あなたのダイエットは本当に必要?「痩せ」のデメリットと適正体重を維持するメリット

「もっときれいになりたい」という思いから、無理なダイエットに走る人は少なくありません。しかし、適切な体重・BMIを大きく下回ると、健康リスクも生じます。そもそも、ダイエットとは本来「痩せること」を意味する言葉ではありません。
この記事では、ダイエットの本当の意味とともに、適正体重を維持することの大切さ、肥満や痩せのデメリット・リスクを解説します。適正体重かどうか判断する方法もあわせて紹介するので、本当にダイエットが必要かどうか判断する際の参考にしてみてくださいね。

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「痩せること」ではない?ダイエットの本当の意味

ダイエットとは、もともと「食事療法」や「病院での治療食」を意味する言葉です。状況に応じた理想的な食事や、その食事を摂取することを指します。

例えば、標準体重から大きく外れている場合は、標準体重に近付けるような食事を摂ります。つまり、肥満を解消するための方法もダイエット、そして、痩せすぎの状態から体重を増やすこともダイエットです。

日本では、ダイエットというと体重を減らすことや、痩せることを意味する場合が多いですよね。しかし、本当の意味でのダイエットは、健康的な体重を維持すること、健康な状態に近づくことが目的です。

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本当にダイエットは必要?適正体重・BMIをチェックしよう

適正体重を簡単にチェックするためには、BMIという数値を使います。自分のBMIを、以下の計算式で求めてみましょう。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

例えば、身長158cmで52kgの場合、52(kg)÷1.58(m)÷1.58(m)で、BMIは20.8となります。

そして、BMIの目標値は以下の範囲です。

年齢目標とするBMI
18~49歳18.5~24.9
50~64歳20.0~24.9
65歳以上21.5~24.9
出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)

先ほどの例だと、身長158cm・体重52kg・BMI20.8なので、64歳までなら適正体重、65歳以上であれば体重を増加させることが望ましいと考えられます。

ただし、BMIはあくまでも身長と体重から単純計算した数値であり、体脂肪率は考慮されていません。筋肉量が多いとBMIが高く算出されることもあります。体脂肪率などもチェックしながら、あくまでも目安として参考にしましょう。

適正体重は何を根拠に決められる?維持するメリットは?

目標とするBMIの範囲は、何を根拠に決められているのでしょうか。

じつは、大規模な疫学研究の結果、最も総死亡率が少なかったBMIの範囲が目標値とされています。

下の図は、BMIと死亡率の関連性を示したものです。

大規模な疫学研究により、BMIと死亡率の関連を示した図。適正なBMIの範囲で死亡率が最も低く、BMIが低すぎても高すぎても死亡率が上昇することが示されている。
主要死因別にみたBMIと死亡率との関連
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

適正とされるBMIの範囲で死亡率が低くなり、適正範囲から外れると、体重が少なすぎても多すぎても死亡率が上昇することが示されています。つまり、健康を維持するためには、BMIは高すぎても低すぎても良くありません。

適正体重を維持することは、見た目の美しさだけでなく、健康を保つためにもとても大切なことなのです。

肥満のリスクとデメリット

日本肥満学会では、BMI25以上を「肥満」、BMI35以上を「高度肥満」と定義しています(参照:日本肥満学会)。

特に、内臓脂肪型肥満は高血圧・糖尿病・脂質異常症を併発しやすく、治療が必要な場合もあります。肥満や運動不足はさまざまな生活習慣病のリスクを高めるため、食事や生活習慣を改め、改善することが大切です。

「痩せ」のリスクとデメリット

「痩せ」とは、標準体重の-10~-20%の状態をいいます(*1)。また、標準体重より-20%以上の場合は「るいそう」、BMI18.5未満の場合は「低体重」と呼ばれます。

このような場合、エネルギーやたんぱく質が不足し、栄養失調状態になっている可能性があります。また、筋肉量が減少し、基礎代謝量も著しく低下します。さらに、浮腫(むくみ)や低アルブミン血症などもみられることがあります。

痩せや低体重が長期にわたると、骨粗しょう症や糖尿病を発症するリスクが高まり、女性の場合は出生時の体重が少ない「低出生体重児」を出産するリスクが高まることが知られています(*2)。

また、低出生体重児は、将来的に2型糖尿病や高血圧、心血管系疾患などの発症リスクが高まることも報告されています(参照:国立成育医療研究センター)。

心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)を経験したことがある割合

出典:国立成育医療研究センター

高血圧を経験したことがある割合

出典:国立成育医療研究センター

糖尿病を経験したことがある割合

出典:国立成育医療研究センター

このように、適正範囲を超えて痩せている場合のリスク・デメリットは、子どもの将来の健康にも影響を及ぼします。本人だけの問題ではありません。

日本は先進国のなかでも低出生体重児の割合が多く、日本の女性の「痩せ」は社会問題のひとつとして解決が求められています。

ダイエットが本当に必要か、よく考えよう

日本では、中年期以降(特に男性)では肥満が多く、若年女性では「痩せ」が多いという相反する問題を抱えています。

どちらも、生活習慣病などを惹起するため、ダイエットの本当の意味、そして標準体重を維持することの大切さを理解することが大切です。

特に、若い女性は、本当なら必要のないダイエット(体重減少)に走り、危険なまでに痩せてしまうことがあります。摂食障害を患うのも、主に女性です。

痩せすぎは本人が糖尿病や骨粗しょう症になるリスクを高めるだけでなく、将来生まれてくる子どもにも疾病にかかりやすいというリスクを背負わせてしまいます。

美しさは、見た目だけでは決まりません。特に、「痩せていること=美しさ」では決してありません。

健康でいきいきと毎日を過ごすためにも、ダイエットの本当の意味を知り、栄養バランスのとれた健康的な食事をとりましょう。

健康的な食生活のポイントや具体的な食事・献立については、以下の記事で紹介しています。あわせてチェックしてみてくださいね。

Yukari Nagata

フードスペシャリスト / 食生活アドバイザー
体調を崩したことをきっかけに「食」の大切さに気づき、30代で大学へ入学し臨床栄養学・食品学・調理学など食や健康に関することを幅広く学ぶ。現在は、科学的根拠に基づいた正しい情報を分かりやすく届けることをモットーとして、食に関する記事を中心に執筆。おいしく健康管理に取り組めるレシピ・献立も提案している。

Instagramではお弁当や料理の画像を投稿しています♪

Writer’s comment
肥満に比べて「痩せ」のデメリットはあまり知られていないように感じるため、今回の記事を書きました。近年は、心配になるほど痩せている女性をよく見かけます。自分自身の健康のためだけでなく、将来的に子どもを産みたいという希望があるなら、しっかり食事をとり、適正な体重・BMIを維持することが大切です。また、女性の体型を揶揄するような人が時々いますが、その軽い一言に傷つき、摂食障害などを患う女性もいることを心に留めていただきたいです。

参考文献
* (公)日本フードスペシャリスト協会編『三訂 栄養と健康』第2版
* 日本人の食事摂取基準(2020年版)
* 長島由佳「日本における若年女性の痩せに関する諸問題ー生活習慣病を中心にー」

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