お弁当を食べているとき、「このおかず、作りたては美味しかったのに何だかいまいち…」と感じることはありませんか?おかずやご飯は、温度や時間によって味がどんどん変化してしまいます。そこで今回は、冷めても美味しいお弁当を作るコツをご紹介!食材の選び方や調理の仕方などのちょっとしたコツで、冷たいまま食べても美味しいお弁当が作れます。
冷めても美味しいお弁当を作る5つのコツ
冷めても美味しいお弁当を作るためには、
・食材の選び方
・食材同士の組み合わせや調理法
・水分の調節
などがポイントです。
具体的な5つのコツを紹介するので、お弁当作りに活用してみてくださいね。
1.メイン料理には鶏肉や豚肉を使う

牛肉に比べて、豚肉や鶏肉は冷たいまま食べてもやわらかく、口当たりが良いという特徴があります。
その理由は、脂肪の融点が違うから。牛肉に比べて豚肉や鶏肉は融点が低く、口の中で溶けるため、口当たりが良く美味しく感じられます。
肉の種類 | 牛肉 | 豚肉 | 鶏肉 |
脂肪の融点 | 40~50℃ | 33~46℃ | 30~32℃ |
ハムのように冷たいまま食べる食品に、豚肉や鶏肉が使われるのもこれが理由です。
特に、肉質がやわらかく、適度な脂肪を含む鶏もも肉はお弁当のメイン料理にピッタリ。から揚げや照り焼きなど、さまざまな料理に使えるのも嬉しいですね。
【材料】作りやすい分量
・鶏もも肉1枚(約300g)
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・お好みで 辛子 適量
※お弁当用なので味付けは濃いめです
【作り方】
①鶏もも肉は1口大に切る。
②調味料はすべて混ぜ、鶏もも肉を漬けて一晩おく。
③フライパンで油(分量外)を熱し、鶏もも肉を入れて両面を焼く。
④残りの調味料を加え、とろみがつくまで煮詰める。
一晩漬けることで美味しく仕上がります。朝は焼くだけなので簡単です。辛子はお好みですが、加えると風味が増して美味しくなります。辛味は飛ぶので、お子様でも大丈夫。
漬け置きができない場合は、鶏もも肉を焼く前に塩をふるとジューシーに仕上がります。
2.魚料理にはレモンやお酢を

魚の脂肪は酸化しやすく、時間がたつと臭みが出てしまいます。それを防ぐためには、抗酸化作用のあるレモンや、匂いを抑える効果のあるお酢などを味付けに使うのが効果的。
特に、お酢を使った調味料で和えるマリネは冷めても美味しく食べられるのでおすすめです。
お酢には殺菌効果や防腐効果もあるので、お弁当にぴったりですね。
\魚の匂いを抑える詳しい方法はこちらの記事で紹介しています/
3.ご飯は低アミロース米がおすすめ

お弁当のご飯が硬くてパサパサ…。そう感じている方には、低アミロース米がおすすめです。
低アミロース米は、冷めても硬くなりにくく、美味しく食べられるお米です。有名な銘柄だと、「ゆめぴりか」や「ミルキークイーン」などがあります。
また、お米を炊くときに少し油を加えると、ご飯が硬くなるのを防いでくれます。
\冷めても美味しいお米はこちらの記事で紹介しています/
4.曲げわっぱ弁当箱を使う

ヒノキやスギの木から作られる曲げわっぱ弁当箱には、湿度を調節する作用があります。食材の余分な水分を吸収したり、反対に水分を放出したりすることで、おかずやご飯を美味しく保ってくれますよ。
また、曲げわっぱ弁当箱には細菌の繁殖を抑える効果もあるため、おかずが傷みにくくなるのもメリットです。
5.おかずは水分をしっかり飛ばす

水分量が多いおかずは味がぼやけるだけでなく、雑菌が繁殖しやすくなります。煮物や炒め物は、強火でしっかり水分を飛ばしましょう。しっかり加熱して水分を飛ばすと、おかずの中心まで味が染み込んで美味しく仕上がります。
酢の物やサラダも時間がたつと野菜の水分が染み出て、ほかのおかずやご飯の味に影響を与えてしまいます。強めに水切りしたり、おかずカップを使ったりして対策しましょう。
冷めても美味しいお弁当を作ろう!

今回は、冷めても美味しいお弁当を作るためのコツを紹介させていただきました。食材の選び方や組み合わせなど、ちょっとしたコツで、冷たいまま食べても美味しいお弁当に仕上げることができます。簡単にできることが多いので、ぜひ、お弁当作りに取り入れてみてくださいね。
Written by Yukari
お弁当は冷たいまま食べるので、使う食材やおかずの種類に工夫が必要ですよね。傷みにくくて、そこそこ見栄えもして、栄養にもなって、かつ美味しいもの・・・。考えることが沢山あって大変ですが、楽しく取り組んでいきたいですね。
参考文献
・大越ひろ, 品川弘子, 飯田文子編著『新 健康と調理のサイエンス』, 学文社, 2020
・山崎清子, 島田キミエら『新版 調理と理論』, 同文書院, 2003