トランス脂肪酸を多く含む食品ランキングTOP10

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健康への悪影響が懸念されているトランス脂肪酸は、なるべく摂取を避けたい成分。しかし、どのような食品に含まれているか分からないと、知らずに摂ってしまうこともありますよね。そこで今回は、トランス脂肪酸を多く含む食品トップ10をご紹介。トランス脂肪酸の1日の摂取量の目安や、過剰摂取による影響なども併せて紹介するので、疾病予防や健康維持のための参考にしてみてくださいね。

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トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニングなどの加工油脂や、植物油の製造中に発生するものです。

トランス脂肪酸を多く摂取すると、LDLコレステロール(悪玉)の増加やHDLコレステロール(善玉)の減少を招き、動脈硬化を促進させ、冠動脈疾患のリスクが上がる可能性があるといわれています(*3)

ちなみに、トランス脂肪酸には「天然型」「工業型」がありますが、特に注意が必要なのは「工業型」で、「天然型」は健康への影響が少ないとされています。

トランス脂肪酸は、生成される原因によって「天然型」「工業型」の2つに大別されます。「天然型」のトランス脂肪酸は、牛や羊などの反すう動物の体内で生成されるもの。そのため、バターや牛肉、牛脂(ヘット)、ラム肉などに含まれますが、体内で代謝されやすいため健康への影響は工業型より低いとされています。

一方、「工業型」トランス脂肪酸は、植物油脂を加工する工程で生じるもの。具体的には、マーガリンやショートニングを作る過程の油脂への水素添加、植物油を精製するための高温加熱(200℃以上)などが原因で発生します。工業型のトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールの増加や心血管疾患などのリスクを高める可能性があり、摂取量の低減が呼びかけられています。

よく「マーガリンよりバターを選んだほうが良い」と言われるのは、これが理由ですね。ただし、天然型トランス脂肪酸もほかの脂質と同様、過剰摂取には注意しましょう。

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トランス脂肪酸を多く含む食品ランキングTOP10

健康への影響が懸念されるトランス脂肪酸ですが、どのような食品に多く含まれるのでしょうか。トランス脂肪酸を多く含む食品トップ10をランキング形式で紹介します。

*健康への影響が低いとされる「天然型」のトランス脂肪酸のみを含むとされる食品(牛脂やバターなど)はランキングに含まれていません。

トランス脂肪酸を多く含む食品ランキングTOP10

1位:ポップコーンの素【4.8g/100g】
2位:バター・マーガリンの類似品*【1.7g/100g】
3位:ショートニング【1.0g/100g】
4位:マーガリン【0.99g/100g】
5位:マヨネーズ【0.95g/100g】
6位:調整ラード【0.91g/100g】

 〃:植物性油脂【0.91g/100g】
7位:ファットスプレッド【0.69g/100g】

8位:菓子パイ【0.58g/100g】
9位:クロワッサン【0.54g/100g】
10位:カレー・ハヤシ・シチューのルウ【0.52g/100g】

トランス脂肪酸の含有量はすべて中央値です(≠平均値)
*「バター・マーガリンの類似品」とは、乳等を主要原料とする食品のうちバター又はマーガリンと類似の用途のものです

食品100g中の
トランス脂肪酸
1食分の
重量の目安
1食分の
トランス脂肪酸
食パン0.03g60g0.018g
ロールパン0.10g60g0.06g
菓子パン0.18g50~150g0.9~2.7g
調理パン・惣菜パン0.19g70~230g0.13~0.44g
ポップコーン(調理後)0.15g50g0.075g
コーヒークリーム0.08g3.0~6.0g0.0024~
0.0048g
アイスミルク0.18g100g0.18g
米菓0.20g40~150g0.08~0.30g
ショートケーキ0.42g100g0.42g
デニッシュ0.27g50~150g0.135~0.405g
シュークリーム0.19g80g0.152g
ドーナツ0.30g50g0.15g
プリン0.13g80~150g0.104~0.195g
ビスケット0.14g80g0.112g
クラッカー0.07g40g0.003g
スナック類0.25g60~80g0.15~0.20g
ドレッシング0.51g15g0.765g
フライドポテト0.15g50~225g0.08~0.34g
鶏の唐揚げ・
フライドチキン・
チキンナゲット
0.15g80~125g0.12~0.19g
コロッケ0.27g70~100g0.19~0.27g
天ぷら0.23g90~300g0.21~0.69g
参考:農林水産省(*1)

上記のトランス脂肪酸の含有量は、農林水産省が平成26~27年度に行った調査結果(*1)を参考にしています。この調査では、合計684品の食品*に含まれるトランス脂肪酸の量が調査されました。
*油脂・油脂類を原材料とする加工食品504品、市販の揚げもの60品、調理冷凍食品120品

その結果、100gあたりに含まれるトランス脂肪酸の量が最も多かったのは「ポップコーンの素」でした。

市販の味付けポップコーンの素には、植物油脂やバターを多く含むものがあります。植物油脂は製造の過程で高温処理を受け、そのときにトランス脂肪酸が生じます。

そのため、植物油脂を多く含むポップコーンの素は、トランス脂肪酸の濃度も上がってしまうのです。

ポップコーンを食べるなら、ノンオイルの豆を購入してレンジで調理するのがおすすめ。ポップコーンメーカーを使うのも良いですが、紙袋に豆を入れてレンジで加熱すれば、簡単にポップコーンを作ることができます。

とはいえ、味付けポップコーンでも、調理後(爆裂したもの)は100gあたりに含まれるトランス脂肪酸は約0.15gです。毎日大量に摂取するのはリスクがありますが、時々ポップコーンを食べるくらいなら問題ないでしょう。

そのほか、ショートニングやマーガリン、これらの類似品などにもトランス脂肪酸が多く含まれています。

トランス脂肪酸の1日の摂取量の上限は?

トランス脂肪酸の過剰摂取は冠動脈疾患などの発症リスクを高めることから、WHOではトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告しています。これは、「天然型」と「工業型」の両方を合わせたトランス脂肪酸の量です。

1日に2000kcalを摂取する場合、トランス脂肪酸の摂取量は約2g未満にあたります。

トランス脂肪酸を多く含む「ポップコーンの素」の場合、100gあたり最大5.4g含まれるため、トランス脂肪酸の摂取量を2g未満に抑えるには、ポップコーンの素は40g以内にすると安心です。

ただし、商品によってトランス脂肪酸の含有量に差があり、ほかの食品にもトランス脂肪酸は含まれているため、この量に抑えていれば絶対に安全だということではありません。

また、時々食べる程度であれば、必ずこの量に抑えなければいけないという意味でもないので、食生活に応じて適量を見極めましょう。

ちなみに、日本人の大多数はトランス脂肪酸の摂取量が少なく、摂取量の上限以内に収まっていると考えられています。しかし、偏った食事をしているとトランス脂肪酸の過剰摂取につながるため、注意しましょう。

トランス脂肪酸を多く含む食品の特徴は?摂取量を減らす方法!

どのような食品にトランス脂肪酸が多く含まれるのかを知っていれば、その食品をなるべく避けることで、トランス脂肪酸の摂取量を減らすことができます。トランス脂肪酸を多く含む食品の特徴と、食品選びのコツについて紹介しますね。

1.クロワッサンより食パン・バゲットを

トランス脂肪酸は、バターやマーガリンなどの油脂類や、これらの油脂を豊富に使って作る食品に多く含まれています。

例えば、同じパン類でも、油脂を多く使って作るクロワッサンやデニッシュは、食パンに比べてトランス脂肪酸を多く含みます。

食品100g中の
トランス脂肪酸
1食分の
重量の目安
1食分の
トランス脂肪酸
クロワッサン0.54g30~60g0.16~0.32g
デニッシュ0.27g50~150g0.14~0.41g
食パン0.03g60g0.02g
ロールパン0.10g60g0.06g
参考:農林水産省(*1)

ちなみに、フランスパンやバゲットは基本的にバターなどの油脂を使用しないため、トランス脂肪酸0の商品も多くあります*。また、「パン・ド・ミ」は油脂をあまり使わないタイプの食パンです。

日常的に食べるなら、このように油脂の使用量が少ないパンを選ぶのがおすすめです。もちろん、クロワッサンやデニッシュも、たまに食べる程度なら問題はありません。

2.油は精製度の低いものを

健康的なイメージのある植物油脂ですが、製造過程で高温処理を受ける際にトランス脂肪酸が生成されてしまいます。サラダ油菜種油、そして植物油脂を原料とする食品にもトランス脂肪酸は比較的多く含まれます。

食品100g中の
トランス脂肪酸
1食分の
重量の目安
1食分の
トランス脂肪酸
植物油脂0.91g15g0.14g
ショートニング1.0g
マーガリン0.99g10g0.10g
ファット
スプレッド
0.69g10g0.07g
マヨネーズ0.95g15g0.14g
参考:農林水産省(*1)

トランス脂肪酸の摂取量を減らすためには、精製度の低い植物油脂を選ぶのがポイント

例えば、「エクストラバージンオリーブオイル」はオリーブの実を搾っただけのもので、加熱処理を受けていません。オリーブオイルが多く含む「オレイン酸」は、コレステロール値の改善や動脈硬化の予防などにも効果的なので、一石二鳥ですね。

脂肪酸の分類ごとの特徴はこちらの記事で詳しく紹介しています

3.マヨネーズは「カロリーハーフ」を

マヨネーズに含まれるトランス脂肪酸はそれほど多くありませんが、「ハーフ」に変えると、より摂取量を減らすことができます。

キューピーマヨネーズの場合、大さじ1杯あたりのトランス脂肪酸の含有量は、普通のマヨネーズは0.17g、ハーフなら0.05g。約1/3までトランス脂肪酸の摂取量を減らすことができるので、マヨネーズを多く使う方はハーフを選ぶのもおすすめ。

トランス脂肪酸フリーの食品を選ぶのもおすすめ

ショートニングやマーガリンなどの加工油脂は、クッキーやフライをサクサクに仕上げるメリットもあります。「調理に使いたいけどトランス脂肪酸が不安」という方は、トランス脂肪酸フリーの商品を選びましょう。

なお、トランス脂肪酸の含有量が0.3g/100g未満の場合、「トランス脂肪酸フリー」「トランス脂肪酸0(ゼロ)」として販売することが許可されています。トランス脂肪酸を全く含まないわけではありませんが、限りなくゼロに近いので安心ですね。

1.トランスファットフリーショートニング フレッシュプレス

南米コロンビアの日差しを浴びて育ったパーム油を原料とし、水素添加をせずに作られたトランス脂肪酸フリーのショートニングです。酸化防止剤や保存剤などの添加物も使用されていません。お菓子やパンだけでなく、天ぷらやフライに使うのもおすすめです。

2.オーガニックマウンテン ショートニング

こちらは、有機栽培されたパーム油から作られたショートニングです。トランス脂肪酸だけでなく、酸化防止剤・保存料などの添加物も含まれていません。アレルギー特定原材料等27品目も含まれないので、アレルギー体質の方も安心して使うことができますよ。

食品に含まれるトランス脂肪酸は減少傾向

日本では、過去に数回トランス脂肪酸の含有量の調査が行われています。2006~2007年度に行われた調査に比べて、2014~2015年度の調査結果ではトランス脂肪酸の含有量が大幅に減っていました

2006~2007年
の調査
2014~2015年
の調査
ショートニング12g1.0g
マーガリン8.7g0.99g
ファットスプレット6.1g0.69g
マヨネーズ1.3g0.95g
100gあたりのトランス脂肪酸の含有量(*1,2)

これは、消費者や食品メーカーのトランス脂肪酸への関心が高まったことや、トランス脂肪酸を減らすように政府が呼びかけた結果だと言えるでしょう。

現在も、食品メーカーではトランス脂肪酸を削減する努力を続けているので、次回の調査では含有量がさらに減っているかもしれませんね。

ちなみに、海外に比べて日本ではトランス脂肪酸に対する規制が緩いと言われていますが、これは日本人のトランス脂肪酸摂取量が欧米に比べて少ないことや、食品メーカーの保護などが理由です。政府や食品メーカーも、見て見ぬ振りをしているわけではないのです。

トランス脂肪酸を多く含む食品と上手に付き合おう

日本人のトランス脂肪酸の摂取量は少なく、健康被害を起こす危険性は低いと言われています。しかし、トランス脂肪酸は体に必要な栄養素ではないので、健康維持のためにもなるべく避けたいですよね。

トランス脂肪酸がどのような食品に多く含まれるかを知っていると、食品選びに役立ちます。

今回はトランス脂肪酸を多く含む食品トップ10を紹介しましたが、これらの食品を完全に排除するのではなく、なるべく健康的な商品を選んだり、摂取量を調節したりして、上手に付き合っていきましょう。

Written by Yukari

今回のランキングに入ってしまった食品も、適量であれば健康への影響はほぼないと考えて良いと思います。しかし、普段から脂質の摂取量が多い方や、血中コレステロール値・中性脂肪値が高めの方は、なるべくトランス脂肪酸の摂取量を減らすと安心です。とはいえ、神経質になりすぎると食事を楽しめなくなってしまうので、「少しなら大丈夫」とゆとりを持つことも大切。今回の記事が、皆さまの健康維持に役立つことを願っています。

参考文献
*1 農林水産省 平成26・27年度調査結果(穀類加工品、乳類、油脂類、菓子類、嗜好飲料類、調味料・香辛料類、調理加工食品)
*2 農林水産省 平成18・19年度調査結果(穀類加工品、豆類加工品、肉類、乳類、油脂類、菓子類、調味料・香辛料類)
*3 食品安全委員会 新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸

*4 厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格などに関する省令」
*5 農林水産省「マーガリン類の日本農林規格」
*6 キューピー「マヨネーズなどに関するQ&A」

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