卵を料理に使おうと思ったら、手がすべって床にぐしゃり!…なんて経験は多くの方にあると思います。割れた卵をそのまま捨てるのはもったいない、何かに活用できないかな? そんなときにおすすめの、割れた卵の使い道をご紹介します。
卵をパックごと落とした場合の使い道
買ってきた卵をパックごと落として中身が外に出ていない場合は、その日のうちに加熱調理すれば卵を食べることができます。
ポイントは、
・殻の破片をきれいに取り除く
・黄身と白身が完全に固まるまで加熱する
・なるべく早く食べる
この3つです。
卵の殻には、食中毒の原因となる「サルモネラ菌」が付着している可能性があります。このサルモネラ菌は、食品の中心が75℃になる温度で1分以上加熱することで殺菌できます(*1)。
そのため、落として割れた卵は生では食べず、十分に加熱してから食べましょう。目安は、黄身と白身のどちらも完全に固まる程度です。
また、調理したらなるべく早く食べることもポイント。できれば2時間以内に食べると安心です。なお、殻を取り除くのが難しい場合は、食べずに別の方法に活用しましょう。
卵を直で床に落としてしまった場合の使い道
卵をそのまま直で床に落とした場合は、食べるのに抵抗がありますよね。そんなときは、料理以外に卵を活用しましょう。
1.髪の毛のトリートメントに使う
卵には、髪の毛の成分となるアミノ酸が豊富に含まれているため、ヘアトリートメントとして活用することができます。
落とした卵の殻を除いて黄身と白身を混ぜ、シャンプーする前の髪の毛によく馴染ませましょう。20~30分ほどおいたら、いつも通りにシャンプーとトリートメントをします。
なお、卵にオリーブオイルやはちみつを加えると、よりトリートメント効果が高まります。下のレシピを参考に作ってみてくださいね。
・卵 1個
・はちみつ 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
(*2)
卵でトリートメントすると髪の毛はしっとりしますが、卵のにおいが髪についてしまうのがデメリット。卵のトリートメントは、いつものシャンプー・トリートメントの前に行いましょう。
2.肌のパックに使う
卵黄は、肌のパックに使うこともできます。
卵黄に多く含まれる「レシチン」は、肌をしっとりと保湿してくれます(*3)。そのほかにも、卵黄にはビタミンEやアミノ酸など豊富な栄養素が含まれています。
卵黄パックの方法
【材料】
・卵黄 1個分
・小麦粉 大さじ2
・水 大さじ1
【作り方・使い方】
①材料をすべて混ぜる
②手やブラシで肌に伸ばす
③5~10分おいたら洗い流す
(*4)
卵黄にサルモネラ菌が付着している可能性もあるため、口や目の近くには塗らないように注意しましょう。また、肌が敏感な方はパッチテストを行うことをおすすめします。
3.洗顔に使う
卵白は、泡立てて洗顔に使うことができます。卵白には、角質を柔らかくする作用があるといわれています。卵白に含まれるリゾチームという酵素には殺菌作用もあります。
使い方は簡単。卵白を肌に伸ばし、手のひらや指先でクルクルとマッサージしたあと、ぬるま湯でしっかり洗い流すだけです。
卵白洗顔は、クレンジングの後に行いましょう。卵白洗顔だけでもOKですが、洗い足りない感じがあれば、普段通りの洗顔もプラスしましょう。
落とした卵にも使い道がある!
パックごと落として卵が割れた場合は、よく加熱して使うことができますが、床に直で落とした卵をそのまま食べるのは食中毒のリスクがあるためおすすめできません。床に落とした卵を捨てるのが忍びないときは、トリートメントや肌パック、洗顔などに活用しましょう。
なお、これらの方法は、生で卵を食べることができる日本だからこその活用法です。海外では、生卵を食べられるほどの衛生管理が整っていないこともあるので、あくまでも「日本で買った卵」の使い道として参考にしてみてくださいね。
繰り返しになりますが、落とした卵にはサルモネラ菌やほかの雑菌が付着している可能性があるので、肌に使う場合でも冷蔵庫で保存し、目や口の周りには塗らないよう注意してください。
Written by Yukari
じつは今朝、私自身が卵を落として割ってしまい、この卵を無駄にせず何かに使えないか…と考えたことが今回の記事を書くきっかけとなりました(笑)。私はアレルギーや敏感肌ではないので今回紹介した方法を試しても問題ありませんでしたが、体質によっては何らかの影響が出る可能性もありますので、ご自身の体質に合わせてご活用ください。
参考文献
*1 有薗幸司編『食べ物と健康 食品の安全』改訂第2版, 2018
*2 地球の歩き方WEBマガジン「【効果抜群】オリーブオイルの手作りヘアパック。オリーブオイル講師のお奨めレシピ。」
*3 OGATA egg farm「ちょっと勇気がいるけど・・・「たまご美容法」」
*4 化粧品成分オンライン「レシチンの基本情報・配合目的・安全性」