お米に含まれるデンプン「アミロース」の量により、低アミロース米と高アミロース米に分類されます。低アミロース米と高アミロース米には、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、それぞれのお米の特徴とともに、使い分け方をご紹介します!
低アミロース米の特徴・使い方
まずは、低アミロース米から見ていきましょう。
低アミロース米には、
・柔らかい
・粘りが強い
・もちもちした食感
・パサつきにくい
・冷めても美味しい
などの特徴があります。
低アミロース米は、その名の通りアミロース含量が低いお米です。アミロースはでんぷんの一種ですが、お米に含まれるアミロースの割合が少ないほど柔らかくもちもちした食感になります。
また、低アミロース米は粘りが強く、水分が抜けにくいのも特徴。そのため、時間がたってもご飯がパサつかず、硬くなりにくい特徴があります。
低アミロース米は、お弁当やおにぎりに使うと、その特徴を生かすことができます。
高アミロース米の特徴・使い方
一方、高アミロース米には
・硬めの食感
・パサつきやすい
・粘りが少ない
・甘味が少ない
・炒飯がパラパラに仕上がる
・食後の血糖値上昇がゆるやか
などの特徴があります。
お米は、もうひとつのでんぷんであるアミロペクチンの量が多いほど粘りが強く、柔らかい食感になります。高アミロース米は、アミロースの割合が高い分、アミロペクチンの割合が少なく、硬く粘りの少ない食感になります。
また、水分が抜けやすいので時間がたつと風味が劣化しやすい特徴もあります。
そんな高アミロース米ですが、炒飯やピラフに使うとパラパラに仕上がる点が嬉しいところ。カレーライス、クスクス、ナシゴレン、サフランライスなどにもよく合います。
また、お米はアミロース含量が多い方が食後の血糖値上昇がゆるやかになると言われています。コシヒカリを比較し、高アミロース米は食後の血糖値が有意に低下していたことが報告されています(*1)。
どんな料理に合う?低アミロース米と高アミロース米の使い分け方!
低アミロース米と高アミロース米は食感や粘りに違いがあるので、それぞれ合う料理や使い方が異なります。下の表にそれぞれのお米に合う使い方をまとめたので、使い分けるときの参考にしてください。
低アミロース米 | 高アミロース米 |
・おにぎり ・お弁当 ・お赤飯 ・炊き込みご飯 | ・ピラフ ・炒飯 ・カレーライス ・ナシゴレン ・クスクス ・パエリア ・リゾット |
低アミロース米は冷めても美味しいので、おにぎりやお弁当に使うのがおすすめです。また、もち米の代わりにお赤飯に使うことや、炊き込みご飯に使っておこわのような食感に仕上げることもできます。
高アミロース米は、炒飯やピラフ、ナシゴレンなどに使うと、パラパラに仕上がります。カレーライスのような味の濃い料理にも合いますよ。クスクス・パエリア・リゾットに使うと、本格的な味わいに仕上がります。
低アミロース米と高アミロース米を上手に使い分けよう!
低アミロース米と高アミロース米には、それぞれ違う特徴があるので、料理やシーンに合わせて使い分けましょう。もちろん、普段のご飯として食べるのもおすすめです。白米や玄米などとブレンドしても、美味しく炊き上がりますよ。
参考文献
(*1)山崎雅之ら「高アミロース米によるメタボリックシンドロームおよび2型糖尿病への改善効果」第56回日本農村医学会学術総会
Writer by Yukari
食生活アドバイザー。高アミロース米でチャーハンやピラフを作ると、パラパラに仕上がってとても美味しいです。一方、低アミロース米で炊き込みご飯を作るとおこわのような食感に。お米の選び方のコツを知っているだけで、料理の腕が1ランクアップしそうですね。