健康的な食生活とは?食事改善のためにしたい10のこと

*この記事はPRを含みます

健康維持やダイエットのためには、食事や生活習慣の改善が効果的です。しかし、「何から始めて良いのか分からない」「そもそも、健康的な食生活ってどんなもの?」という疑問を抱えている方も多いのでは。この記事では、健康的な食生活とはどんなものか、食事改善のポイントとともに紹介します。

スポンサーリンク

健康的な食生活ってどんなもの?

「健康的な食生活」といっても、いまいちピンとこないですよね。どのような食事が「健康的」で「理想的」とされているのでしょうか。

じつは、日々の生活でどのようなものを食べ、どのようなことに注意すれば良いのかなど、食生活改善のための具体的な行動を示された「食生活指針」というものがあります。

食生活指針には、国民の健康増進、QOL向上、食料の安定供給のために、改善・意識したい10項目がまとめられています。今回は、「健康」に関する項目をメインに、食事改善のポイントをみていきましょう

スポンサーリンク

食生活を改善する10のポイント

それでは、「食生活指針」や国内外の研究結果をもとに、健康的な食生活を送るためのポイントを紹介します。食事改善の参考にしてみてくださいね。

1.朝食を毎日とる

ダイエットのために朝食を抜く人もいますが、朝食を抜くとかえって太りやすくなるといわれています。その理由は、朝食を抜くと夕食・夜食の量が増えたり、朝の体温上昇が起こりにくかったりするため。同じ食事量でも、朝より夜のほうが太りやすくなることは有名ですよね。

また、朝食抜きは高血糖や脂質異常も誘発します。さらに、朝食を抜くと高血圧を招き、脳出血のリスクを高めるという研究結果も報告されました(*1)

つまり、朝食の欠食が習慣的に続くと、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・脳出血などの生活習慣病のリスクが高まるのです。

朝食をとることで体内時計がリセットされ、体温も上昇しやすくなり、活力のある1日を送ることができますよ。

2.主食・主菜・副菜を組み合わせる

ご飯やパンなどの穀類(主食)、肉・魚・大豆・卵などを使ったおかず(主菜)、野菜・きのこ・豆・海藻などを使ったおかず(副菜)を揃えることで、栄養素のバランスが良くなります。

主食・主菜・副菜が揃った食事を1日2回以上とる人は、それ以下の人に比べて栄養素の摂取量が適正に近付くといわれています(*2)

菓子パンだけ、ラーメンだけ、お肉だけ、などの偏った食事は避けましょう。もちろん、ダイエットのためにサラダだけ、果物だけ、というのもNGです。

3.多様な食品をとる

食品は、それぞれ含まれる栄養素が違います。1つの食品だけで、すべての栄養素を十分に摂ることは不可能です。多くの食品を組み合わせてとることで、よりバランスよく栄養素を摂取できます。

また、外食・お惣菜・インスタント食品などは味付けが濃く、脂質や塩分を多く含むため、これらの食品に偏らず、なるべく手作り料理も組み合わせましょう。

調理法も偏らないように工夫することがポイント。揚げ物や炒め物は脂質が多く、煮物や汁物は塩分が高くなります。脂質の少ないゆで物や蒸し物、サラダなども取り入れるのがおすすめ。

4.ご飯などの穀類を毎食とる

近年は糖質制限ダイエットをする人が多くいますが、糖質を制限すると、脂質やたんぱく質の摂取量が増加します。

脂質の摂りすぎは、肥満や動脈硬化などのリスクに。また、あまり知られていませんが、たんぱく質の過剰摂取も生活習慣病のリスクを高める可能性があると懸念されています(*3)

特に、動物性たんぱく質の摂取量が増えると糖尿病のリスクを高めるといわれており、「糖尿病診療ガイドライン」では、たんぱく質摂取量を1日の摂取エネルギーの20%以下にすることを推奨しています。

炭水化物・脂質・たんぱく質の理想的なエネルギー摂取量は、下の表を参考にしてくださいね。

1~49歳50~64歳65歳以上
炭水化物50~60%50~60%50~60%
脂質20~30%20~30%20~30%
たんぱく質13~20%*14~20%15~20%
1600kcal /日
摂取する場合の目安
炭水化物:約200~240g
脂質:約35~53g
たんぱく質:約65**~80g
2000kcal /日
摂取する場合の目安
炭水化物:約250~300g
脂質:約44~66g
たんぱく質:約65~100g
*妊娠後期・授乳中は15~20%エネルギーが目安です
**たんぱく質の下限は推奨量を考慮して設定

また、炭水化物の質と量も大切。ご飯やパンに含まれるデンプンに比べて、砂糖は血糖値を急上昇させやすい性質があります。血糖値の上がりやすさは食べる量にも影響されるので、一度に多く食べず、毎食適量ずつ食べましょう。

5.野菜は1日350g以上とる

野菜には、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。これらの栄養素は、生活習慣病の発症予防やダイエットに欠かせない働きをもっています。

食物繊維は、腸内環境を整えるとともに、食後の血糖値の上昇を抑える作用、コレステロールの排出を促す作用などをもち、ダイエットや糖尿病・脂質異常症などの予防に効果的です。

ミネラルの一種であるカリウムは、高血圧の予防に効果的な栄養素。1日あたり、成人男性は3,000g以上、女性は2,600g以上を摂取することが目標です。

ビタミンのうち、βカロテン・ビタミンE・ビタミンC抗酸化ビタミンと呼ばれています。抗酸化ビタミンは、体内で発生した有害な活性酸素やフリーラジカルによる攻撃(酸化変性)から、細胞やDNAなどを守ってくれます。体内成分の酸化は、さまざまな疾病を引き起こします。特に、がんや動脈硬化の予防のために、抗酸化ビタミンはしっかり摂りましょう。

これらの栄養素を十分にとるために、野菜は1日350g以上とることが目標とされています。このうち、120g以上を緑黄色野菜からとるのが理想的。ピーマンやパプリカ、にんじん、かぼちゃなどは抗酸化ビタミンを豊富に含むため、日頃から積極的にとりましょう。

6.果物は1日200g程度とる

「果物は太りやすい」と思っている方も多いようですが、果物には果糖だけではなく食物繊維有機酸が含まれるため、血糖値に影響を与えにくく、比較的太りにくい食品です。また、カリウム抗酸化ビタミンを豊富に含むため、生活習慣病の予防にも効果的です。

ただし、ほかの食品と同じく摂りすぎは良くないので、1日200gを目安に食べましょう。

日本人は果物の摂取量の少なさが指摘されており、最近の調査では20~40代の半数以上1日の果物摂取量が0gでした(*4)

適量の果物の摂取は、肥満・高血圧・糖尿病・冠動脈疾患・脳卒中のリスクを低下させます。今まで果物を食べる習慣がなかった方は、1日1切れの果物を食べることから始めてみてはいかがでしょうか。

7.カルシウムを十分にとる

骨の主要成分であるカルシウムは、骨粗鬆症の予防のためにしっかり摂りたい栄養素。しかし、日本人は給食で牛乳を飲む生徒を除き、すべての年代でカルシウムの摂取量が不足しています。

カルシウムは牛乳・乳製品のほか、大豆小魚、小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜にも豊富に含まれています。これらの食品を意識的にとるようにしましょう。

カルシウムとともに、ビタミンDやビタミンKも十分に摂ることもポイント。ビタミンDはカルシウムの吸収率を高め、ビタミンKは骨の代謝を正常に保つ働きをもちます。

特に女性は閉経後のホルモン変動により骨粗鬆症になりやすいため、若いうちからしっかりカルシウム・ビタミンD・ビタミンKを摂取して予防しましょう。

8.塩分のとりすぎに注意する

食塩のとりすぎは高血圧の原因となり、さらに高血圧は心筋梗塞脳卒中などを引き起こします。

高血圧を予防するための1日の食塩摂取量は、日本高血圧学会では6g未満、WHOでは5g未満を強く推奨しています。

しかし、日本人の平均的な食塩摂取量は約10g(*4)。いきなり半分まで減らすのは難しいので、まずは当面の目標とされる男性7.5g未満、女性6.5g未満を目指しましょう。

近年では減塩タイプの調味料が多く販売されているので、これらの商品をうまく活用してみましょう。

こちらは、食塩に含まれるナトリウムの半量をカリウムに置き換えたお塩。高血圧を招くのはナトリウムなので、健康維持に役立ちますよ。

9.脂質は量と質に気を付ける

脂質は、炭水化物やたんぱく質に比べて1gあたりのカロリーが高く、摂りすぎると肥満を招きやすくなります。また、摂取量とともに気を付けたいのが「どのような脂質を摂るか」です。

お肉や乳製品・バターなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」は脂質異常症や動脈硬化のリスクを高めるため、1日あたりの摂取量を総エネルギー摂取量の7%以下にすることが目標とされています。

一方、魚や植物油に多く含まれる「多価不飽和脂肪酸」は、脂質異常症や動脈硬化のリスクを低下させることが報告されています(*3)

脂質の摂取源は肉や乳製品に偏らず、魚、植物油など、さまざまな食品を組み合わせましょう。

マーガリンやショートニングなどに含まれる「トランス脂肪酸」も、摂りすぎは健康へ悪影響を与えるため注意が必要です。

10.適正体重を知る

健康を維持するためには、体重は多すぎても少なすぎても良くありません。肥満を予防・改善するだけでなく、痩せすぎにも注意しましょう。

自分にとっての適正体重は、「目標とするBMIの範囲」から知ることができます。「目標とするBMIの範囲」は、国内外の疫学研究をもとに、最も死亡率が低かったBMIの範囲などをもとに定められています。

年齢目標とするBMIの範囲
18~49歳18.5~24.9
50~64歳20.0~24.9
65歳以上21.5~24.9

BMIは、「体重÷身長(m)÷身長(m)」で計算できます。170cmで65kgの場合は、「65kg÷1.7m÷1.7m=BMI 22.5」なので、どの年代においても適正体重であることが分かります。

肥満の定義は、BMI25以上です。また、内臓脂肪型肥満の場合や、肥満に伴う合併症がある場合は「肥満症」とされ、治療の対象になります。肥満はさまざまな生活習慣病のリスクを高めるため、食事や生活習慣を見直し、早めに対処しましょう。

一方で、若い女性の「痩せすぎ」も問題視されています。若い頃に痩せていると、生まれてくる子どもの将来の生活習慣病リスクが高まり、自分自身も乳がんになりやすくなります。少なくともBMI18.5以上は維持し、過度なダイエットは控えましょう。

食生活がなかなか改善できない…その対処法は?

食生活を改善したいという意思があっても、「時間がない」「仕事が忙しい」「面倒くさい」などの理由で改善できない人は多くいます。そんなときは、小さなことから始めてみましょう。

例えば、
・少しでも朝食をとる
・食事に副菜を1品加える
・果物を食べる
・週に1回でも肉を魚に置き換える

など、自分が無理なく取り入れられることを試してみてはいかがでしょうか。

小さなことでも、続ければ必ず体は応えてくれます。そして、体の変化を実感すれば、健康への意識は自然と高まるものです。

ちなみに、食生活を「改善するつもりがある人」と「改善するつもりがない人」では、前者のほうが食塩摂取量やBMIが低い傾向にあります(*4)。つまり、「食生活を改善しよう」という意思があるだけで、健康的な食生活を送りやすくなっているのです。

大きな目標を立てて「達成できない」と落ち込むより、自分にできる小さなことをコツコツと重ねていきましょう!

まずはできることから!食生活で健康を維持しよう

海外では、「You are what you eat(あなたは食べたものでできている)」という有名な言葉があります。まさに、ひとは食べたもので構成され、食生活によって未来の健康が左右されるといっても過言ではありません。

特に生活習慣病といわれるがん・糖尿病・脂質異常症・高血圧症・肥満症・動脈硬化などは、食事をはじめとする生活習慣に強く影響を受けます。これらの疾病を防ぐことは、健康寿命を延ばすだけでなく、幸せで充実した人生を送れるかどうかにも関わりますよね。

まずは自分にできることから、食生活を改善してみましょう。無理せず、食事を楽しむことも忘れないでくださいね。

参考文献
*1 国立がん研究センター「朝食の欠食と脳卒中との関連について」
*2 文部科学省・厚生労働省・農林水産省「食生活指針の解説要領」
*3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
*4 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

タイトルとURLをコピーしました