L-テアニンの効果は?デメリット・副作用はある?

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睡眠の質を改善する効果やリラックス効果があることで注目されている「L-テアニン」ですが、副作用やデメリットはないのでしょうか。今回は、科学的根拠にもとづき、L-テアニンの効果や副作用の有無について解説します。L-テアニンを多く含む食品やおすすめのサプリメントなども併せて紹介するので参考にしてみてくださいね。

L-テアニンとはどんな成分?

L-テアニンとは、お茶の葉に特異的に含まれるアミノ酸です。緑茶や紅茶に多く含まれ、これらの甘味やうま味に関与しています。

L-テアニンは、睡眠の質を改善する効果があることで注目され、現在、さまざまなサプリメントや機能性表示食品に含まれています。

L-テアニンの効果

L-テアニンの作用・効果については世界中で研究されており、さまざまな研究結果が報告されています。その中から、現在分かっているL-テアニンの主な効果について紹介します。

・心身をリラックスさせる
・睡眠の質を高める
・うつや不安感を和らげる
・PMSを和らげる
・脳の認知機能を改善する

それぞれの効果について、詳しく見ていきましょう。

1. リラックス効果

L-テアニンを摂取すると、脳ではα波が増加し、心身ともにリラックスした状態になります。

水を飲んだ場合と、L-テアニン含有飲料を飲んだ場合を比較した試験では、L-テアニンの摂取によりα波が増加することが分かりました(*1)

L-テアニン摂取群と、水の摂取群の脳波を比較した図。L-テアニン摂取群のほうが脳が全体的に赤くなっており、α波が増加している。
*1 一部改変

α波は、リラックスした状態のときに発生する脳波です。お茶を飲んでほっと一息つけるのは、L-テアニンのリラックス効果が関係しているとも言われています。

2. 睡眠の質を高める効果

L-テアニンは、睡眠に関わる脳神経系に作用することも知られています。

L-テアニンは脳神経系において、覚醒・興奮系を抑え、抑制系を促進することで、睡眠を安定化させます。そのため、就寝前にL-テアニンを摂取すると、中途覚醒が減少し、睡眠時間が延長され、睡眠の質の改善に役立ちます。

睡眠障害の程度を評価するスケールとして、「PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)」というものがあります。PSQIを用いて睡眠の質を調査した結果、L-テアニンを4週間摂取した人たちの睡眠の質が改善されたことが分かりました(*2)

L-テアニンを摂取した群とプラセボ群の睡眠障害レベルを比較した表。L-テアニン摂取群の方が、睡眠障害のレベルが有意に低下している。
*2 一部改変

ちなみに、L-テアニンは摂取30〜60分後に血中濃度が最大になり、6〜7時間後には半減するといわれています。L-テアニン配合の睡眠サプリなどを飲むなら、就寝の30分ほど前に飲むのがおすすめです。

L-テアニンは日中の眠気や作業効率低下には関わらないのも嬉しいポイント(*3)

3. うつ・不安感を和らげる効果

L-テアニンを4週間摂取すると、うつ・不安感が軽減されたという研究結果もあります(*2)

*2 一部改変

SDS(Self-rating Depression Scale)」とは、自己評価式抑うつ性尺度と呼ばれ、20の質問に答えることでうつの程度を客観的に数値化する方法です。この数値は、高いほどうつ病が疑われ、低いほどリスクが少ないとされています。

STAI(State-Trait Anxiety Inventory-trait)」は、状態・特性不安尺度であり、不安の程度を数値化するものです。こちらも、数値が低いほど不安の程度は低くなります。

上記の研究では、L-テアニンの摂取によりSDSとSTAIの両方とも低下し、L-テアニンに抗うつ様効果があることが分かりました。

4.PMSを和らげる効果

L-テアニンは、PMS(月経前症候群)の緩和にも効果的です。

PMSは人それぞれ症状や程度が異なりますが、20代~40代の女性25名を対象とした研究では、頭痛・疲れやすい・怒りやすい・便秘・無気力などの症状がL-テアニンの摂取によって緩和され、「物事が面倒くさくなる」「いつも通り仕事ができない」などの悩みは解消されたと報告されています(*4)

*4 一部改変

この結果は、L-テアニンのリラックス効果が関係しているのではないかと考えられています。

5.脳の認知機能を改善する効果

認知機能が低下した日本人男女52名を対象におこなった試験では、L-テアニンの摂取により、注意力とワーキングメモリ(作業記憶)が改善したことが報告されています(*5)

また、別の試験では、L-テアニンの摂取により言語流暢性と遂行機能(計画的に行動する能力)が改善されました(*2)

上記2つの研究ではL-テアニンの摂取量は1日あたり100~200mgですが、「約50mgの摂取でも認知機能の改善がみられた」という研究結果も複数あります。

L-テアニンを多く含む食品は?

L-テアニンは、タンパク質の構成に関わらない「非タンパク質構成アミノ酸」で、緑茶や紅茶などに特有の成分です。お茶の種類によってL-テアニンの含有量が異なるので、こちらの表を参考にしてみてくださいね。

お茶の種類コップ1杯(200ml)中の
L-テアニン含有量
緑茶7.9mg
紅茶24.2mg
白茶11.5mg
*6

上記はあくまでも平均的な含有量で、メーカーや商品、抽出時間などによってもL-テアニンの量は変わります。

緑茶の場合、新茶ほどL-テアニンの量が多く、玉露のような高級茶には最も多く含まれると言われています。茶葉中のL-テアニンは日光を受けるとカテキンへ変化しますが、玉露は茶葉を覆って日光を遮るため、カテキンへの変化が抑えられ、L-テアニンが多く残るのです。

種類L-テアニンの濃度(抽出液)
玉露0.1%
煎茶(上)0.02%
煎茶(並)0.006%
番茶0.003%
ほうじ茶0.0%
*7

L-テアニンはお茶の甘味やうま味に関わるため、L-テアニンの多い玉露の味が好まれるのも納得ですね。

ちなみに、L-テアニンは熱で分解されないため、水とお湯のどちらで抽出しても影響はありません。

睡眠の質を改善するなら200mgのL-テアニン摂取がおすすめ

睡眠の質を改善するためにL-テアニンを摂取する場合は、200mgの摂取が推奨されています。この量は、緑茶に換算すると25杯以上*にあたります。*1杯=200mLとして

寝る前にこんなに沢山のお茶を飲むのは現実的ではないですよね。仮に飲めたとしても、カフェインの効果で目が覚めてしまうかもしれません。

就寝前に手軽に飲むなら、L-テアニン配合の睡眠サポートサプリもおすすめです。

デメリットや副作用はない?L-テアニンの安全性

L-テアニンはもともと自然界に存在する成分であり、副作用などの危険性は低いとされています。

L-テアニンを用いたある臨床試験では、参加者の生化学データも公開されています。L-テアニン200mgを4週間にわたって毎日摂取した結果、BMI数値、血液検査の数値などにおいて大きく変化したものはありませんでした。

緑茶や紅茶は長きにわたって世界中で飲まれていることからも、L-テアニンの安全性が主張されています。

ただし、サプリメントなどからL-テアニンを摂取する場合は、過剰摂取を避け、推奨されている飲み方・摂取量を守りましょう

ちなみに、L-テアニンは寝付きを良くし、睡眠の質を改善する効果がありますが、日中の眠気や作業効率の低下などのデメリットはなく、むしろ集中力が高まる効果が期待できます。

おすすめのL-テアニン配合サプリ

さまざまな効果のあるL-テアニンは、サプリで効率よく摂取するのもおすすめ。特に睡眠の質を高めたい方は、就寝前に200mgのL-テアニン配合サプリを飲むと効果が期待できます。ここでは、おすすめのL-テアニン配合サプリを3つ紹介しますね。

1.ファイングリシン「スーパーグリシン4000 Happy Morning NEO」

ファイングリシンはさまざまなタイプが販売されていますが、こちらはL-テアニン200mgに加えて、GABA、グリシン、トリプトファン、イノシトールなども配合されています。

睡眠の質を高める成分がたっぷり含まれるので、深く眠って疲れをとりたい方へおすすめ。

2.Asahi「ネナイト」

こちらも、L-テアニンが200mg配合されたサプリです。価格が安く、続けやすいのが嬉しいポイント。L-テアニンだけ配合されたシンプルなサプリを探している方におすすめです。

3.ナウフーズ「L-theanine 200mg」

アメリカの大手健康食品会社・ナウフーズのサプリです。こちらも、シンプルにL-テアニンだけ摂りたい方におすすめ。眠気を誘発する成分が含まれないので、日中に摂取しても問題ありません。

L-テアニンの効果はさまざま

L-テアニンは、睡眠の質を高める効果があることで注目されていますが、睡眠のほかにもリラックス効果、うつ・不安感・PMSの緩和、認知機能の改善など、さまざまな働きを持っています。

現在は、L-テアニンを配合したサプリや飲料が多く販売されているので、これらの食品を取り入れてみてはいかがでしょうか。もちろん、お茶を飲む機会を増やすのもおすすめ。L-テアニンを多く含む高級茶・玉露を楽しむのも良いですね。

Written by yukari

記事の中では紹介しきれなかったのですが、L-テアニンを用いた動物実験では、記憶障害や脳の神経細胞死の抑制などの作用も発見されています。まだ研究途上ではありますが、うつ病や統合失調症の患者さんに対しても、症状を緩和する効果があるのでは、と期待されています。L-テアニンは従来の薬のような副作用がないため、治療薬として発展すると良いですね。

参考文献
*1 Anna C Nobre et al「L-theanine, a natural constituent in tea, and its effect on mental state
*2 Shinsuke Hidese et al「Effects of L-Theanine Administration on Stress-Related Symptoms and Cognitive Functions in Healthy Adults: A Randomized Controlled Trial
*3 小関誠ら「L-テアニンによる日中眠気に対する評価の研究
*4 上田智子ら「PMSと健康食品ーL-テアニンの月経前症候群改善効果に関する研究ー
*5 Yoshitake Baba et al「Effects of l-Theanine on Cognitive Function in Middle-Aged and Older Subjects: A Randomized Placebo-Controlled Study
*6 Emma K. Keenan et al「How much theanine in a cup of tea? Effects of tea type and method of preparation
*7 茶のいれ方研究会「茶のいれ方の検討

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