睡眠の質が悪いと、眠気や疲労感が残って日中の作業効率が下がってしまいますよね。また、睡眠不足は食欲増進や代謝低下を招く原因にもなるためダイエットにも悪効果。そこで近年人気が高まっているのが、睡眠の質を上げる飲み物です。その中から、今回はおすすめの5商品を紹介します。コンビニやドラッグストアで購入できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
睡眠の質を上げる飲み物おすすめ5選

それでは早速、コンビニで買える「睡眠の質を上げる効果のある飲み物」を紹介します。それぞれ、睡眠に働きかける成分やメカニズムも違うので、悩みに合ったものを選んでみてくださいね。
1.ハウス ウェルネスフーズ「ネルノダ」
ハウスウェルネスフーズから販売されている「ネルノダ」は、テレビCMでもお馴染みのドリンク。睡眠の質を向上させる成分として、GABAが100mgが含まれています。
GABAはアミノ酸の一種で、交感神経の活動を抑制し、副交感神経の活動を亢進する成分です。副交感神経が優位になるとリラックスした状態になり、寝付きやすくなります。GABAは緊張やストレスの緩和にも効果的ですよ。

また、GABAには血圧降下作用もあるので、血圧が気になる方にもおすすめです。
商品名 | ネルノダ |
内容量 | 100ml |
睡眠への関与成分 | GABA(100mg) |
価格 | オープン価格 |
カロリー | 15kcal(1本あたり) |
1日の摂取量の目安 | 1本 |
2.アサヒ飲料 カルピス「届く強さの乳酸菌W」
カルピスの「届く強さの乳酸菌W」には、プレミアガセリ菌CP2305が配合されています。
プレミアガセリ菌CP2305は、心理的なストレスを和らげる作用や、睡眠の質を向上させる効果があることが報告されています。また、乳酸菌の一種なので、腸内環境を整える働きもあります。

睡眠だけでなく、便秘や下痢などの症状に悩んでいる方におすすめのドリンクです。
商品名 | 届く強さの乳酸菌W |
内容量 | 100ml |
睡眠への関与成分 | ガセリ菌CP2305株 (L. gasseri CP2305)100億個 |
参考価格 | 128円(税別) |
カロリー | 65kcal(1本あたり) |
1日の摂取量の目安 | 1本 |
3.ヤクルト「ヤクルト 1000」
「ヤクルト1000」は、ストレスを緩和し、睡眠の質を向上させる効果のある乳酸菌 シロタ株が1,000億個含まれています。乳酸菌 シロタ株は、プレミアガセリ菌CP2305と同様に腸内環境を改善する作用も持っています。

ちなみに、コンビニやドラッグストアでは「ヤクルトY1000」の名前で販売され、内容量は10mLだけ多くなっています。
商品名 | ヤクルトY1000 |
内容量 | 110ml |
睡眠への関与成分 | 乳酸菌 シロタ株 (L.カゼイ YIT 9029)1000億個 |
参考価格 | 150円(税別) |
カロリー | 70kcal(1本あたり) |
1日の摂取量の目安 | 1本 |
4.森永乳業「睡眠改善」
「睡眠改善」は、ライチ風味のスッキリした味わいのドリンクです。カロリーゼロ・ノンカフェインなので、おやすみ前やダイエット中でも安心して飲めるのが嬉しいところ。
「睡眠改善」には、L-テアニンが含まれています。L-テアニンはお茶にも含まれる成分で、覚醒・興奮作用のある神経物質をブロックすることで、睡眠の質を高めます。
L-テアニンには中途覚醒を減らす作用があるため(*1)、夜中に何度も目が覚めてしまう方におすすめです。

商品名 | 睡眠改善 |
内容量 | 125ml |
睡眠への関与成分 | L-テアニン(200mg) |
参考価格 | 120円(税別) |
カロリー | 0kcal |
1日の摂取量の目安 | 1本 |
5.アリナミン「ナイトリカバー」
アリナミン「ナイトリカバー」は、疲労や栄養不足にともなう眠りの浅さ・目覚めの悪さを改善するドリンクです。ノンカフェインなので、就寝前に飲んでも寝付きに影響しません。
今回紹介する5つのドリンクの中では唯一の「指定医薬部外品」で、全8種類の有効成分が含まれています。睡眠の質を上げるとともに、寝ている間に効果的に疲労を回復したい方におすすめです。

ちなみに、アリナミンからはノンカフェインの「Rオフ」も販売されていますが、「ナイトリカバー」の方がより睡眠中の疲労回復に特化しています。
商品名 | アリナミン ナイトリカバー |
内容量 | 50ml |
有効成分 | フルスルチアミン塩酸塩(ビタミンB1誘導体) ・リボフラビンリン酸エステルナトリウム (ビタミンB2リン酸エステル)・ ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)・ ニコチン酸アミド・カルニチン塩化物・ グリシン・タウリン・イノシトール |
価格 | オープン価格 |
カロリー | 7kcal |
1日の 摂取量の目安 | 1本 |
デメリットも?睡眠の質を上げる飲み物 摂取時の注意点

睡眠の質を上げる飲み物は、コンビニでも手軽に購入でき、ジュースのような美味しさをもつ点がメリットです。その一方で、以下のようなデメリットがある商品も。
・カロリーや糖質量が高い
・価格が高い
睡眠の質を上げる飲み物は、飲みやすさ・美味しさを重視しているため、カロリーや糖質量が高くなる傾向にあります。なかには、寝る前でも飲みやすいようにカロリーを抑えた商品もあるので、ダイエット中におすすめです。
また、1本あたり150~250円前後の商品が多く、サプリメントに比べると価格が高くなります。
今回紹介した5つの飲み物のカロリー・糖質量・価格を表にまとめたので、商品を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
ネルノダ | カルピス 届く強さの 乳酸菌W | ヤクルト Y1000 | 睡眠改善 | アリナミン ナイトリカバー | |
カロリー | 15kcal | 65kcal | 70kcal | 0kcal | 7kcal |
糖質 | 約3.7g | 約15g | 約15.6g | 約0.2g | - |
参考価格 (税別) | 220~270円 | 128円 | 150円 | 120円 | 170~190円 |
カロリー・糖質・価格を抑えたい場合は、睡眠の質を上げるサプリもおすすめです。夜寝る前に飲んでも余分なカロリーを摂取しなくて済み、改めて歯磨きをする必要もありません。飲み物より価格が安く、続けやすいのも嬉しいポイントですよ。
睡眠の質を上げる飲み物はいつ飲めば良い?

睡眠の質を上げる飲み物は、基本的にはいつ飲んでもOKです。
特に、「カルピス 届く強さの乳酸菌W」や「ヤクルトY1000」は、睡眠への関与成分が乳酸菌なので、いつ飲んでも効果はそれほど変わりません。
一方、「ネルノダ」や「睡眠改善」のように、覚醒系の物質を抑える作用のあるものは、就寝1時間~20分前に飲むと効果が感じられやすいでしょう(*2)。
また、「アリナミン ナイトリカバー」も、就寝前に飲むと、寝ている間の疲労回復効果が期待できます。
なぜ睡眠の質が上がる?睡眠の質を向上させるメカニズム

ここでは、GABAを例にとって睡眠の質を上げるメカニズムについて紹介します。
GABAは体内にも存在する成分で、交感神経系を抑制し、副交感神経系を活性化させる働きがあります。
交感神経とは、緊張・ストレスを感じた時や活動時などに活発になります。一方、副交感神経は、好きな音楽を聴いたり、心地よい香りに包まれたりすると活動が亢進。副交感神経が優位になると、緊張がほぐれてリラックスし、スッと眠りにつけるようになります。
本来なら、交感神経と副交感神経のスイッチは自然に切り替わりますが、過度なストレスや疲労に長くさらされていると、自律神経のバランスが乱れ、うまく切り替えられなくなってしまいます。
そこで、GABAを摂取することで、自律神経のスイッチ切り替えをサポート。GABAは興奮を抑え、リラックス状態に導き、ストレスの緩和や睡眠の質向上に役立ちます。
ちなみに、睡眠の質を上げるためにはGABAを100mg以上摂取することが推奨されていますが、一時的にストレスを和らげるためには28mg以上の摂取でも効果的です。
「トクホ」の睡眠の質を上げる飲み物がないのはなぜ?

2025年現在、トクホ(特定保健用食品)で「睡眠の質を上げる」効果を表示した商品はありません。
それは、トクホでは睡眠への効果の表示が許可されていないため。
一方、機能性表示食品では、睡眠への効果を表示して販売することが可能です。機能性表示食品は、トクホと異なり国の個別審査は受けませんが、機能性表示食品に含まれる「関与成分」の効果は論文や試験で確認されています。
ただし、「飲めば誰でも効果がある」「飲めば飲むほど効く」というわけではないので、摂取量の目安を守り、自分の体調を確認しながら、継続するかどうかを決めましょう。
睡眠の質を上げるためには継続がポイント!

今回紹介した飲み物は、すべてコンビニやドラッグストアなどで販売されています。手軽に購入することができるので、気になる飲み物があれば試してみてくださいね。
特に乳酸菌が含まれるドリンクの場合、睡眠の質を向上させるためには継続して飲むことが大切です。臨床試験でも、数週間飲んだ場合に睡眠の質の変化がみられています。
自分に合った飲み物を選び、睡眠の変化を意識しながら続けてみてくださいね。
Writer:永田ゆかり
フードスペシャリスト
私自身も寝付きの悪さに悩まされていましたが、最近は周囲でも睡眠に悩んでいる人を多くみかけます。スッと寝てパッと起きられるのが理想ですが、ストレス社会ではなかなか難しいですよね。クリニックへ行くほどではないけど、改善したい…という方には、今回紹介した飲み物がおすすめです。私もよく飲みますが、特にGABAやテアニンが入っているものは変化が感じられやすいので気に入っています。
参考文献
*1 L-テアニンと睡眠
*2 L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響
*3 消費者庁 「機能性表示食品の届出情報検索」より各食品の安全性・機能性・成分を参照