多くのビタミンC配合サプリには、1日分に1,000mg以上のビタミンCが含まれています。しかし、ビタミンCはそんなに摂る必要があるのでしょうか?この記事では、ビタミンCの1日の摂取量の目安や、摂りすぎたときのデメリット・過剰症などについて紹介します。
ビタミンCの1日あたりの摂取量の目安は?

成人男女のビタミンCの推奨摂取量は、1日あたり100mgです。
日本で唯一、栄養素の摂取量の基準を示した「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンCの摂取量を以下のように定めています。
| 推定平均必要量 | 推奨量 | |
| 0〜11か月 | 40mg(目安量) | ー |
| 1~2歳 | 30mg | 35mg |
| 3~5歳 | 35mg | 40mg |
| 6~7歳 | 40mg | 50mg |
| 8~9歳 | 50mg | 60mg |
| 10~11歳 | 60mg | 70mg |
| 12~14歳 | 75mg | 90mg |
| 15〜64歳 | 80mg | 100mg |
| 65歳以上 | 80mg | 100mg |
ただし、喫煙者・受動喫煙者はビタミンCの消費量が多いので、推奨量より多めの摂取を心がけましょう。
また、妊娠中は+10mg、授乳中は+45mgを目安にしてくださいね。
推定平均必要量とは、ある集団において、50%の人が必要量を満たすと考えられる摂取量です。つまり、ビタミンCの場合は85mgを摂取していれば、日本人の成人の半数は必要量を満たせるだろう、ということですね。言い換えると、半数の人は満たせない可能性があるということです。
一方、推奨量は、ある集団において97~98%の人が必要量を満たすと考えられる摂取量です。推奨量以上の摂取量であれば、ほとんどすべての人が必要量を満たせると考えられています。
推定平均必要量と推奨量が示されている場合、推奨量を目安にすると、より健康維持に役立ちます。
ちなみに、どちらも摂取量がそれ以下になったからといって、すぐに欠乏症が生じるわけではありません。あくまでも目安として、「1日くらい足りない日があっても、数日で帳尻が合えば大丈夫」と気楽に考えましょう。
ちなみに、ビタミンCは1日に10mg以上摂っていれば欠乏症は生じないとされています(*1)。
1日に1,000mg以上のビタミンCを摂取するのは意味ない?

現在販売されているビタミンCサプリメントの多くは、1日分に1,000mg以上のビタミンCが含まれています。どのサプリを見ても1,000mg以上配合されていると、「こんなに摂らないといけないのかな…」と考えてしまいますよね。
しかし、ビタミンCは1日に1,000mgも摂る必要はありません。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、以下のように明記されています。
ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、通常の食品以外の食品から1 g/日以上の量を摂取することは推奨できない。
『日本人の食事摂取基準(2025年版)』第一出版,2025,p222
「通常の食品以外の食品」とは、サプリメントや機能性表示食品などのことです。サプリメントの使用は慎重に判断しましょう。
ビタミンCの過剰摂取によるデメリット・過剰症は?

ビタミンCのような水溶性ビタミンは、摂りすぎても尿として排出されることから、過剰症の恐れはないとされています。。
しかし、これはあくまでも自然由来の食品から摂取した場合です。サプリメントなどでビタミンCを摂取すると、通常の食品よりはるかに高濃度のビタミンCを簡単に摂ることができます。
サプリメントなどでビタミンCを過剰摂取すると、吐き気・下痢・腹痛といった胃腸トラブルが起こる可能性があります(*1)。
アメリカではビタミンCは1日2,000mgが上限量
日本ではビタミンCの摂取上限量を設けていませんが、アメリカでは2,000mgを超える長期的摂取が健康へ悪影響を及ぼす可能性があるとして、耐容上限量を2,000mg/日に設定しています(*3)。
少なくともサプリメントからの摂取量は1日2,000mgを超えないようにすることをおすすめします。
ビタミンCの摂りすぎは推奨できない

以上のことから、ビタミンCを必要以上に摂ることはおすすめできません。
美しいモデルさんや芸能人の方が、「1,000mgのビタミンCが配合されたサプリを1日に何包も飲んでいる」と発信しているのを見かけることもあります。そういった情報を目にするとつい真似したくなってしまいますが、健康上のリスクも考え、必要量以上のビタミンCを摂ることは避けましょう。
繰り返しになりますが、日本人の成人男女のビタミンCの1日の摂取推奨量は100mgです。サプリメントはあくまでも、食事で摂りきれない栄養素を補うためのものとして補助的に活用し、過剰摂取はなるべく避けましょう。
ビタミンCの吸収率は約90%と高いのですが、1日に1,000mg以上摂ろうとすると吸収率は50%程度に落ちます。これは、体内のビタミンC濃度を保つための仕組みです。1日に80~100mg程度のビタミンCを摂取したときの血中濃度で、十分な抗酸化作用が期待できることが疫学研究で示されています(*4)。また、コラーゲン生成不足による壊血病も、1日に10mg以上のビタミンC摂取で予防できるといわれています。今回の記事を書くにあたり、ネット上で「美容のためには1日1,000mg以上のビタミンCが必要」という主張を複数確認しましたが、いずれも科学的根拠が示されていなかったため、今回の記事では触れませんでした。
*1 『日本人の食事摂取基準(2020年版)』第一出版,2020
*2 「令和元年 国民健康・栄養調査」において、15-19歳以外の年代における男女のビタミンC摂取量が約50~60mgであることを根拠として提示した
*3 厚生労働省 eJIM「ビタミンC」
*4 Gey.KF「Vitamins E plus C and interacting conutrients required for optimal health」

