ずみずしく熟した朱色の果肉と、濃密で上品な甘さ。秋の味覚として人気の柿には、どのような栄養素・成分が含まれているのでしょうか。今回は、柿に含まれる栄養素と、その効果・効能について紹介します。レモンやみかんなど他のフルーツとのビタミンC含有量の比較や、生の柿と干し柿の栄養価比較もあわせて紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。
柿に含まれる栄養素・成分は?

柿に含まれる主な栄養素とカロリーを下の表にまとめました。
| 甘柿 | 渋抜き柿 | |
| エネルギー | 63kcal | 59kcal |
| 炭水化物 糖質 食物繊維 | 16.1g 14.5g 1.6g | 16.4g 13.6g 2.8g |
| β-カロテン | 35μgRAE | 25μgRAE |
| ビタミンE | 0.1mg | 0.2mg |
| ビタミンK | 2μg | 2μg |
| ビタミンB1 | 0.03mg | 0.02mg |
| ビタミンB2 | 0.02mg | 0.02mg |
| ナイアシン | 0.4mgNE | 0.4mgNE |
| ビタミンB6 | 0.06 | 0.05mg |
| 葉酸 | 18μg | 20μg |
| パントテン酸 | 0.28mg | 0.27mg |
| ビオチン | 2.0mg | 1.1mg |
| ビタミンC | 70mg | 55mg |
| カリウム | 170mg | 200mg |
| マンガン | 0.50mg | 0.60mg |
*甘柿は次郎柿や富有柿、渋抜き柿は平核無柿や力根早生柿などの渋柿を渋抜きしたものです。
生の柿は甘柿・渋柿ともに100gあたり約60kcalで、同じ重さのりんごとカロリーは同程度。甘柿1個は150~200gなので、1個あたり90~130kcal程度です。
柿には食物繊維が豊富に含まれるほか、β-カロテンやビタミンC、カリウム、マンガンなどが豊富に含まれています。
柿に含まれる栄養素の働き・効果
ここでは、柿に多く含まれるβ-カロテン・ビタミンC・カリウム・マンガンについて働き・効果を紹介します。
β-カロテン
β-カロテンは脂溶性ビタミンの一種で、体内で必要に応じてビタミンAに変換されることが特徴です。
β-カロテンはビタミンAに変換されたのち、皮膚や粘膜を健康に保ち、免疫機能を正常に維持するなどの働きを示します。また、暗いところで物を見るための「ロドプシン」という色素の構成成分にもなります。
ビタミンAは過剰摂取に注意が必要ですが、β-カロテンとして摂取した場合は不必要な分が排出されるため、過剰症の心配は基本的にありません。
体内のビタミンAが欠乏すると、夜盲症・皮膚や粘膜の異常・細菌感染への抵抗力の低下などが起こる可能性があります。一方、ビタミンAは過剰摂取にも注意が必要な栄養素。特に妊娠中はビタミンAを多く含む食品の摂取に注意が必要なので、柿のようにβ-カロテンを多く含むフルーツや緑黄色野菜を積極的に摂って補いましょう。
ビタミンC
ビタミンCには、体内で発生した活性酸素を除去する働きや、コラーゲンの産生をサポートする働きなどがあります。
ビタミンCは、一緒に摂った鉄の吸収率を高める効果もあります。ほうれん草やブロッコリーなど鉄を多く含む食品と一緒に柿を食べるのもおすすめです。
体内の活性酸素が増えすぎると、体内の脂質・たんぱく質・核酸などを変性させる原因になります。その結果、細胞やDNAが傷害され、疾病や老化などの原因になることもあります。
ビタミンCは、自身が酸化されることで体内で発生した活性酸素の除去に働きます。ビタミンEにも抗酸化作用がありますが、酸化したビタミンEを再び働ける状態に戻すこともビタミンCの役割です。
カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、細胞内外の浸透圧の調節や神経伝達に関わる栄養素です。体内の余剰なナトリウムの排出を促すこともカリウムの重要な働きです。
ナトリウムは食塩の成分であり、過剰なナトリウム(塩分)を摂取すると血圧の上昇を招くことが知られています。血圧をサポートするためにも、カリウムは積極的に摂りたい栄養素です。
マンガン
マンガンは、「SOD」という酵素の構成成分として、体内の抗酸化機能に深く関わっています。
SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)は、活性酸素の一種であるスーパーオキシドを過酸化水素と酸素に分解する働きを持つ重要な酵素です。SODによって産生された過酸化水素は、別の抗酸化酵素*によって酸素や水に分解されます。
*グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ
生の柿と干し柿の栄養価を比較!

生の柿はみずみずしい食感が楽しめますが、干し柿には濃厚な甘さやねっとりした特有の食感があります。栄養価にも違いがあるのか、栄養素の含有量とカロリーを比較しました。
なお、干し柿は渋柿から作られることが多いので、ここでは生の渋柿と干し柿の栄養価を比較しています。
| 生の柿 (甘柿) | 生の柿 (渋柿) | 干し柿 | |
| エネルギー | 63kcal | 59kcal | 274kcal |
| 炭水化物 糖質 食物繊維 | 16.1g 14.5g 1.6g | 16.4g 13.6g 2.8g | 72.7g 58.7g 14.0g |
| β-カロテン | 35μgRAE | 25μgRAE | 120μgRAE |
| ビタミンC | 70mg | 55mg | 2mg |
| カリウム | 170mg | 200mg | 670mg |
| 鉄 | 0.2mg | 0.1mg | 0.6mg |
| マグネシウム | 6mg | 6mg | 26mg |
| マンガン | 0.50mg | 0.60mg | 1.48mg |
干し柿は、天日干しなどによって乾燥させるため、水分が抜けて1個あたりの重さが減ります。そのため、100gあたりの栄養価を比較すると干し柿のほうが高カロリーで栄養価も高いように見えますが、1個あたりのカロリー・栄養価は生の柿とほぼ変わりません。
ただ、空気や光の影響で失われやすいビタミンCは干し柿にすると大きく減少します。ビタミンCをしっかり摂りたい方は、生のまま柿を食べるのがおすすめです。
柿のビタミンC含有量はほかのフルーツより多い?みかんやレモンと比較!

続いて、柿とほかのフルーツのビタミンC含有量を比較して紹介します。カロリー・糖質・食物繊維の量も併せて比較しているので、参考にしてみてくださいね。
| ビタミンC | エネルギー | 糖質 | 食物繊維 | |
| 甘柿 | 70mg | 63kcal | 14.3g | 1.6g |
| 渋柿 | 55mg | 59kcal | 14.1g | 2.8g |
| レモン | 100mg | 43kcal | 7.6g | 4.9g |
| キウイ | 71mg | 51kcal | 10.8g | 2.6g |
| いちご | 62mg | 31kcal | 7.1g | 1.4g |
| みかん | 32mg | 49kcal | 11.0g | 1.0g |
| バナナ | 16mg | 93kcal | 21.4g | 1.1g |
| りんご | 6mg | 56kcal | 14.3g | 1.9g |
| 梨 | 3mg | 38kcal | 10.4g | 0.9g |
| ぶどう | 3mg | 69kcal | 16.0g | 0.9g |
みかん:うんしゅうみかん/じょうのう/普通,
りんご・ぶどう:皮付き すべて100gあたり
甘柿1個(150~200g)あたりに含まれるビタミンCは105~140mgであり、レモン1個(約100g)より、柿1個に含まれるビタミンCのほうが多いことが分かりました。
レモン1個を生のまま食べるのは難しいですが、甘くて食べやすい柿なら、無理せず1個食べることができるでしょう。なお、成人のビタミンCの推奨摂取量は1日あたり100mgなので、柿を1個食べると、推奨量を摂取できますよ。
みかんもビタミンCを多く含むことで知られていますが、柿には同じ重さのみかんの2倍以上のビタミンCが含まれています。
柿のビタミンCは加熱で減る?

ビタミンCは熱に弱いため、加熱により一部が失われてしまいます。そのため、柿を加熱してジャムやペーストに加工するとビタミンCが大幅に減少します。
また、ビタミンCは空気や光にも不安定な成分。皮を剥いた柿を長く放置するとビタミンCが失われやすいので、なるべく早めに食べましょう。
ちなみに柿の葉茶のビタミンC含有量は?

柿の葉には、レモンの10~20倍、緑茶の20~30倍のビタミンCが含まれるといわれています。
柿の葉茶を淹れるときは、冷水でじっくり抽出するか、60℃程度のお湯で3分ほど抽出させると、ビタミンCの損失が少ないようです(*2)。
柿の葉茶は、ほのかな甘味や香ばしい風味を楽しむことができます。緑茶より苦味が少ないため、子どもでも飲みやすいのが嬉しいポイント。
まとめ

柿はβカロテンやビタミンCなどを豊富に含むため、健康や美容のサポートに役立つでしょう。旬の時期の柿は特に栄養価が高く、美味しいといわれています。柿の旬は9~12月頃なので、ぜひ味わってみてくださいね。
参考文献
*1 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
糖質は「差し引きによる利用可能炭水化物」量を掲載
*鶴永陽子ら「柿の葉茶の浸出方法が抗酸化成分含量に及ぼす影響 およびその浸出液の安定性」

