない原因もありますが、喫煙などの生活習慣は改善することができます。また、バランスのとれた食事や適度な運動は、酸化ストレスの防御に効果的です。

活性酸素のまとめ

活性酸素は、空気中に存在する酸素より反応性の高い酸素の総称で、主にスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素の4種を指します。

これらの活性酸素は体内で重要な働きを持ちますが、増えすぎると細胞や組織に傷害を与え、種々の疾病を引き起こす原因となります。

活性酸素の生成を防ぐことはできませんが、生活習慣を見直し、抗酸化作用のある食品を摂ることで、酸化ストレスから身を守ることができます。日頃から適度な運動や、バランスの良い食事を心がけましょう。

参考文献
*1 森田英利・田辺創一編著「わかりやすい食品機能学 第2版」三共出版,2021,p65
・厚生労働省「活性酸素と酸化ストレス

・大石修司「運動と酸化ストレス―活性酸素と抗酸化防御のバランスの重要性―」

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