ヨーグルト以外には何がある?乳酸菌を含む食品7選!

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乳酸菌を含む食品といえば、ヨーグルトが代表的ですよね。しかし、体質的に、または味の好みの問題でヨーグルトが食べられない方も多いと思います。そこで今回は、ヨーグルト以外に乳酸菌を含む食品をご紹介。じつは、身近にあるさまざまな食品にも乳酸菌は含まれているのです。

乳酸菌を含む食品7選

乳酸菌は、主に発酵食品に多く含まれるのが特徴です。乳酸菌を多く含むヨーグルトも発酵食品のひとつ。そして、ヨーグルト以外にも乳酸菌はさまざまな食品に含まれています。

1.漬物(ぬか漬け)

漬物は、野菜に塩をまぶし、雑菌の繁殖を抑えて保存性を高めたもの。浅漬けやお新香、梅干しなど多くの種類があり、作り方も変わります。

その中で、ぬか漬けは乳酸菌によって発酵したもの

もともと野菜に付着していた乳酸菌が、ぬか床の中で増殖し、ぬかの成分を分解します。ぬか床の中心部には酸素が供給されないため、多くの微生物は死滅しますが、酸素がなくても生育できる乳酸菌にとっては増殖しやすい環境なのです。

2.らっきょう

らっきょうは、乳酸菌と酵母を利用した発酵食品です。らっきょうには、フルクタンという水溶性食物繊維が含まれ、これを分解できる乳酸菌の数が多いと、美味しいらっきょうになるといわれています(*1)

ちなみに、らっきょうは野菜の中でトップクラスに食物繊維含量が多いのも特徴。乳酸菌と食物繊維を一緒に摂れるので、腸内環境の改善に効果的です。

3.キムチ

韓国の伝統的な漬物であるキムチも、乳酸菌の力を利用した発酵食品です。

韓国では乳酸菌がたっぷり増殖した酸味の強いキムチが好まれますが、日本では酸味の少ないものが主流です。そのため、乳酸菌を多く摂りたい場合は、韓国で製造された本格的なキムチを選ぶのがおすすめ。

4.チーズ

「ヨーグルトは苦手だけど、ほかの乳製品は大丈夫!」という方に適しているのがチーズ。世界最古の発酵食品のひとつで、世界中に1000種類以上もあるといわれています。

日本では、大きくナチュラルチーズプロセスチーズの2種類に分類されています。ナチュラルチーズには生きた乳酸菌が含まれますが、プロセスチーズは加熱するため生きた乳酸菌は存在しません。

プロセスチーズは、6Pチーズやスライスチーズなど、食べやすく成形されたものです。カマンベールチーズやモッツアレラチーズのように、海外の伝統的なチーズ(ナチュラルチーズ)の方が乳酸菌の恩恵を受けられるでしょう。

5.ザワークラウト

ザワークラウトは、細切りにしたキャベツの漬物のこと。ヨーロッパでは、ソーセージやステーキの付け合わせとして定番です。

乳酸菌による発酵で酸味が生じ、爽やかな味わいが楽しめる料理です。漬物と同じように、キャベツに塩をまぶして容器に入れ、押し蓋と重石を乗せて2~3週間発酵させて作ります。

市販品は保存性を高めるために殺菌が施されている場合が多いので、手作りに挑戦するのがおすすめです。

6.発酵ピクルス

ピクルスとは、海外でよく食べられる漬物のこと。アメリカでは、ハンバーガーやホットドッグによく使われています。

ピクルスにも色々な種類があり、酢漬けピクルスや塩漬けピクルスなどは作りやすくて人気です。約8%の食塩水に漬けて3~6週間おいたものを発酵ピクルスといい、乳酸菌による発酵を受けています。

ピクルスを選ぶときは、製造法にも注目してみてくださいね。

7.いずし(飯寿司)

いずし(飯寿司)とは、お米・魚・野菜に麹を加えて漬け込み、低温で発酵させたお寿司です。北海道や東北地方の伝統食品として、古くから親しまれています。

ちなみに、いずしは「なれずし」の一種で、「ふなずし」や「かぶらずし」も仲間。これらはすべて乳酸菌による発酵を受け、お米の甘さと乳酸の酸っぱさの絶妙なバランスが楽しめます。

食中毒には注意!
いずしを自宅で調理し、ボツリヌス食中毒を起こした例が複数あります。原因は、魚の内臓洗浄が不十分だったこと、貯蔵温度が高かったことなどが考えられます。自宅でいずしを作る場合は調理法をしっかり確認してから行いましょう。

乳酸菌は食品の保存性を高める

乳酸菌は、食品中の成分を分解して、乳酸や酢酸などの有機酸を産生します。これによって食品のpHが下がると、酸性環境に弱い多くの微生物が死滅します。また、過酸化水素やエタノール、バクテリオシンなどの抗菌物質も産生するため、食中毒菌・病原菌に対して高い抗菌力を示します。

漬物やいずしは、野菜や魚を長く保存するために、乳酸菌の作用を利用した例ですね。冷蔵・冷凍技術がなかった時代は、食品を安全に保存するために、世界中でさまざまな発酵技術が生まれたのです。

チョコレートやワインにも乳酸菌は含まれる?

意外なことに、チョコレートも発酵食品のひとつ。カカオが乳酸菌などの微生物による発酵を受けることで、チョコレートの香りが生まれます。

また、ワインやウイスキーを作る際にも、乳酸菌が活用されます。ワインを乳酸菌によって発酵させる方法をマロラクティック発酵といい、酸味を和らげてまろやかな口当たりにする効果があります。

チョコレートは製造の際の加熱によって、ワインやウイスキーはアルコール濃度の上昇によって乳酸菌は殺菌されてしまいますが、これらの食品の製造に乳酸菌は大きく貢献しているのです。

乳酸菌はさまざまな食品に含まれる

乳酸菌といえばヨーグルト、というイメージが強いですが、ぬか漬けやキムチなどの身近な食品にも多く含まれています。乳酸菌は、もともと自然界に広く存在する微生物。野菜などに付着している乳酸菌が増殖し、食品成分を分解すると、発酵食品ができます。

健康効果や抗菌力をもつ乳酸菌ですが、増殖しすぎると食品の酸味が強くなりすぎたり、腐敗したりすることもあります。

発酵食品を自宅で作る場合は、作り方をよく確認し、衛生管理に注意しましょう。特に、いずしを作る場合は魚の下処理が甘いと食中毒を招くこともあるので、十分注意してくださいね。

written by yukari

発酵と腐敗はどちらも「食品成分を微生物が分解する反応」の結果。それが人間にとって好ましければ「発酵」、好ましくなければ「腐敗」となります。乳酸菌も、健康や貯蔵に有用な働きがありますが、増えすぎれば食品の味が落ちることも。食品の科学は本当に奥深いですね。

参考文献
*1 「花らっきょうと乳酸菌」小林恭一,日本乳酸菌学会誌,2002
*「発酵漬物における乳酸菌の働き」宮尾茂雄,日本醸造協会誌,2017

*『”進化している発酵食品”学佐々木泰子
*『日本の伝統 発酵の科学』中島春紫
*『食と微生物の事典』北本勝ひこ

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