甘くてホクホク食感のかぼちゃは、煮ても焼いてもスイーツにしても美味しく食べられる野菜。そんなかぼちゃは栄養価もすごいって本当?今回は、かぼちゃに含まれる栄養素と、その効果・効能を紹介します。冬至にかぼちゃを食べる理由、ハロウィンにかぼちゃを飾る理由などの豆知識も紹介するのでお楽しみに。
かぼちゃに多く含まれる栄養素
かぼちゃに多く含まれる栄養素は、
・食物繊維
・β-カロテン
・ビタミンE
・ビタミンC
・葉酸
・カリウム
などです。
かぼちゃに含まれる栄養素を、ほかの野菜・いも類と比較しました。
西洋 かぼちゃ | 日本 かぼちゃ | ケール | 人参 | さつまいも | |
エネルギー (kcal) | 78 | 41 | 26 | 35 | 127 |
食物繊維 (g) | 3.5 | 2.8 | 3.7 | 2.8 | 2.8 |
B-カロテン (μgRAE) | 330 | 60 | 240 | 720 | 3 |
ビタミンE (mg) | 4.9 | 1.8 | 2.4 | 0.4 | 1.0 |
ビタミンC (mg) | 43 | 16 | 81 | 6 | 25 |
葉酸 (μg) | 42 | 80 | 120 | 21 | 49 |
カリウム (mg) | 450 | 400 | 420 | 300 | 380 |
「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養素が豊富なケールと比較しても、かぼちゃは遜色ないことがわかりますね。特に、ビタミンEやカリウムの量は、ほかの野菜・いも類と比較してもトップクラス。普段の食事で不足しがちな食物繊維やビタミンCもしっかり摂ることができます。
スーパーでよく見かけるのは「西洋かぼちゃ」
日本で一般的に流通しているのは、「栗かぼちゃ」などの西洋かぼちゃです。丸い形や、黒みがかった皮が特徴ですね。一方、日本かぼちゃはひょうたんのような形をしています。近年人気が高まっている「バターナッツかぼちゃ」は日本かぼちゃに分類されます。
かぼちゃに含まれる栄養素の効果・効能
かぼちゃを食べると、どのような効果が期待できるのでしょうか。かぼちゃに含まれる栄養素の効果・効能について紹介します。
1.免疫力のサポート
かぼちゃに多く含まれるβ-カロテンは、免疫機能を活性化させる栄養素。β-カロテンには、ナチュラルキラー細胞を活性化させる働きや、免疫細胞を増加させる働きがあり、感染症やアレルギーの発症リスクを下げる効果が期待できます。
2.生活習慣病の予防
体内で発生する活性酸素は、体内の成分や細胞へ酸化ストレス傷害を与え、がんや動脈硬化などの生活習慣病の原因となります。
かぼちゃに多く含まれるビタミンEやビタミンC、β-カロテンには抗酸化作用があり、自身が酸化されることで体内の成分や細胞を守ってくれます。これらの抗酸化ビタミンを摂ることで、生活習慣病の予防に役立ちます。
また、かぼちゃに豊富に含まれるカリウムには、ナトリウムの排出を促す作用があります。ナトリウムは食塩の成分で、過剰摂取によって高血圧を招くことが知られています。日本人は特に食塩摂取量が多いので、高血圧予防に役立つカリウムを積極的に摂ることが推奨されています。
3.エイジングケア
ビタミンE・ビタミンC・β-カロテンのような抗酸化ビタミンは、細胞を酸化から守り、皮膚や血管の老化を防いでくれます。また、ビタミンCはコラーゲンの産生に必要な栄養素。コラーゲンの産生能が維持されると、ハリのある若々しい肌を保つことができます。
4.腸内環境の改善
かぼちゃに豊富に含まれる食物繊維は、便秘や腸内環境の改善に役立つ栄養素。腸内環境はメンタルや免疫機能とも密接に関わっているため、良好に保つことで、うつ予防、感染症予防、睡眠の質を高める作用など、さまざまな効果が期待できます。
また、食物繊維を腸内細菌が発酵すると短鎖脂肪酸が産生され、ダイエットに嬉しい効果も得られます。
5.貧血予防
かぼちゃに豊富に含まれる葉酸は、「巨赤芽球性貧血」の予防に効果的なビタミン。ビタミンB12とあわせて摂ることで、赤血球の分化を促し、貧血を予防します。
また、かぼちゃに含まれるビタミンCには、鉄の吸収を促進する作用があります。ほうれん草や小松菜のように鉄を含む野菜と一緒にかぼちゃを食べると、鉄の吸収率が上がり、鉄欠乏性貧血の予防に役立ちます。
冬至にかぼちゃを食べる理由は?
冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない、と聞いたことはありませんか?なぜ、冬至にかぼちゃを食べるようになったのでしょうか。
冬至は、1年で最も昼の時間が短い日。日の光とともに、人間の生命力も弱まると考えられ、生命力の再生と回復を祈るために栄養価のある食べ物をとる風習が根付いたようです。
しかし、昔は冬場に野菜はほとんど採れず、十分な栄養源がありませんでした。そこで、栄養価が高く、保存のきくかぼちゃを夏に収穫し、冬至まで備えておいたのです。
また、かぼちゃは「なんきん」とも呼ばれますが、「ん」のつく食べ物は「運を呼ぶ」とも考えられていました。
ちなみに、冬至にはかぼちゃと小豆を一緒に煮る「いとこ煮」が定番。小豆の赤色は、魔除けや太陽を意味するといわれています。
ハロウィンにかぼちゃを飾るのはなぜ?
かぼちゃといえば、もう1つ思い浮かぶイベントがハロウィン。「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれる顔型にくり抜いたかぼちゃも有名です。
ハロウィンは、もともとヨーロッパで生まれた風習で、のちにアメリカ大陸へと伝わりました。ヨーロッパではカブを使っていましたが、アメリカではかぼちゃの栽培がさかんで、特にハロウィンの時期に多く収穫されたことからかぼちゃを使うようになったそう。
ちなみに、「ジャック・オー・ランタン」は、アイルランドにいたジャックという男性の言い伝えがもとになっています。ジャックは、命を落とした後もこの世とあの世の境目を、カブでできたランタンを持ってさまよっているのだとか。
かぼちゃにはさまざまな効果が
かぼちゃには、抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンE・ビタミンC・β-カロテンや、腸内環境を整える食物繊維、高血圧予防に役立つカリウムなどが豊富に含まれています。
かぼちゃは栄養価が高く、保存もきく野菜。そのため、古くから冬至にかぼちゃを食べる風習があり、「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言い伝えられています。
かぼちゃに含まれるβ-カロテンには、免疫機能を向上させ、感染症などを予防する効果が期待できるので、言い伝えは本当かもしれませんね。さまざまな健康効果が期待できるかぼちゃを、美味しくいただきましょう。
Written by Yukari
最近は、スーパーでバターナッツかぼちゃなどの日本かぼちゃをよく見かけるようになりました。日本かぼちゃは、西洋かぼちゃに比べて甘みが少なくあっさりしているので、かぼちゃの甘みが苦手な方にもおすすめ。ほとんどの栄養素は西洋かぼちゃのほうが多く含みますが、日本かぼちゃは葉酸含有量が多く、低カロリーなのが特徴です。好みに合わせて選んでみてくださいね。