水溶性食物繊維は、生活習慣病の予防やダイエットに役立つ成分。日頃から積極的に摂取したいですね。この記事では、水溶性食物繊維を多く含む食品を一覧で紹介します。水溶性食物繊維の多い食品ランキングも紹介するので参考にしてみてくださいね。
水溶性食物繊維を多く含む食品一覧表
水溶性食物繊維は、野菜・果物・豆類・きのこ類などに多く含まれています。それぞれのカテゴリー別に、多く含む食品を一覧表で紹介します。
水溶性食物繊維を多く含む野菜一覧表
らっきょう | 18.6g | ごぼう | 2.3g |
干しわらび | 10.0g | あした葉 | 1.5g |
エシャレット | 9.1g | 金時人参 (皮付き) | 1.5g |
菊のり | 8.2g | 枝豆 (冷凍) | 1.4g |
かんぴょう | 乾燥:6.8g ゆで:1.9g | オクラ | 1.4g |
ドライトマト | 6.4g | 芽キャベツ | 1.4g |
アーティチョーク | 6.1g | モロヘイヤ | 1.3g |
干しぜんまい | 6.1g | たらのめ | 1.1g |
切干し大根 (乾) | 5.2g | ふきのとう | 1.1g |
にんにく | 4.1g | ブロッコリー | 0.9g |
らっきょうには、「フルクタン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれています。しかし、上記は「生」のらっきょうに含まれる量。市販の甘酢漬けらっきょうの場合、1.3g/100gまで減ってしまいます。らっきょうは生のまま刻んで食べたり、焼いて食べたりすると、水溶性食物繊維を十分に摂ることができますよ。
ほかにも、干しわらびやエシャレットなどにも多くの水溶性食物繊維が含まれています。
身近な食品としては、切干し大根やごぼう、枝豆などが手軽に入手でき、量も多く食べられるので、水溶性食物繊維をしっかり摂ることができます。
水溶性食物繊維を多く含む果物一覧表
ゆず果皮 | 3.3g | かりん | 0.9g |
すだち果皮 | 2.8g | うめ | 0.9g |
きんかん (全果) | 2.3g | いちじく | 0.7g |
レモン (全果) | 2.0g | ラズベリー | 0.7g |
ホワイトサポテ | 1.8g | ネクタリン | 0.7g |
アボカド | 1.7g | ラフランス | 0.7g |
日向夏 | 1.0g | キウイフルーツ | 0.6g |
プルーン | 0.9g | あんず | 0.6g |
水溶性食物繊維は果皮に多く含まれるため、皮ごと食べられる果物がおすすめです。料理の風味づけにゆず果皮を使ったり、レモンやきんかんを丸ごと食べたりすると、水溶性食物繊維を多く摂ることができますよ。
ちなみに、ホワイトサポテとはメキシコ原産のフルーツ。国内では、沖縄を中心に栽培されています。
アボカドは水溶性食物繊維のほか、カリウムやビタミンEなども豊富に含まれているため、生活習慣病の予防やエイジングケアに効果的です。
水溶性食物繊維を多く含む豆類・きのこ類一覧表
しろきくらげ | 乾燥:19.3g ゆで:1.2g 生:0.8g | きな粉 | 2.7g |
あらげきくらげ | 乾燥:6.3g ゆで:1.3g 生:0.8g | いり大豆 | 2.4g |
しいたけ | 乾燥:2.7g ゆで:0.5g 生:0.4g | 納豆 | 2.3g |
なめこ | 1.0g | おから | 乾燥:1.5g 生:0.4g |
えのきたけ | 0.4g | いんげんまめ (ゆで) | 1.5g |
ぶなしめじ | 0.3g | おたふく豆 (そらまめ) | 1.4g |
まいたけ | 0.3g | 大豆 (ゆで) | 0.9g |
エリンギ | 0.2g | あずき (ゆで) | 0.8g |
きのこ類・豆類は食物繊維が豊富ですが、水溶性より不溶性を多く含みます。
乾物のきのこ類・豆類を戻す際は、水溶性食物繊維やうま味成分が水やお湯に流出しやすいので、戻し汁は捨てずに料理に使うのがおすすめです。
水溶性食物繊維を多く含む穀類・いも類一覧表
米粒麦(乾燥) | 6.0g | こんにゃく粉 | 73.3g |
押麦(乾燥) | 4.3g | マッシュポテトの素 (乾燥) | 2.5g |
オートミール | 3.2g | 干し芋(さつまいも) | 2.4g |
ライ麦粉(全粒粉) | 3.2g | 焼き芋(さつまいも) | 1.1g |
ライ麦パン | 2.0g | 凍みこんにゃく | 0.9g |
中華めん(乾燥) | 2.0g | さつまいも(生) | 0.9g |
そば(乾燥) | 1.6g | 里芋(生) | 0.8g |
玄米(乾燥) | 0.7g | じねんじょ(生) | 0.6g |
穀物は食べる量も多いため、水溶性食物繊維の摂取源にぴったりです。中でも、押麦(もち麦)やオートミール、ライ麦は水溶性食物繊維が豊富に含まれています。そばや玄米も水溶性食物繊維が多いので、和食派の方におすすめ。
こんにゃく粉は水溶性食物繊維が非常に多く含まれますが、こんにゃく1枚あたりに使われる量は少ないので、こんにゃくでは水溶性食物繊維の量は0.1g/100g程度になります。
干し芋や焼き芋は、おやつとして食べると水溶性食物繊維をたっぷり摂ることができますよ。
水溶性食物繊維の多い食品ランキングBEST10
ここでは、100gあたりに含まれる水溶性食物繊維の量が多い食品をランキング形式で紹介します。BEST10にはどのような食品がランクインするのかみていきましょう。
食品名 | 水溶性食物繊維含有量 (100gあたり) | |
---|---|---|
1位 | こんにゃく粉 | 73.3g |
2位 | しろきくらげ (乾燥) | 19.3g |
3位 | らっきょう | 18.6g |
4位 | ケール青汁 | 12.8g |
5位 | 干しわらび | 10.0g |
6位 | あまに (煎り) | 9.1g |
7位 | エシャレット | 9.1g |
8位 | 菊のり | 8.2g |
9位 | かんぴょう (乾燥) | 6.8g |
10位 | 抹茶粉末 | 6.6g |
圧倒的な水溶性食物繊維の量を誇るのが「こんにゃく粉」。こんにゃく粉は、パンやお菓子作りにも使うことができます。こんにゃく粉を使うと、もちもちの食感が楽しめ、腹持ちも良くなりますよ。
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維には、
・血中コレステロール値を下げる
・腸内環境を整える
・食後の血糖値上昇を抑える
などの働きがあります。
水溶性食物繊維は、コレステロールから合成される「胆汁酸」を体外へ排出する作用をもっています。通常、胆汁酸は腸で再吸収されて肝臓へ戻りますが、これを排出することによって、新たな胆汁酸を作るためにコレステロールが消費されます。その結果、体内のコレステロールの量が減り、血中コレステロール値が下がるのです。
また、水溶性食物繊維は腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸を生成します。短鎖脂肪酸が生成されると、腸内が酸性になり、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が働きやすい環境になります。
水溶性食物繊維は粘度が高いため、摂取した食べ物を包み込み、消化管を進むスピードを遅くして消化吸収を緩やかにする作用も。食後の血糖値の急上昇を抑えることができるため、糖尿病の予防やダイエットに役立ちます。特に、糖質の多い食事と一緒に水溶性食物繊維を摂るのがおすすめです。
水溶性食物繊維を簡単に摂れる食品
野菜や果物を毎日しっかり食べるのは厳しい…。そんな方には、水溶性食物繊維を手軽に摂れる食品を利用するのもおすすめです。水溶性食物繊維がパウダー状に加工されているので、飲み物や料理に加えるだけで簡単に補給できますよ。
1.イヌリン
イヌリンは、菊芋やごぼうなどに含まれる水溶性食物繊維です。善玉菌のエサになり、腸内環境を良好に保つサポートをしてくれます。食事と一緒に摂ることで、食後の血糖値上昇を抑える効果も期待できます。
2.難消化性デキストリン
難消化性デキストリンも、水溶性食物繊維の一種です。「食後の血糖値を抑える」と表示されたコーラやお茶などの多くは、難消化性デキストリンを含んでいます。天然に存在する成分で、とうもろこしなどから抽出されています。
まとめ
水溶性食物繊維は、血中コレステロールや血糖値を下げる働きを持つため、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病の予防に役立ちます。肥満を防ぎ、適正体重を保つためにも積極的に摂取したいですね。
水溶性食物繊維は、こんにゃく粉やらっきょう、乾燥きくらげなどに特に多く含まれます。また、穀類や芋類にも豊富に含まれるため、主食・炭水化物を必要量しっかり摂ることも大切です。
参考文献
*1 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
*2 日本人の食事摂取基準(2020年版)