最近眠りが浅い、寝ても寝ても疲れがとれない…。そんな悩みを抱えている方におすすめしたいのが、睡眠の質を高めるサプリ。脳から分泌されるホルモンや自律神経の働きを調節することで、深い眠りへ導いてくれます。今回は、睡眠の質を高める成分やメカニズム、そして朝までぐっすり眠れるおすすめのサプリを紹介します。
どんなメカニズム?睡眠サプリの成分と効果
睡眠の質を高めるサプリに含まれる主な成分は、GABA、L-テアニン、グリシン、ラフマ抽出物、クロセチンなどです。
これらの成分には、睡眠の質を高める効果や寝起きの眠気・疲労感を軽減する効果などがあります。
それぞれ体内での働きや効果が少し異なるので、睡眠の悩みに合わせて適したものを選びましょう。
成分 | 主な作用 | 主な効果 |
GABA | 覚醒系の物質を抑制 | ・ストレス軽減 ・寝付きを良くする ・眠りを深める |
L-テアニン | 覚醒系の物質を抑制 | ・ストレス軽減 ・寝付きを良くする ・眠りを深める ・睡眠時間の延長 ・中途覚醒の減少 |
グリシン | 深部体温を下げる | ・ノンレム睡眠が増加 ・熟眠感が得られる ・起床時や日中の眠気と 疲労感を和らげる |
ラフマ 抽出物 | セロトニン分泌を促進 | ・眠りを深くする ・ストレスや不安感を軽減 |
クロセチン | 覚醒系の物質を抑制 | ・中途覚醒の減少 ・眠りを深める ・起床時の眠気や 疲労感を和らげる |
1.GABA
GABAは、交感神経(興奮・緊張モード)を抑制し、副交感神経(リラックスモード)の働きを高める物質です。
GABAによって副交感神経が優位になると、緊張がほぐれてリラックスした状態になり、眠りにつきやすくなります。また、睡眠中もヒスタミンやノルアドレナリンなどの覚醒系の物質をブロックし、眠りを深めます。
2.L-テアニン
L-テアニンはアミノ酸の一種で、お茶にも含まれている成分です。
L-テアニンを摂取すると、GABAなどのリラックス効果のある物質が増加することで、副交感神経が優位になり、寝付きやすくなります。
また、覚醒系の物質を抑制するため、睡眠が安定し、起床時の眠気や疲労感が軽減されます。
L-テアニン200mgを1週間摂取した臨床試験では、入眠後の中途覚醒が減り、睡眠時間が延長したことが確認されています(*1)。
3.グリシン
アミノ酸の一種であるグリシンは、体の深部の温度を下げ、表面の血流量を増加させます。
深部体温は体内時計のコントロールを受けており、睡眠とも深く関わっています。通常、眠りにつくと深部体温は約1℃下がり、睡眠中はその温度を維持し、起床までに徐々に上がっていきます。
グリシンを摂取して深部体温が下がると、入眠後すみやかにノンレム睡眠(深い眠り)に達し、睡眠の質が向上することが確認されました(*2)。
また、グリシンの摂取により、ノンレム睡眠が増加し、起床時の熟眠感・爽快感も得られます(*2・3)。
4.ラフマ抽出物
ラフマ抽出物は、ラフマという植物から得られるエキスで、セロトニンの分泌を促す作用があります。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、ストレスや不安感を和らげる作用があり、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの原料にもなります。
ラフマ抽出物を摂取すると、セロトニンとともにメラトニン分泌が増え、スムーズに入眠でき、眠りの質が向上します。
なお、体内のセロトニンの量が減ると、うつ症状や不眠症が起こりやすくなると言われています。セロトニンの分泌が促進されると、睡眠の質が向上するとともに、うつ病予防にも役立ちます。
セロトニンは、脳の松果体という場所から分泌されるホルモンです。日光を浴びたり、ウォーキングなどのリズム運動をしたりすると、セロトニンの分泌量が増えると言われています。また、セロトニンは必須アミノ酸の「トリプトファン」から作られるため、大豆製品のようにトリプトファンを多く含む食品を摂ることもセロトニン分泌アップに効果的です。
朝起きて日光を浴びると分泌が始まるセロトニンは、夜になると分泌が止まり、今度はメラトニン合成の材料として使われます。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、入眠や睡眠の持続に必要なホルモン。つまり、セロトニンの分泌量が少ないとメラトニンも十分な量が作れず、なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなったりするのです。
なお、メラトニンはレタスやケールなどの野菜にも含まれていますが、睡眠を改善するためには60kg以上も食べないと効果がないと言われています(*1)。
5.クロセチン
クロセチンは、覚醒作用のあるヒスタミンの働きを阻害することで、中途覚醒を減らす効果があります。
また、クロセチンはノンレム睡眠を増やし、睡眠の質を向上させます。深く眠ることで、起床時の疲労感を軽減し、日中の作業効率の向上につながります。
睡眠サプリの選び方
睡眠の質を高めるサプリはさまざまな種類があり、どれを選んで良いのか分からなくなってしまいますよね。そんなときは、睡眠の悩みに合わせて選んでみましょう。
例えば、夜中に何度も目が覚めてしまう、朝早く目が覚めてそのまま寝付けないという方には、「クロセチン」や「L-テアニン」、ノンレム睡眠を増やす「グリシン」などがおすすめ。これらの成分には中途覚醒を抑える働きがあるため、朝までぐっすり眠ることができます。
また、ストレスや不安感が気になる方には「ラフマ抽出物」や「L-テアニン」がおすすめです。
なお、それぞれの成分は、一定量以上含まれないと睡眠の質を高める効果は期待できません。臨床試験などで効果が認められている摂取量を下の表にまとめたので、睡眠サプリを選ぶ際の参考にしてくださいね。
成分名 | 睡眠への効果が期待できる 摂取量の目安 |
GABA | 100mg* |
L-テアニン | 200mg |
グリシン | 3000mg |
ラフマ抽出物 | 1mg |
クロセチン | 7.5mg |
朝までぐっすり眠れるサプリおすすめ3選
さまざまな睡眠サプリの中から、朝までぐっすり眠るサポートをしてくれるおすすめのサプリを紹介します。寝起きの疲労感や、寝足りない感覚が気になる方にもおすすめです。
1.ファンケル 「睡眠 & 疲労感ケア」
ファンケルの「睡眠 & 疲労感ケア」には、中途覚醒を減らす作用があるクロセチン(7.5mg)が含まれています。
「夜中に何度も目が覚めてしまう」「一度起きたら寝付けない」などの悩みを抱えている方や、朝までぐっすり眠りたい方におすすめです。
クロセチンのほかにも、長く眠った感覚を高める「L-オルニチン一塩酸塩」も含まれています。また、ビタミンB1・B2・B6も含まれているため、代謝のサポートや疲労感の軽減に効果的です。
2.ファイングリシン 「スーパーグリシン4000 Happy Morning NEO」
ファイン グリシンには、さまざまなタイプがありますが、こちらはグリシン(4000mg)、L-テアニン(200mg)、GABA(100mg)が含まれています。さらに、さまざまな健康効果をもつイノシトールやトリプトファンも含まれています。
グリシンは深部体温を下げてすみやかに深い眠りに導く効果、L-テアニンは覚醒系物質を阻害することで朝までぐっすり眠れる効果が期待できます。GABAはストレスを和らげてリラックス状態へ導き、入眠をサポートしてくれます。
短時間でも深く眠りたい方や、起床時の眠気・疲労感を軽減したい方におすすめです。ラムネ味の顆粒タイプなので、旅行中などでも飲みやすいのが嬉しいポイントですね。
3.北の快適工房「北の大地の夢しずく」
「北の大地の夢しずく」には、ラフマ抽出物(2mg)が含まれています。セロトニンの分泌を促し、睡眠ホルモンのメラトニンの合成を促進することで、睡眠の質を高める効果が期待できます。
ラフマ抽出物には、ストレスや不安感を和らげる作用もあります。また、「北の大地の夢しずく」はストレス緩和に役立つGABAも配合されているので、リラックス効果を得たい人におすすめです。
そのほか、ミルクペプチド・ネムノキ樹皮抽出物・クワンソウなどの休息サポート成分も含まれています。
北の大地の夢しずくを用いた臨床試験では、1ヶ月のサプリ飲用で72.4%以上の方が睡眠の質の改善効果を感じたとのこと。
通常価格は4,093円ですが、公式サイトから定期コースで購入すると、ずっと10%OFFの3,684円になるのでお得です。定期コースの解約はいつでもOKなので安心ですよ。
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生活習慣も大切!睡眠の質を高める7つの習慣
睡眠の質を高めるためには、サプリの飲用と併せて、生活習慣を見直すことも大切です。以下のように、簡単にできることから始めてみましょう。
・朝起きたらすぐ日光を浴びる
・ウォーキングをする
・午後3時以降はカフェインを控える
・食事は就寝3時間前までに済ませる
・お風呂は就寝2~3時間前に入る
・パジャマに着替える
・寝室では仕事や作業をしない
睡眠サプリの摂取とあわせて生活習慣を改善すると、睡眠の質が高まり、朝までぐっすり眠れるようになりますよ。特に、朝起きてすぐに日光を浴びることは、セラトニンの分泌や夜間のメラトニン合成を促します。簡単にできることから試してみてくださいね。
睡眠サプリで朝までぐっすり眠ろう!
今回は、朝までぐっすり眠れるサプリや、成分の効果について紹介させていただきました。人間は生涯の1/3もの時間を寝て過ごすと言われるように、睡眠はとても大切な時間。毎日朝までぐっすり眠れるようになったら、それだけで人生が豊かになりそうですね。気になる睡眠サプリが見つかったら、是非試してみてくださいね。
参考文献
*1 太陽化学株式会社「L-テアニンと睡眠」
*2 届出食品の科学的根拠等に関する基本情報 「グリナ」
*3 安居昌子, 坂内 慎「睡眠改善食品 機能性表示食品成分グリシンを中心として」2016, ファルマシア, 52巻6号, pp530-533
・ 厚生労働省「快眠と生活習慣」
・味の素株式会社「アミノ酸“グリシン”摂取により、入眠時の深部体温を低下させ、睡眠の質・睡眠量が改善されることを発見!」
Written by yukari
一時期、夜中に目が覚め、それから全く寝付けなくなる日々が続き、睡眠の質を高めるサプリを試してみました。最初は効いているのかよく分かりませんでしたが、気付けば朝までぐっすり眠れるように。サプリとはいえ、あなどれません。寝たいのに寝られない状況はとても辛いことなので、この記事が睡眠に悩んでいる方の助けになると嬉しく思います。悩みすぎず、できることから試してみてくださいね。相性の良い成分が見つかるまで、いくつかサプリを試すのもおすすめです。